- 著者
-
栗原 大輔
水多 陽子
- 出版者
- 日本植物形態学会
- 雑誌
- PLANT MORPHOLOGY (ISSN:09189726)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.81-86, 2017 (Released:2018-04-06)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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蛍光タンパク質を用いることにより,一細胞レベルだけではなく,オルガネラ,あるいは一分子レベルでの蛍光観察が可能となってきている.しかしながら,植物には,不透明なからだ,内部に気相を含む器官構造,クロロフィルを初めとする自家蛍光物質という,多くの障害が存在する.そのため,切片などを作製することなく,外部から直接,植物の内部形態を蛍光観察することは困難であった.近年,内部を均一な溶液で満たし,またクロロフィルを除去することで,からだを透明にし,丸ごと植物組織を蛍光観察する透明化技術が開発されてきた.本総説では,各種透明化技術の長所・短所を紹介し,実際に透明化技術を用いて蛍光観察する上で注意する点について解説する.