著者
財津 庸子 中西 雪夫 柳 晶子
出版者
大分大学
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.73-84, 2005-04

本研究は、家庭科カリキュラムの改善に示唆を得ようとする日本家庭科教育学会の一連の研究に属する。我々は、同学会が実施した全国調査の結果について検討し、さらに必要な幾つかの追加調査を行った。本調査は教員志望大学生を対象に、全国及び九州地区で実施した小中高校生対象の調査とほぼ同一内容のアンケートを実施したものである。その結果は家庭科教員養成カリキュラム改善へ反映させていきたい。調査内容は部屋での過ごし方、使い方に関するもので、自由記述による質問紙法を採用した。結果を以下に述べる。1)大学生は、小中高校生と比べて、自分にとって過ごしやすい空間を自分で整えるための具体的行動が増加する傾向がある。2)発達段階や男女による記述内容の傾向の違いが認められた内容については、取り扱いの検討が必要であると考えている。3)所得希望教員免許別では、顕著な差は見出されなかった。以上の結果より、今後の家庭科教員養成カリキュラムにおいては、大学生の住生活についての意識や実態をふまえて、学習内容や学習方法の具体的な検討が必要である。
著者
永野 昌博 足利 由紀子
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.257-269, 2015-10

干潟は高い生物多様性や生態系サービスを有す一方,様々な開発圧に曝されている。また,干潟は地元住民,漁師,行政,開発業者など様々な立場の人たちの利害関係とも深く関わっている。そのため,保全か開発かの二者択一の議論では干潟の諸問題を解決することは困難である。本研究は,このような複雑な問題を題材とした持続可能な社会(開発と保全)の在り方を考える授業プログラムの開発を行った。授業プログラムは,大学生12 名を対象に,事前調べ学習,干潟での自然観察(遊び)と生物多様性調査,ワークショップの3 つの構成で行った。構成それぞれで干潟への関心や知識に関するアンケート調査を実施し,それらの効果を検証した。生物多様性調査の結果,19 種の絶滅危惧種を含む47 種の生物を採集することができた。アンケート調査の結果,受講者は,授業の進行に連れて,干潟の知識の向上,干潟を必要と思う気持ちの向上などがみられた。また,ワークショップを通じ,干潟に対する自分の考えを見つめ直し,他者の考えを受け入れ,議論を重ねたことで,干潟の景観や生物のことだけなく,干潟を取り巻く社会情勢や干潟の価値や役割など様々なことを多角的,俯瞰的,総合的に思考し,理解する機会が得られたと考えられた。Although mudflats have many ecological functions and high biodiversity, they are exposed to the pressure of development. Such a situation provides suitable materials for education for sustainable development (ESD). As there has been no practical study of ESD on mudflats, we have therefore created the learning program of ESD on mudflats. The program is divided into three parts: investigative learning, nature observation meetings and field research on mudflats, and workshops in the classroom. Students were answered a questionnaire after each part. The results of field research, 47 species of animals, including 19 species of endangered species were collected. The results of the questionnaire showed that, as the program progressed, so the knowledge and interest of students in mudflats increased. Furthermore, through the workshop, students were able to share various ideas regarding mudflats.
著者
栗栖 由美子
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-16, 2012-04

本稿は、G.カッチーニの『新音楽』(1602)と、M.プレトーリウス、『音楽大全』(1618・1619)の中の「音楽家に対する指導」をとおして、バロック初期の歌唱法について考察したものである。上記の著作を検討した結果、現代の声楽家が、バロック初期の作品を唱歌する際に留意しなけらばならない点として、言葉に美意識をおき、言葉のアッフェットに応じて装飾する必要性があることを見出すことができた。###In this paper,I report on vocal methods of the early baroque period###through " Le nuove musiche " published by G.Caccini in 1602 and###' Instructio pro Symphoniacis ' (from " Syntagma Musicum " by###M.Praetorius, Chap.9,PartIII,Vol.III). As a result, vocal methods of the###early baroque period are found to be very useful, even today, when singing###vocal music works of those days.
著者
大杉 至
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-16, 2010-04

『マクベス』はシェイクスピアの悲劇の一つであり、魔女の予言とその後のマクベスの行為との関係がこの悲劇を解釈する上でのポイントである。そこではマクベスの一連の行為を「運命」ととらえる見方と、そうではなくてマクベスの内的願望・感情が発現したものであるとする見方がある。本稿では、「予言の自己成就」という社会学的視点から、予言の影響下でマクベスがどのような状況の定義の下で行為を行ったのかという点を中心に検討した。### Macbeth is one of William Shakespeare's famous tragedies, the crucial point for which is concerning the relationship between witches' prophecies and Macbeth's actions, There have been two perspectives regarding Mavbeth's actions : one sees them as his fate, and the other sees them as originated from his free will. In this essay, I tried to interpret Macbeth from the perspective of sociological concept, `self-fulfilling prophecy.
著者
池内 宣夫
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.33-44, 2004-04

