著者
小原 愛子 矢野 夏樹 韓 昌完
出版者
一般社団法人 Asian Society of Human Services
雑誌
トータルリハビリテーションリサーチ (ISSN:21881855)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.14-21, 2018

Many of the children with comprehensive educational needs (Inclusive Needs Child: IN-Child) have the needs that listening ability. In this study, in order to examine the teaching method to improve the ability to listen to IN - Child, we analyzed the influence of characteristics similar to attention deficit/ hyperactivity disorder (ADHD) and autism spectrum disorder (ASD) on listening ability. As the results, it became clear that children with inattention or characteristics similar to ADHD have needs that "misunderstanding the story and fail to hear", "difficulty to discussion" and "difficulty to listen simultaneous instruction". In addition, it became clear that children with characteristics similar to ASD have needs that "mis listening the sounds" and "difficulty to discussion". Based on the findings from this study, it is expected that teaching methods for IN-Child with characteristics similar to ADHD or ASD will be developed.
著者
照屋 晴奈 小原 愛子 矢野 夏樹 權 偕珍 韓 昌完
出版者
一般社団法人 Asian Society of Human Services
雑誌
トータルリハビリテーションリサーチ (ISSN:21881855)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.11-19, 2021

Based on the previous research by Yano and Han (2020), this study conducted a pretest for the development of the "School QOL Scale for Children" to evaluate the school life of children and the reliability and the validity of the scale was verified. As a result, 19 items in 4 areas were set by expert consultation regarding the composition of the scale. Regarding the question items, we asked for opinions on the content of the questions to be asked during the pretest for elementary and junior high school students, but there was no particular opinion. The pretest was conducted from February to March 2021 and 140 data were collected from elementary and junior high school students (recovery rate 100%). Of these, 136 data were analyzed, excluding missing values. In the reliability verification of the scale, the Cronbach's α value was calculated using internal consistency. As a result, the α value of the region was 0.645 to 0.842, and the overall α value was 0.890 and α > 0.700, confirming the reliability. Next, as a result of verifying the validity of the construct using SEM, GFI = 0.839, CFI = 0.883, and RMSEA = 0.072, which are not high goodness of fit. In the future, it will be necessary to conduct an unbiased survey of elementary and junior high school students who will be evaluated by the scale and expand the number of data to be analyzed to re-verify the validity of the constructs that could not be obtained in this study.
著者
金 彦志 矢野 夏樹 梅田 真理 韓 昌完
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.484-493, 2020

限局性学習症(Specific Learning Disorder : SLD)の児童生徒において早期発見と学習支援についての関心が高まっている。SLDの児童生徒を評価するためには学習困難に影響を与えている要因を明らかにし,その要因を教育的対応によって取り除いた上で彼らの学習を改めて評価する必要がある。本研究では児童生徒の教育的ニーズを評価するための尺度であるInclusive Needs Child Record(ICR)の評価データを分析することで,SLDの可能性のある児童生徒の学習に影響を与える要因を明らかにすることを目的とする。研究の結果,ICRにおけるSLDモデルとして読む,書く,計算する,推論するの4領域を含むモデルにおいて良好な適合度が検証された。また,そのモデルに影響を与える要因として,身体の状態,姿勢・運動・動作,不注意,自己肯定感が明らかになった。
著者
矢野 夏樹 韓 昌完
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-13, 2020

教育分野においてQOL尺度を用いて教育成果を評価する研究はほとんど行われていない。この問題は教育成果評価を測定することを目的としてQOL尺度の開発が行われていないことに起因している。そこで本研究においては、児童生徒の認識してる学校生活の質を教育成果として評価するためのQOL尺度を開発することを目的とする。QOL尺度の試案作成にあたり既存のQOL尺度(WHOQOL-100, KIDSCREEN, SF-36v2)の評価項目を教育分野における成果評価の観点に基づいたQOL概念の再定義(韓, 2017)で示された身体、情緒、社会・経済の3領域ごとに分類した。また、生徒指導提要(文部科学省, 2010)からも、児童生徒のQOLを評価するために必要となる項目を収集し、既存のQOL尺度と同様に身体、情緒、社会・経済の3領域に分類した。今後の研究として、尺度の評価項目の精査と構成、データを収集した上での信頼性および妥当性の検証が必要である。
著者
矢野 夏樹 韓 昌完
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education (ISSN:21899185)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-13, 2020 (Released:2020-02-28)
参考文献数
20
被引用文献数
1

