著者
安藤 寿康 坂上 雅道 染谷 芳明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

教育学習は個体学習、観察学習とは異なる進化的に獲得されたヒトに顕著な学習様式と考えられ、それに対応する特殊な脳活動があることが予想される。本研究では、指運動の系列の記憶と再生を、個体・観察・教育の3学習条件で実行している際の脳活動をfMRIによって把握することを目的とした。予備実験の段階として、課題の検討と開発を経て、個体と観察学習の脳活動の指運動データを収集した。その結果、個体学習では視覚野、一次感覚運動野、補足運動野、被殻、視床視覚野、小脳、視床の賦活が、また観察学習では視覚野、被殻、両側中側頭回、縁上回、両側前頭前野の賦活が顕著であり、学習様式間の差が先行研究と整合的に見いだされた。
著者
安藤 寿康 坂上 雅道 小林 千浩 藤澤 啓子 山形 伸二 戸田 達史 豊田 敦 染谷 芳明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

児童期と成人期の2コホートによる双生児縦断研究を実施した。児童期は小学5年生(11歳児)約200組に対する質問紙と120組への個別発達調査を行った。読み能力や実行機能の発達的変化に及ぼす遺伝と環境の変化と安定性、リズム行動に及ぼす遺伝と環境の交互作用、きょうだい関係の特殊性などが明らかになった。成人期では社会的達成・心身の健康度などの質問紙調査を実施し約200組から回答を得た。また認知能力の不一致一卵性の安静時脳画像とエピジェネティクスのデータを収集した。下側頭回のネットワークの差が一卵性双生児間のIQ差と関連のあることが示された。向社会性への遺伝的寄与が状況により変化することが示された。