相互関係を表す相互構文に再帰構文が対応する場合がある。本稿では、両者の関係は「相互動詞」や「対称的再帰動詞」という概念によっては十分に説明されないことを指摘し、再帰構文を構文モデルと情報構造の観点から考察する。さらに、相互構文に現れるsichを取り上げ、これが再帰代名詞の相互的用法ではないことを検証すると共に、この構文で観察されるmiteinanderの省略を「対称性」との関連から考察する。
著者
池崎 八生 池崎 喜美恵
出版者
大分大学
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.151-165, 2004-04

台北、台中、高雄日本人学校における技術・家庭科関連施設や授業観察などを行い、技術・家庭科教育の実態を明らかにした。また,日本人学校の生徒を対象に技術・家庭科学習および技術・家庭科観、情報機器に関する知識や経験についてアンケート調査を実施した。その結果、次のような知見を得たので報告する。技術・家庭科を男女がともに学習すべきで、日常生活に役立ち、生活に必要な技術を学習する教科としてとらえていた。技術学習では、パソコン使用や木材加工の楽しさを、家庭科学習では調理実習の楽しさを中学部の生徒が回答していた。技術・家庭科学習の必要性を児童・生徒は十分認識しているので、興味・関心を引き出す指導を工夫することが必要である。また、パソコンやインターネットに対して、男女ともに関心が高い現状が明らかになった。したがって、各教科での活用方法を工夫し、IT時代における情報機器の更なる活用を検討すべきである。
著者
谷口 勇一
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.137-151, 2013-10

わが国のスポーツ振興は,総合型地域スポーツクラブ育成を###中心として展開されている。学校,企業を中心としてきたこれまでのスポーツ振興の形態は限界を迎え,代わって,地域を中心としたスポーツ振興が叫ばれ始めている。以上のような,地域を中心としたスポーツ振興の動向の中で,学校部活動の存続形態も過渡期を迎えようとしている。すなわち,教師と生徒のみで実施されてきた学校部活動の運営形態は,地域住民との積極的な関係づくりが期待され始めている。###そこで本研究では,すでに,学校部活動と総合型地域スポーツクラブの関係を構築してきた先駆的な事例をもとに,両者の関係構築をめぐる課題と可能性について検討した。当該事例からみえてきた課題と可能性は以下に集約できる。1学校外地域とのスポーツ交流を促進するためには,積極的な交流意欲を有する教師の存在が不可欠であること,2しかしながら,学校全体としての交流意欲の高まりをみることは大変困難であること,3学校部活動と総合型地域スポーツクラブの関係構築にあたっては,学校単位ではなく,教育制度全般の見直しの中で検討されることが必要であること,等である。###A steady advance of sports in Japan has been made through centering on the promotion of comprehensive community sports clubs. The###traditional type of sports promotion which has centered on schools and enterprises has now almost reached the limit, and what is called for is the promotion of community sport. The fact is, the continuance of###extracurricular sports activities is now entering a transition period. The system of school sports clubs which hither to only teachers and students have joined is now expected to be also joined by community inhabitants.###The author has discussed the problems and possibilities of combining sports club activities with community sports club activities, reviewing the pioneering examples where school sports clubs and community clubs have been successfully combined.###The conclusion is as follows: (1) Teachers are needed who are aggressively eager to interact with community sports activities. (2)However, it is very difficult to obtain increasing enthusiasm for this kind of###interchange across schools as a whole. (3) It is necessary to review the whole educational system, not the system in individual schools, in order to build a promising relationship between school sports club activities and comprehensive community sports club activities.
著者
金子 光茂
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.1-10, 2014-04