教育分野においてQOL尺度を用いて教育成果を評価する研究はほとんど行われていない。この問題は教育成果評価を測定することを目的としてQOL尺度の開発が行われていないことに起因している。そこで本研究においては、児童生徒の認識してる学校生活の質を教育成果として評価するためのQOL尺度を開発することを目的とする。QOL尺度の試案作成にあたり既存のQOL尺度(WHOQOL-100, KIDSCREEN, SF-36v2)の評価項目を教育分野における成果評価の観点に基づいたQOL概念の再定義(韓, 2017)で示された身体、情緒、社会・経済の3領域ごとに分類した。また、生徒指導提要(文部科学省, 2010)からも、児童生徒のQOLを評価するために必要となる項目を収集し、既存のQOL尺度と同様に身体、情緒、社会・経済の3領域に分類した。今後の研究として、尺度の評価項目の精査と構成、データを収集した上での信頼性および妥当性の検証が必要である。
著者
照屋 晴奈 趙 彩尹 矢野 夏樹 金 彦志
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.7, pp.50-62, 2019

重度・重複障害児への教育は、意思表示や実態把握の難しい等の課題があること、また、新学習指導要領で求められる、子どもたちが「何ができるようになるのか」、資質・能力を育成するために「何を学ぶのか」という、具体的な教育目標を示すことの課題があった。そこで。自立活動の内容とQOL尺度を対応させ、QOLの観点が具体的な教育目標として活用できるのではないかと考えた。新学習指導要領の自立活動6区分27項目に2つのQOL尺度を対応した結果、すべての項目が自立活動の内容に含まれる可能性があることが分かった。自立活動の内容に当てはまらなかったQOL尺度の項目内容として、経済に関する教育と性教育についての課題が示唆された。本研究により、新学習指導要領が実施される今後の教育について、重度・重複障害児への教育はQOL尺度の項目内容が子どもたちへの教育目標として活用できる可能性あることが明らかとなった。
著者
矢野 夏樹 下條 満代 權 偕珍
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.6, pp.86-92, 2019

自閉スペクトラム症(ASD)は、限局された興味関心や常同的・反復的な行動と社会的コミュニケーションや社会的相互作用の障害によって特徴づけられる神経発達症群の中の一つである。ASD者の就労しようとした際、対人関係にニーズを抱え、最終的に離職してしまうというケースが非常に多い。ASD者の就労を支援するためには、学校教育段階からのキャリア教育と職場でのASDに対する特性の理解に基づくマネジメントが必要となる。キャリア教育と職場でのマネジメントの双方を効果的に連続させていくためには一貫したアセスメントに基づいた個々人の特性把握を行わなければならない。そこで、本研究では、ASD者の特性と就労状況について概観し、キャリア教育に基づいて、学校教育段階から就労を見据えた実態把握と支援について考察した。韓, 沼館, 呉屋ら(2018)が開発したScale C<sup>3</sup>をはじめとして評価尺度に基づいた、社会的コミュニケーションについての支援や自身のこだわりについて自己理解を深めることが重要である。
著者
照屋 晴奈 矢野 夏樹 下條 満代 韓 昌完
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
ジー
巻号頁・発行日
vol.5, pp.53-60, 2018

韓・沼館・呉屋(2018)が開発したScale for Coordinate Contiguous Career (Scale C<sup>3</sup>)は、学校や職場において観察することのできる、対象者の実態把握に関連する評価項目を仮説に基づいて、構造化した尺度である。本研究では、Scale C<sup>3</sup>自己評価用(高校生版)を作成し、Cronbach's α係数を用いて尺度の信頼性の検証を行った。また、得られたデータから生徒の傾向や現時点における尺度の有用性について考察することを目的とした。信頼性の検証結果、全項目及び全領域でα>0.700となり、高い信頼性が確認された。特に全項目においては、α=0.972と非常に高い値となり、尺度全体の信頼性が検証された。また、パス解析を用いた検証にて、「パーソナリティ」から「キャリア」の「人間関係形成能力」「自己理解・自己管理能力」を媒介し、「課題対応基礎能力」「キャリアプランニング能力」に影響を与える可能性があることが示された。カットオフ値についてもその結果から、協力校の生徒の傾向も見ることができた。Scale C<sup>3</sup>を使用し、学校や職場において、観察する対象者の実態を構造的に捉えることのできる可能性があることが示された。今後は、教員の客観的評価ができるScale C<sup>3</sup>を含め、データを増やしカットオフ値の設定や、パス解析にて様々な仮説モデルを検証していくことが求められる。
著者
矢野 夏樹 金 彦志
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.4, pp.67-73, 2018

