著者
山田 和祐 角田 哲 篠木 邦彦 梅津 康生 遠藤 義隆 阿部 洋子 川村 仁 丸茂 一郎 藤田 靖 林 進武 猪狩 俊郎 飯塚 芳夫 越後 成志
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.133-144, 1983-12-25
被引用文献数
1

昭和50年11月1日から, 昭和58年8月31日までの最近8年間に, 本学第一口腔外科を受診した歯科治療時の偶発症患者460名について, 臨床的検討を行なった。偶発症の症例は, 口腔外科治療時の偶発症, 保存治療時の偶発症に分類し, さらに症例を細別して検討を行なった。偶発症患者460名のうち, 男性は207名で, 女性は253名であった。偶発症別で最も多いのは, 歯根破折による抜歯中断で, 偶発症患者総数の28.5%であった。年齢別では, 20代, 30代に集中してみられ, 両者あわせて266名で, 偶発症患者総数の57,8%であった。発症より当科来院までの期間別では, 当日より3日目までの来院が170名で, 偶発症患者総数の40.0%であった。
著者
高橋 善男 川村 仁 林 進武
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.43-52, 1983-09-15

昭和51年から昭和56年までの6年間に, Obwegeser-Dal Pont法を適用した骨格型不正咬合者39症例を経験した。症例は男性16名, 女性23名で, やや女性が多かった。手術対象者は骨格型下顎前突症が大半をしめていた。手術時年齢は16歳から28歳までで, 男女とも20歳前後に集中していた。手術時間は120分から290分であり, 平均は209分であった。出血量は105mlから1,961mlまでであり, 平均は549mlであった。女性では比較的骨が柔らかく手術操作がやりやすい印象があり, 手術時間は短く, 出血量も少なかった。手術による下顎歯列弓の移動は, 対象症例が骨格型下顎前突症が主であったことから, 後方に移動するものが殆どであった。移動範囲は後方へ0mmから19mmであり, なかでも, 8mmから10mm程度後方移動するものが多かった。なお, 前方への移動も1例にみられ, それはPogonionを前方へ15mm移動した症例であった。その前方移動例を除いた術前のoverjetは-10.0mmから3.0mmに分布し, -5.0mm付近への集中がみられた。術後矯正終了時のoverjetは1.5mmから4.5mmの範囲にあり, 3.0mm前後に集中していた。術前のoverbiteは-6.0mmから9.0mmに分布し, 0から3.0mmのものが多かった。術後矯正終了時のoverbiteは0.5mmから4.0mmとなっていた。以上のごとく, 本手術法を適用した骨格型不正咬合者の術後矯正終了時のoverjet, overbiteは良好な状態を示していた。