- 著者
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桑原 誠
- 出版者
- 公益社団法人日本セラミックス協会
- 雑誌
- 窯業協會誌 (ISSN:00090255)
- 巻号頁・発行日
- vol.90, no.1044, pp.469-476, 1982
- 被引用文献数
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ビス (シュウ酸) 酸化チタン (IV) バリウム, BaTiO(C<sub>2</sub>O<sub>4</sub>)<sub>2</sub>・4H<sub>2</sub>Oを出発原料とし, アンチモン (Sb) あるいはニオブ (Nb) を半導体化元素として用いて調製した多孔質チタン酸バリウム (BaTiO<sub>3</sub>) セラミックスで平均粒径2-5μmの特定の組織をもつものは7-8けたに達する非常に大きなPTCR (正の抵抗温度係数) 効果を示すことが見いだされている. この多孔質材料におけるPTCR効果の大きさは, その材料の平均粒径及びち密度 (焼結密度) に対して大きく変動することから, 大きなPTCR効果を示す材料を得るにはその粒径, 焼結密度を適当な値とすべくその調製条件を制御する必要がある. 特にBaTiO<sub>3</sub>出発粉体中の不純物および粒子径の不均一は焼結粒子の異常粒成長を引き起こし, 大きなPTCR効果を得るための障害となる. ここでは多孔質材料に関する実験結果を基礎に, 一般的にBaTiO<sub>3</sub>セラミックスのPTCR効果の大きさに重大な影響を与えると思われる幾つかの要因, 特に添加物や組織の不均一性の観点から, その作用様式について論ずる.