著者
桑村 有司 日端 恭佑
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.6, pp.207-217, 2022-06-01

本論文では,電気光学ポリマーを利用したプラズモニック位相変調器をアレー状に並べた新型のプラズモニック光フェーズドアレーを提案する.提案素子では,波長1.55 μmにおいて,素子からの光出力ピークは1本のみでかつ,電圧制御で出力光が100度以上の範囲で偏向走査可能な素子を設計できることを2次元FDTD法による数値計算で確認したので報告する.ポッケルス係数r33=200 pm/Vの電気光学ポリマーを利用すれば,各位相変調素子へ印加する電圧は|9.5|V以下であり,長さL=20 μm程度の位相変調器アレー列を用いて70×26 μm2以下のサイズで小型で,高速かつ低消費電力の光フェーズドアレーが構成できる.
著者
桑村 有司 山田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.98, pp.67-72, 1996-06-18
参考文献数
2

電子緩和現象を考慮してフランツ・ケルディッシュ効果の理論解析を行った.電子緩和を含めるために新たに「微視的な密度行列」を提案して従来の密度行列の手法を改良した.本解析の手法では、無電界時に観測される「テイル」状の光吸収特性やフランツ・ケルディッシュ効果の実験データをうまく説明できた.
著者
金井 猛志 岡本 龍一 ファリス ヒシャム 桑村 有司 山田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.51, pp.1-6, 2008-05-16
被引用文献数
2

高屈折率導波路と真空中を走行する電子を利用した新しい光発生法を実験的に検証した.高屈折率導波路を利用して導波モードの位相速度ν_<opt>を光速cの1/3程度まで遅くしておき、電子の群速度ν_eを導波モードの位相速度で走行させると、一種のチェレンコフ放射により導波路から放射光が発生する.実験では、真空/Si薄膜/SiO2から構成されるスラブ導波路を利用した.導波路表面の真空領域には導波モードのエベネッセント電界がしみだしている.この導波路表面に沿って、32KVから42KVに加速した電子を走行させた時、導波路出力端からTM偏光の放射光が観測された.加速電圧の増加と共に、その発光のピーク波長は、1.2μmから1.6μmまで変化した.その発光波長は、ν_e=ν_<opt>から求まる条件と一致し、我々の原理に基づく発光である事が実証された.また、放射スペクトルの形状から真空中の電子波動のコーヒレント長の推定を行った.
著者
山田 実 桑村 有司 飯山 宏一 桑村 有司 飯山 宏一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、真空中に電子銃と光あるいはミリ波が伝播できる誘電体導波路を配置し、導波路表面から真空中に染み出した光やミリ波の一部を、電子銃から出射した電子ビームで励振し、光あるいはミリ波の発生や増幅を行う装置の開発を目指しているものである。光については、波長1.5μm付近で提案している原理での発光を観測し、発光のメカニズムを詳細に解析できた。ミリ波については、放射の兆候は見られたが明確な結果を得るには至らなかった。