本稿では、探偵デュパンの事件解決を支えたものは持ち前の分析的知性の力であったことを明らかにする。この知性は、構造主義の知見に通底する。ある人間の思考様式は、その人間が育った社会の思考枠に強く束縛されているので、その枠を超えた自由なも物の考え方はむずかしく、かなり限定的な思考に留まる。したがって自分の属する社会が許容する範囲内での思考様式から脱することができず、いきおい、無思慮に自分の思考を他の社会の思考にも適用してしまう、というのが構造主義の知見である。この悪癖が警視総監の捜査のつまずきのもとだとデュパンは見抜く。自分の思考も犯人の思考も同じだと見なしたところに総監の誤謬があった。そういう理解のもとにデュパンは、本来の系統的で数学者的な頭脳と固有の分析的な知性とを駆使して事件解決に漕ぎ着けることができた、というのが本論の結論である。 This paper is to make it clear that Dupin finally solves the crime,###making the most of his own analytical way of thinking.###According to the findings of structuralism, there is nothing to choose###between two cultures. More importantly, there is little to choose###between "pensee sauvage" and civilized people's "pensee" or thinking.###Even so, a particular way of thinking is part of one group's norm,###but not another group's norm. One group has an ethnocentric view###towards another group, and vice versa. The same can be said of the###difference in the way of thinking between the Paris police, or the Prefect,###and the Minister, or the thief of the letter.###Analyzing those two different ways of thinking on the basis of the###theoretical framework of structuralism, Dupin manages to solve one of###the most difficult conundrums for the Prefect. The success is due to###Dupin's idiosyncrasies in that he is methodical, analytical and###perfectionistic to the point of being very mathematically inclined.
著者
山岸 治男
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.113-122, 2008-10

財政的に疲弊した米沢藩を上杉鷹山が立て直した史実については、今日広く知られるところとなった。特に経済人や行政関係のトップに評価され、今日の日本の行財政改革において、「鷹山に学べ」の声もあがっている。こうした評価の陰で、一般には十分認知されないが、鷹山の改革内容の一つに「福祉政策」の側面がある。この側面には、今ふうに換言すれば、人権尊重、弱者救済、住民参加等を基調とする「福祉政策」的発想がある。この発想こそが財政改革を成功させた要因である。The reform of the Yonezawa clan by Uesugi Yozan is widely known in Japan. He is especially highly-appraised for his approach for the reform by the economic world today. Then, if we take a closer look at it, we can notice that his reform includes an aspect of welfare policy as well. So we can set up the following keywords in the reform by Uesugi : Protection of human rights, Standing by the weak, and Citizen's participation in policy making.
著者
大杉 至
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-16, 2010-04 (Released:2010-07-29)

『マクベス』はシェイクスピアの悲劇の一つであり、魔女の予言とその後のマクベスの行為との関係がこの悲劇を解釈する上でのポイントである。そこではマクベスの一連の行為を「運命」ととらえる見方と、そうではなくてマクベスの内的願望・感情が発現したものであるとする見方がある。本稿では、「予言の自己成就」という社会学的視点から、予言の影響下でマクベスがどのような状況の定義の下で行為を行ったのかという点を中心に検討した。### Macbeth is one of William Shakespeare's famous tragedies, the crucial point for which is concerning the relationship between witches' prophecies and Macbeth's actions, There have been two perspectives regarding Mavbeth's actions : one sees them as his fate, and the other sees them as originated from his free will. In this essay, I tried to interpret Macbeth from the perspective of sociological concept, `self-fulfilling prophecy.
著者
稲用 茂夫
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.85-98, 2009-10

英国十七世紀詩人ジョン・ミルトンによるケンブリッジ大学クライスト学寮での学友エドワード・キングを哀悼する牧歌的哀歌「リシダス」の日本語訳である。翻訳にあたり、成立事情などについての簡略な紹介を付加した。John Milton's English pastoral elegy Lycidas translated into the Japanese language with his original and final English text in 1673. The translator has also added a short introduction to this poem for readers' appreciation in Japan.
著者
麻生 和江
出版者
大分大学
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.319-328, 2003-10

極端な細身が優位とされる風潮がある。様々なダイエット志向の情報も氾濫し,猟奇的で残虐な犯罪の報告も多い環境にあって,身体が玩具のように物化される危機感を感じる。教育,表現,健康の視点から、若者(大学生)には自分の「からだ」を防護する手だての指導は緊急の課題と考えられる。そこで本稿では、その手がかりとして、形状、運動機能、健康・自己制御の視点から、大学生におけるからだへの意識を把握することを目的として質問紙による調査を実施した。結果として全体的には、半数以上の学生が今の自分の形状に不満があり、細身への変身願望が強く、女子は男子に比べて細身への変身願望が顕著であった。また、調査対象の約8割は運動が好きと回答し、男子は女子より運動好きが多く、動きの機能においても男子の方が女子より高く自己評価する傾向がある等、大学生における「からだ」への意識の一端を把握することができた。
著者
黒川 勲
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.109-120, 2013-10

