著者
岡崎 淳史 田中 智大 吉田 奈津妃 邱 湞瑋
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.51-52, 2019

<p> 本号より,本学会誌「若手のページ」の編集委員が新しくなりました.編集方針を示すと共に,編集委員の4名が所信表明をさせて頂きます.</p>
著者
渡部 哲史 山田 真史 吉田 奈津妃 佐々木 織江 神谷 秀明 田中 智大 丸谷 靖幸 峠 嘉哉 木村 匡臣 田上 雅浩 木下 陽平 林 義晃 池内 寛明
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.260-265, 2017
被引用文献数
1

&emsp;平成29年2月18,19日に東京大学本郷キャンパスにおいて,合計16名の参加者により第6回目となるWACCA (Water-Associated Community toward Collaborative Achievements)meetingを開催した.第6回となる今回は各自の研究内容を理解し,多様なスケールで展開される様々な水関連研究の現状やそれぞれが抱える課題,それらを克服するために必要なブレークスルーについて考える機会を設けた.各自の研究発表を基に,様々な研究分野に共通する課題やブレークスルーなど研究に関する議論や,アウトリーチのような活動に関する情報共有,その他研究を進める上で感じていること等の意見交換を行った.本報告ではそれらの議論の概要について記す.
著者
吉田 奈津妃 キム ヒョンジュン 沖 大幹
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2015

陸域水循環のモデリング研究において、大気と地表面の間のエネルギー交換(潜熱と顕熱)とそれに伴う水の相変化(蒸発散)は重要なプロセスである。これまで地球規模のエネルギー・水収支の算定をより現実的に行うため、地表面の情報を陸面モデルに取りこむ研究がなされてきた。しかし、地表面情報には異なる手法や元データの時空間的な不均一性等による不確実性が存在することが指摘されている。陸域水文研究においても、気候外力である降水データの持つ不確実性が河川流量に影響を与えることが明らかになっている。しかし、これまで地表面情報の不確実性が全球陸面水文モデルの推定値にどのような影響を与えるのかはほとんど明らかにされていない。そこで、本研究では地表面情報の不確実性が全球陸面モデルによる水収支に与える影響を明らかにすることを目的とする。地表面の情報については、植生被覆・土地被覆・土壌タイプを対象とし、現存するこれらのデータを複数収集し、陸面モデル入力データの整備をした。そして、陸域水文モデルMATSIROを用いたアンサンブルシミュレーションを行った。得られた水文量について、降水が蒸発散量と流出量に分かれる内訳や、蒸発散量の内訳(蒸散・遮断蒸発・土壌蒸発・植生からの昇華、土壌からの昇華)、流出量の内訳(表層流出、深層流出)について、全球やBudyko気候区分による地域ごとの比較を行った。その結果、まず地表面情報の不確実性については、LAIと土地被覆分類は、特に北半球の高緯度地域において不確実性が高いこと、土壌分類は全球的に不確実性が高いことが確かめられた。また、LAIと土地被覆分類の不確実性は、水収支へ与える影響は小さいものの、蒸発散量や流出量の内訳を大きく変えることがわかった。特に半湿潤地域と寒湿潤地域での流出量の内訳を変えることがわかった。土壌分類においては、水収支と蒸発散量の内訳へ与える影響は小さく、半湿潤地域と寒湿潤地域の流出量の内訳を変えることがわかった。本研究は、初めて地表面情報の不確実性が全球陸面モデルに与える影響を明らかにした研究であり、複数のデータセットを収集し、アンサンブルシミュレーションを行うことで不確実性の幅を明らかにした。この成果は、陸域水循環のモデリング研究において、推定値の確からしさを判定する際やモデルの改良点を見つける際に有益な情報となる。