著者
梅原 一浩 小林 恒 山崎 尚之 夏堀 礼二 田中 純一 佐藤 雄大 佐々木 智美 木村 博人
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.49-55, 2018

<p>若年者に対するインプラント治療の適応や埋入方法は,個々の成長と発育に左右されるため,慎重な診断と成長予測に基づいた治療計画が必須となる.今回,16歳女性の上顎前歯部にインプラント治療を行い,20年以上の長期に渡って機能的・審美的に満足な結果が得られたので報告する.</p><p>本症例では,20年の間にインプラント上部構造と隣在する中切歯切端との間に約2.1mmの差が生じた.このような垂直的位置変化には,顎骨の成長,第三大臼歯の萌出,永久歯列の経年的変化など種々の要因が影響するものと思われた.確かに,成長が終了するのを待ってからインプラント治療を行う方が望ましいと思われるが,先天性欠損や外傷による少数歯欠損などの理由から若年者にインプラント治療を求められることもある.そのような場合は,各々の患者の成長曲線,骨年齢,第三大臼歯の萌出力などによる影響やセファログラムによる矯正的分析を考慮しなければならない.また,隣在歯の位置を確認した後,インプラント体を口蓋側寄りとし,深くなりすぎないよう慎重に埋入することも重要である.</p>
著者
石原 篤 望月 博美 李 載永 銭 衛華 加部 利明 巽 勇樹 梅原 一浩
出版者
The Japan Petroleum Institute
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.137-144, 2005
被引用文献数
1

アルミナに担持したモリブデンジチオカルバメート(Mo-DTC)およびリン酸ジチオモリブデン(Mo-DTP)触媒前駆体を調製した。ジベンゾチオフェン(DBT)の水素化脱硫反応(HDS)を用い,これらの前駆体の触媒としての可能性を評価した。その結果,硫化水素または水素で予備処理したアルミナ担持Mo-DTCおよびMo-DTP触媒前駆体は,従来法でアンモニウムヘプタモリブデートを用いて調製したMo触媒と同等の活性を持つことが分かった。また,モリブデン錯体の触媒活性に及ぼす活性化方法の影響を調べた。窒素と水を用いて処理したMo-DTCおよびMo-DTP前駆体は最も高い活性を示すことが分かった。さらに,Mo-DTCおよびMo-DTP前駆体由来触媒は従来の予備硫化したモリブデン触媒より高い直接脱硫活性を示した。<br>