著者
前原 進也 大澤 康暁 佐藤 孝 丸山 武男 大河 正志 水島 正喬 坪川 恒也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.62, pp.49-52, 2002-05-10
参考文献数
5

一般相対性理論から導出された天の川銀河の重力場が地球に及ぼす影響に関する報告があり,振り子の変位を観測することで,天の川銀河系の中心核の影響により地球が受ける力を検出することが可能であり,2種類の振り子の観測を行い,周時刻に同一方向への変位が見られたと報告されている.本報告では,この実験結果の検証を目的とし,半導体レーザーを用いた振り子の変位の光計測システムを構築し,外部雑音の影響が非常に少ない国立天文台の観測所のトンネルで観測を行っている.これまでの観測では,地震による影響が観測されており,今回は潮汐力による影響について検討し,重力放射力の検証の基礎実験を行ったので報告する.
著者
八木 英樹 佐野 琢哉 プルームウォンロート タノーム 三浦 幸治 大平 和哉 丸山 武男 ハク アニスル 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.162, pp.1-6, 2004-06-25
参考文献数
20

電子ビーム露光法とCH_4/H_2反応性イオンエッチング、及び有機金属気相成長法による埋め込み再成長を用いることにより、狭細線構造(細線幅:14nm、周期:80nm)を有するGaInAsP/InP歪補償5層量子細線レーザを実現した。自然放出光スペクトルの測定と理論解析との比較により、そのスペクトルが高エネルギー側において量子薄膜レーザよりも急峻に変化するのは、キャリヤの横方向量子閉じ込め効果に起因していることを明らかにした。さらに、量子細線レーザの低しきい値電流動作のために、反射鏡損失の低減に着目して、SiO_2/伴導体反射鏡を有する量子細線レーザを作製した。その結果、同一基板上に作製した量子薄膜レーザよりも低いしきい値電流密度、及び室温基底準位発振を達成した。
著者
八木 英樹 佐野 琢哉 プルームウォンロート タノーム 三浦 幸治 大平 和哉 丸山 武男 ハク アニスル 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.161, pp.1-6, 2004-06-25
参考文献数
20

電子ビーム露光法とCH_4/H_2反応性イオンエッチング、及び有機金属気相成長法による埋め込み再成長を用いることにより、狭細線構造(細線幅:14nm、周期:80nm)を有するGaInAsP/InP歪補償5層量子細線レーザを実現した。自然放出光スペクトルの測定と理論解析との比較により、そのスペクトルが高エネルギー側において量子薄膜レーザよりも急峻に変化するのは、キャリヤの横方向量子閉じ込め効果に起因していることを明らかにした。さらに、量子細線レーザの低しきい値電流動作のために、反射鏡損失の低減に着目して、SiO_2/伴導体反射鏡を有する量子細線レーザを作製した。その結果、同一基板上に作製した量子薄膜レーザよりも低いしきい値電流密度、及び室温基底準位発振を達成した。
著者
澤村 明彦 二文字 俊哉 小林 寛道 佐藤 孝 大河 正志 丸山 武男 吉野 泰造 國森 裕生 細川 瑞彦 伊東 宏之 李 瑛 長野 重夫 川村 静児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.526, pp.17-20, 2003-12-11

これまで我々はRb原子の吸収線に磁気光学効果を用いる安定化法に,我々が考案したPEAK方式を採用することで基準信号を得て,半導体レーザの発振周波数安定化を行ってきた.また近年,フェムト秒パルスモード同期レーザによる光周波数コムが光周波数の新たな基準として注目されている.そこで本研究ではPEAK方式を用いて安定化したレーザの周波数安定度を,光コムジェネレータを用いて測定した.さらに安定度の改善と発振スペクトル幅の狭窄化を目的として,1つの半導体レーザに2つの光フィードバック(ダブル光フィードバック)を施した状態で発振周波数を安定化することについて検討した.
著者
佐藤 孝 大河 正志 丸山 武男
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

