著者
中村 誠司 前原 隆 新納 宏昭 森山 雅文 柴田 琢磨 安河内 友世 坪井 洋人
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、代表的罹患臓器である唾液腺を解析し、特異なT細胞、B細胞、マクロファージ(Mφ)のサブセットが病態形成に関わっていることを明らかにした。しかし、詳細な病態形成の分子機構や病因は判っていない。そこで、本研究では、従前の研究成果を基盤とし、IgG4-RDの病因を解明し、新規治療法開発の基盤を築くことを目指す。第1にサブセット間の相互作用を解析して病態形成機序を明確にし、第2に発症に関わるT細胞とその認識抗原を同定し、第3に特異なMφを遺伝子導入により誘導したマウスを同定した抗原などで刺激することにより病態を再現する疾患モデルマウスを完成させる。
著者
三宅 健介 柴田 琢磨
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012

我々は、EpithelialMembraneProtein3のトランスジェニックマウス(Emp3Tg)の作製および解析を行い、同マウスが自然発症性に拡張型心筋症様の病態を呈することを見出した。全身性にEmp3およびCre遺伝子を発現するEmp3Tg/CAG-Cre(n=11)は23週齢までに100%が死亡し、その多くが拡張型心筋症様の症状を呈した。しかし、Emp3TgマウスからCAG-Cre遺伝子を除くことで拡張型心筋症は発症しなくなるという予想外の結果となった。CAG-Creマウス自体にはDCM様症状は全く認められないことから、Cre遺伝子の強制発現により誘導される何らかの異常をEmp3が増長すると考えられる。今後、CAG-Creマウスで誘導されると予測されるERストレスなどにおけるEmp3の役割の解明が求められる。