著者
柴田 昌利 奥村 華子 堀内 篤
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告 (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.3, pp.17-20, 2010-03

本県の系統造成豚「フジヨーク」と「フジロック」を使用した三元交雑豚である「静岡型銘柄豚」の銘柄鑑別方法確立のため、種雌豚として「フジヨーク」に特徴的なmtDNAの非コード領域の変異を持った交雑豚を、種雄豚として金華豚由来のMC1R遺伝子を持った豚を作成した。それらから生産された三元交雑豚を試験豚とし、銘柄鑑別の可否をPCR-RFLP法により検討した。試験豚のmtDNAは制限酵素HphIにより剪断されず、MC1R遺伝子は制限酵素AciIにより切断された。一方、対照とした市販豚肉には、試験豚と同様の遺伝子型を示すものはみられず、本方法が三元交雑豚の銘柄レベルでの鑑別に有効であることが明らかとなった。
著者
寺田 圭 寒川 彰久 堀内 篤 柴田 昌利
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告 (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-6, 2013-01

デュロック種系統豚「フジロック」の近交係数の上昇により、近交退化が懸念されるため、新しいデュロック種の系統造成を開始した。デュロック種系統豚である「シモフリレッド」「アイリスナガラ」「ゼンノーD-01」を導入し、選抜された第一世代の能力はDG雄948g/日、雌925g/日、BF雄2.32cm、雌2.60cm、EM雄29.5cm2、雌31.0cm2となった。血統の交雑を優先したため標準化された総合育種価の選抜差は雄0.00、雌0.25で大きな改良量は得られなかった。系統豚を使用している農業者への聞き取りにより、肢蹄の強健性と消費者にPRできるおいしさへの改良が求められていることが分かった。そのため、強健性については肢蹄のスコアリング及びDNAマーカーの利用を検討している。おいしさについては選抜除外された全兄弟平均の筋肉内脂肪含量(IMF)が3%以下の個体の独立淘汰および、シェアバリュー、脂肪酸組成を改良目標に加えることを検討している。
著者
柴田 昌利 奥村 華子 堀内 篤
出版者
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター
雑誌
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター研究報告 (ISSN:18826415)
巻号頁・発行日
no.3, pp.17-20, 2010-03

本県の系統造成豚「フジヨーク」と「フジロック」を使用した三元交雑豚である「静岡型銘柄豚」の銘柄鑑別方法確立のため、種雌豚として「フジヨーク」に特徴的なmtDNAの非コード領域の変異を持った交雑豚を、種雄豚として金華豚由来のMC1R遺伝子を持った豚を作成した。それらから生産された三元交雑豚を試験豚とし、銘柄鑑別の可否をPCR-RFLP法により検討した。試験豚のmtDNAは制限酵素HphIにより剪断されず、MC1R遺伝子は制限酵素AciIにより切断された。一方、対照とした市販豚肉には、試験豚と同様の遺伝子型を示すものはみられず、本方法が三元交雑豚の銘柄レベルでの鑑別に有効であることが明らかとなった。
著者
柴田 昌利
出版者
日本SPF豚研究会
雑誌
All about swine (ISSN:0918371X)
巻号頁・発行日
no.50, pp.20-23, 2017-02
著者
皆川 至 高力 宙 佐方 醍 柴田 昌利 与語 圭一郎 河原崎 達雄 高坂 哲也
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第103回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.81, 2010 (Released:2010-08-25)

【目的】リラキシン関連因子(RLF)はブタで発見されたinsulin-relaxin gene familyの一つで,マウスでは精巣下降に必須である。多くの動物でcDNAのクローニングがなされ,RLFはA-B-C鎖からなる前駆体(プロRLF)として生合成された後,A-B鎖ヘテロダイマーとして機能すると推測されてきた。しかし,native RLFがダイマーとして精巣に存在するか不明である。加えて,本遺伝子の発現は成熟精巣でも認められているものの,その機能は定かでない。本研究ではブタ精巣よりnative RLFを単離してその構造と特性を明らかにすると共に,分泌後の行方や受容体の分布から作用発現の可能性を究明した。【方法】デュロック種の雄ブタを用いた。各種クロマトを組み合わせ精巣よりRLFを単離した。構造解析はMaldi Tof/Tof MSで行い,生物活性は受容体LGR8を導入したHEK293細胞におけるcAMP産生能で評価した。血中および体液中RLF濃度は時間分解蛍光免疫測定法で,受容体の局在は免疫染色で調べた。【結果】In situ hybridizationと免疫染色よりライディッヒ細胞でRLFの産生を確認した。精巣をゲル濾過,イオン交換FPLCおよび逆相HPLCに供し,RLFを約12kDaの単一ピークとして単離することに成功した。MSMS解析の結果,60%のプロテインカバレッジでA-B-C鎖ドメインが同定され,RLFは前駆体の構造をとることが判明した。単離したRLFはnMオーダーでcAMP産生を刺激し,十分な生物活性を有していることが分かった。一方,産生源のライディッヒ細胞から分泌されたRLFは精巣静脈のほか,精巣間隙,精細管内液および精巣網液で高濃度で検出された。さらに,精細管内上皮細胞とライディッヒ細胞では受容体の免疫局在が観察された。【結論】ブタでは,RLFは生物活性を持った前駆体としてライディッヒ細胞より分泌され,内分泌,傍分泌または自己分泌因子として機能することが示唆された。