著者
金 彦志 矢野 夏樹 梅田 真理 韓 昌完
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.484-493, 2020

限局性学習症(Specific Learning Disorder : SLD)の児童生徒において早期発見と学習支援についての関心が高まっている。SLDの児童生徒を評価するためには学習困難に影響を与えている要因を明らかにし,その要因を教育的対応によって取り除いた上で彼らの学習を改めて評価する必要がある。本研究では児童生徒の教育的ニーズを評価するための尺度であるInclusive Needs Child Record(ICR)の評価データを分析することで,SLDの可能性のある児童生徒の学習に影響を与える要因を明らかにすることを目的とする。研究の結果,ICRにおけるSLDモデルとして読む,書く,計算する,推論するの4領域を含むモデルにおいて良好な適合度が検証された。また,そのモデルに影響を与える要因として,身体の状態,姿勢・運動・動作,不注意,自己肯定感が明らかになった。
著者
太田 麻美子 金城 晶 梅田 真理 韓 昌完
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.4, pp.36-53, 2018

IN-Childとは、包括的教育を必要とする全ての子どもを指す用語であり、IN-Child Recordとは、IN-ChildのQOL向上の観点から支援ニーズを検討する為の82項目14領域で構成されているツールである。本研究では、IN-Child Recordの14領域を用いて、既存の論文・学会発表における指導実践を分析することで、ASD傾向のあるIN-Childに対して教育現場で行われている指導・支援方法を典型化し、課題を明らかにすることを目的とした。その結果、ASD傾向のあるIN-Childに対する指導・支援として、①保護者も含めた、学校やスクールカウンセラーとの定期的な情報共有の必要性、②スケジュールや物理的構造化の必要性、③応用行動分析の観点を含めた行動マネジメントの必要性が明らかになった。今後、ASD傾向のあるIN-Childに対する行動マネジメントの観点を決め、具体的な指導プログラムを開発する必要がある。
著者
太田 容次 梅田 真理 伊藤 由美
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.206-209, 2011-08-20

国立特別支援教育総合研究所では,発達障害教育情報センターを2008年8月に設置した。当センターでは,発達障害のある子どもの教育の推進・充実に向けて,発達障害にかかわる教員及び保護者をはじめとする関係者への支援を図り,さらに広く国民の理解を得るために,Webサイト等による情報提供や理解啓発,調査研究活動を行うことを目的としている。本発表では,発達障害のある子どもの教育に関わる教員を対象に,双方向型Webの機能を活用し実施した教材教具の活用に関する2010年度の情報交換の概要を報告する。