スピノザ『エチカ』第二部定理8は「存在しない個物」について論じている。本稿では,この定理8の『エチカ』第二部における意義及び「存在しない個物の本質」の特性の解明を試みる。『エチカ』第二部全体の主題は人間精神の存在論と認識論の確立である。この第二部において,「存在しない個物」に関する定理は,人間精神の存在論と認識論の原理である物心の並行論の具体的展開を担うものと考えることができる。また,「存在しない個物の本質」の特性は,神の属性に内在する現実的な潜在性を示していると見なすことができるのである。In this paper I tried to understand the signification of the proposition (E.2.P.8) of non-existing singular things and the properties of them in Spinoza's philosophy. For this purpose I investigated into Spinoza's arguments of the nature and origin of human mind in his Ethica pars 2. According to Spinoza, the parallelism between the mental and physical realms is the most important theory in his epistemology and ontology of human mind. The proposition (E.2.P.8) plays a part to give###shape to the parallelism. And the formal essence of non-existing singular things has the reality and is considered as the actual latency in attribute of God.
著者
橋本 美喜男
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.101-114, 2012-04

中学の現場では今でも伝統的な5文型が使用されている。本論の目的は、5文型を認知言語学の枠組みで活用し、英語の初級学習者において、英語の語順の理解を促進させる方法を考察することである。5文型を活用するのは、現場の教員にとってなじみがあり使いやすいためであり、認知言語学の枠組みを使用するのは、プロミネンス等の認知的動機付けに基づき、日本語訳を通した文型理解から生じる問題を解決し、英語の文型の理解を深めるためである。英語の文型の理解を促すためには、守護と目的語の概念の捉えなおしと図式化が有効であることを示す。######In this paper, I will attempt to illustrate the merits of applying###insights from Cognitive Linguistics to pedagogical grammar. I do so by###examining English basic sentence patterns treated in textbooks for junior###high schools, long assumed to be one of the most difficult areas of learning###for Japanese students, and by showing some possible teaching solutions.###The solutions offer the following insights: 1) the grammatical relations (i.###e. subject and object) in English and Japanese are cognitively motivated###in nature (i. e. prominence): 2) the visualization of speaker objectification###may enable students to select appropriate subjects, which means that###they will be able to produce English sentences more fluently. I conclude###that a Cognitive Linguistics approach to basic sentence patterns in###English provides a more accurate, systematic account that, in turn, offers###the basis for a more coherent, learnable presentation of English grammar.
著者
佐々木 博康
出版者
大分大学教育福祉科学部
雑誌
大分大学教育福祉科学部研究紀要 (ISSN:13450875)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.119-133, 2014-10

本稿は,2013 年に出版されたハルトムート・ビンダーの『カフカのウィーン』に依拠しつつ,フランツ・カフカとミレナ・イェセンスカー=ポラックとの9 ヶ月弱にわたる恋愛関係を概観し,破綻に至った原因を追究するものである。カフカは1920 年4 月に療養の地メラーンからミレナに手紙を書いた。手紙のやり取りは急速に恋愛関係へと発展した。二人はウィーンで幸福な四日間を過ごすが,一ヶ月半後のグミュントでの逢瀬では二人の間にすきま風が吹き始める。カフカのミレナとの関係において大きな障害となったのは,性行為に対するカフカの強い不安である。ミレナはこの不安を事前に理解し,ウィーンの森での出会いにおいては適切に対処した。しかしミレナは結局,性行為を抜きにした関係をあくまで求めるカフカに従うことはできなかった。Anknüpfend an Hartmut Binders 2013 veröffentlichtes Buch Kafkas Wien soll hier auf die Liebesbeziehung des Dichters mit Milena Jesenská-Pollak Licht geworfen werden; das Hauptaugenmerk gilt deren Scheitern.Nachdem Kafka Frau Jesenská-Pollak im Prager Café Arco kennenlernte und ihr die Erlaubnis gab, einige seiner Erzählungen ins Tschechische zu übersetzen, meldet er sich im April 1920 brieflich aus Meran, wo er sich zur Kur aufhält. Es folgt ein Briefwechsel, und obgleich nur Kafkas Schreiben erhaltengeblieben sind, wird doch klar, dass sich die beiden verliebt haben. Nach der Kur trifft sich das Paar in Wien und verbringt vier glückliche Tage zusammen. Kafkas Sexualangst begegnet Milena hierbei mit Geduld und Verständnis. Das ändert sich aber, als sich die beiden anderthalb Monate später in Gmünd wiedersehen. Was für Milena das Normalste von der Welt ist – dass Mann und Frau auch geschlechtlich miteinander verkehren, stößt Kafka ab. Der Bruch ist von daher folgerichtig.