著者
栗栖 由美子 松田 聡
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、17 世紀前半の初期バロック音楽の適切な歌唱法を、理論と実践の両面から具体的に解明したものである。理論面においては、ボヴィチェッリ、カッチーニ、プレトーリウスの理論的著述からの考察をもとに、声楽家のための手引書「初期バロック音楽の実践的歌唱法」を作成し、これを踏まえた演奏を通して、歴史的に的確な歌唱法を提示した。
著者
栗栖 由美子
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-16, 2012-04

本稿は、G.カッチーニの『新音楽』(1602)と、M.プレトーリウス、『音楽大全』(1618・1619)の中の「音楽家に対する指導」をとおして、バロック初期の歌唱法について考察したものである。上記の著作を検討した結果、現代の声楽家が、バロック初期の作品を唱歌する際に留意しなけらばならない点として、言葉に美意識をおき、言葉のアッフェットに応じて装飾する必要性があることを見出すことができた。###In this paper,I report on vocal methods of the early baroque period###through " Le nuove musiche " published by G.Caccini in 1602 and###' Instructio pro Symphoniacis ' (from " Syntagma Musicum " by###M.Praetorius, Chap.9,PartIII,Vol.III). As a result, vocal methods of the###early baroque period are found to be very useful, even today, when singing###vocal music works of those days.