著者
吉村 弘太 小林 ゆき子 青井 渉 木戸 康博 桑波田 雅士
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.31-38, 2021 (Released:2021-01-01)
参考文献数
29

学童期の児童にとって、おやつは補食としての役割を担う。しかし、学童保育施設の運営指針ではおやつの具体的な内容や栄養価については提言されておらず、空腹感を和らげる目的でしかとらえられていない。本研究では、学童保育施設を利用する児童の栄養状態と習慣的な食事摂取量を調査し、施設におけるおやつ提供のあり方について検証を試みた。K市に所在する15の学童保育施設を利用する児童を対象に、小学生・中学生・高校生のための簡易型自記式食事歴法質問票を用いた食事調査を実施し、有効回答を得られた293人(有効回答率38.6%)を解析対象とした。その結果、①京都府平均と比較して痩身傾向と肥満傾向の割合が高い、②脂質と食塩の摂取量において食事摂取基準を逸脱した者の割合が高い、③低学年と比較して中学年または高学年でカルシウムや鉄等の栄養素が摂取不足の傾向にあることが明らかとなった。現状提供されているおやつ内容ではこれらの課題は解消されないこと、施設でのおやつ提供の内容再考と児童の成長に合わせた栄養価の確保が必要であることが示唆された。
著者
宮本 賢一 桑波田 雅士 瀬川 博子
出版者
徳島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

Klothoマウスはヒトの老化症状によく似た変異表現型を有するマウスである。Klotho蛋白の動物個体における真の役割については未だ明らかではないが、生体のカルシウム・リン代謝調節に深く関与していることが考えられている。とくに、Klothoマウスに見られるカルシウム・リンの代謝異常は、寿命決定の最も重要な要因であり、事実、低リン食でKlothoマウスを飼育し、高リン血症を是正すると、表現型の回復と、寿命の延長が観察される。Klotho蛋白とリンセンサー(type IIc Na/Pi cotransporter)は、脳脊髄液のリン濃度維持に関与しており、リンセンサーからのシグナルは脳脊髄液関門から分泌される未同定のリン調節因子の量を調節して末梢組織(腎臓など)に作用させるリン代謝ホルモン(寿命ホルモン)分泌を支配する統合性受容体(センサー)である。本研究ではリンセンサーノックアウト動物を作製し、リン代謝ホルモンの分泌を検討した結果、脳脊髄液関門においてこれらのホルモンの分泌過剰が予想された。そこで、リンセンサーノックアウトマウスおよび野生型マウスより分離した初代培養系脳脊髄液関門細胞を用いて、分泌亢進が見られる蛋白を分離し、質量分析計を用いて同定を試みた。さらに、DNAチップにより発現亢進の見られる分泌型遺伝子について解析した。これらの結果、4種類の機能不明蛋白(PKOS1, PKOS2, PKOS8, PKOS12)の発現亢進が確認された。現在、これらの機能についてノックアウトマウスを作製し検討している。さらに、klotho蛋白とPKOS12について発現部位が一致しているため、現在、蛋白相互を検討している。