現在用いられている光通信システムの光強度変調方式では、将来のより高度でより大容量の通信の需要に対応する事は困難である。しかし、電波の領域で開発されてきた周波数変調や位相変調を用いた光通信を実現するには、現在の半導体レーザの周波数安定度は不十分であり、搬送波としての特性に問題があり直ちに実用化することは困難である。そこで光源である半導体レーザの発振周波数の安定化を検討した。我々が考案した方法は単純な包絡線検波回路を応用したものであるが、変調時に得られる信号の変化を利用して安定化のための制御信号を得る方式(PEAK方式)であり、安定度改善の効果は十分なものが得られている。本研究では、これまでの研究を更に進めて精度並びに信頼性の高い安定度の評価を実現し、実際の光通信に用いられている波長帯に我々の周波数安定化法を適応することの可能性について検討した。まず様々な光FSK変調条件の下で基準波長としてRb原子のD_2吸収線(780nm)を用いて発振周波数の安定化を行った。続いて光通信用の波長である1.5μm帯の半導体レーザの周波数安定化の実験を、半導体レーザの内在的2次高調波を用いることで、780nm帯での周波数安定化と同じ方法で行うことを検討するとともに、エタロンとRbのD_2吸収線を組み合わせて両者の特徴を生かす周波数安定化方法を検討した。この結果、1.5μm帯の半導体レーザーの安定化を実現する基礎実験が行えた。一方、受信側の局部発振器としても安定な半導体レーザが必要となるが、このための安定化法として吸収線の磁気光学効果を用いた間接変調方式を開発した。この方式で安定化されたレーザ光を参照レーザとして用いることで、2つのレーザ光の間のビート信号を用いる周波数安定度の評価方法を採用し、信頼性の高い周波数安定度の評価を行った。
著者
上原 知幸 前原 進也 二文字 俊哉 佐藤 孝 大河 正志 丸山 武男 川村 静児
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.71, pp.41-44, 2007-05-18

宇宙の様々な極限状態で起こる現象を最も早く人類に届けてくれるものの1つは重力波である.この波は光速で重力の潮汐力が進む波であり,1916年にアインシュタインが一般相対性理論より理論的にその存在を予言した.重力波の存在は連星中性子星PSR1913+16の軌道周期の観測により存在は確かめられているが,直に重力波が検出されたわけではない.この重力波の直接的な存在証明のために高感度なレーザー干渉計の開発が必要である.干渉計のための周波数安定化システムとして,原子分子の吸収線を用いた周波数安定化がある.しかしこの周波数基準は,吸収縮の性質から長期間の周波数安定化の基準としては良好であるが,制御信号の急峻さにおいては良いとは言い難い.そこで我々の研究室で開発されたPEAK方式を採用し制御信号を改善した.
著者
二文字 俊哉 嵯峨 孝 伊藤 伸一 佐藤 孝 大河 正志 丸山 武男 榛葉 實
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.65, pp.31-36, 2001-05-11

半導体レーザの発振周波数安定化を行う場合、発振スペクトル幅は広がるが半導体レーザの注入電流に直後微小変調を加える方法が一般に用いられてきた。しかし、わずかな発振幅の広がりも応用分野によっては取り除く必要がある。そこで、我々はRb吸収線のファラデー効果を用いて基準周波数に微小変調を加えることで、レーザの発振スペクトル幅を広げることなく安定化する方法を検討してきた。今回は、その微小変調の大きさと発振周波数の安定度の関係を調べ、我々が考案した"PEAK方式"へ応用することを検討したので報告する。
著者
内藤 秀幸 阪本 真一 大竹 守 奥村 忠嗣 丸山 武男 西山 伸彦 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.19-22, 2007-06-22

半導体薄膜導波路構造を用いるDFBレーザは、量子効果による利得増強効果と併せて従来にない極低電力動作、BCB等の屈折率の温度依存性が負となる材料をクラッド層とすることによる発振波長の温度無依存化が期待できる。これまでの作製法で大面積化・再現性が問題となっていた貼り付け法ではなく、薄膜導波路構造下に予め成長した犠牲層の横方向選択エッチングによるエアブリッジ構造を用いて半導体薄膜BH-DFBレーザを試作した結果、光励起下で10℃〜80℃までの連続発振を実現した。最低しきい値励起光強度は20℃で4.3mW、また、レーザの発振波長の励起パワー依存性より見積もった熱抵抗値は11K/mWであった。