本研究では、教員養成課程における知的障害の心理・生理・病理に関する講義のシラバスを知的障害の診断基準の変化に基づいて分析することによって、今後の課題を導出することを目的とした。全国の国公立大学と私立大学の内、教員養成課程を有する大学の知的障害の心理・生理・病理に関する講義を解説する大学を抽出し、その講義の達成目標および授業計画を分析した。結果として、国公立23校、私立大学23校の計46校において、知的障害の適応機能に関する内容をシラバスに明記していることが明らかになった。また、記載されている内容を見ると、言語とコミュニケーションに関する内容が多くを占めており、実用的な適応機能に関してはほとんどの大学において記載されていなかった。今後、知的障害児者の実用的な適応機能に関連して、自立活動の内容を知的障害の心理・生理・病理の講義に盛り込み、シラバスに明記することが必要となるだろう。
著者
矢野 夏樹 太田 麻美子 船越 裕輝 金 彦志
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.3, pp.18-24, 2017

知的障害の最新の診断基準においては、従来のIQを中心とした知能指数による定義から、臨床的評価を重視した適応機能を重視した定義に変更が行われた。教育分野においても、知的障害児の教育に関して、学力よりも社会生活能力に重点をおいた教育が行われている。しかし、知的障害児の社会生活機能に関連する評価には尺度の不在や教員の専門性の不足といった課題がある。本研究では障害児のQOL向上の観点から開発された特別支援教育成果評価尺度(Special Needs Education Assessment Tool: SNEAT)を用いて知的障害児に対する社会生活機能の授業成果を測定し、その分析を通して評価に影響を与える要因を明らかにする。また、その要因から今後知的障害児に対する社会生活機能向上ための教育活動の在り方を検討することを目的とする。結果として知的障害児に対する社会生活機能の授業成果に影響を与える要因として「子どもの学部」と教師の「通算教職経験年数」「特別支援教育経験年数」の3つが明らかになった。今後の研究として、教師の経験年数や専門性によらない、知的障害児の社会生活機能向上のための教育プログラムの開発が必要であろう。
著者
韓 昌完 矢野 夏樹 小原 愛子 權 偕珍 太田 麻美子 田中 敦士
出版者
一般社団法人 Asian Society of Human Services
雑誌
トータルリハビリテーションリサーチ
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-14, 2017

IN-Child Record was developed as a tool to diagnose children who need inclusive education. Therefore, this study aimed to verify the reliability and construct validity of IN-Child Record. IN-Child Record using 1,059 children (elementary school: 594 children, junior high school: 465 children) collected in Okinawa Prefecture between February and March 2017. Survey data were collected in cross-sectional study. The reliability of IN-Child Record was verified via the internal consistency method; the coefficient of Cronbach's α were over 0.7. The construct validity of IN-Child Record was also verified via the path analysis using structural equation modeling (SEM). IN-Child Record is valid based on its goodness-of-fit values obtained using the SEM. These results scale that IN-Child Record has high reliability and construct validity.
著者
矢野 夏樹 金 彦志 濱 なつみ 小原 愛子
出版者
一般社団法人 Asian Society of Human Services
雑誌
トータルリハビリテーションリサーチ
巻号頁・発行日
vol.4, pp.87-96, 2017

Background; Previous studies have indicated factors that affect the educational outcomes of special needs education; "Length of teaching for special needs class", "Whether to have special teaching certificate", "Grade" and "Types of disability". But each influence factors were not concretely analyzed. Object; This study aimed to analyze about factor affecting educational assessment in curriculum of special needs school for physical disable. Method; Survey data were collected in a longitudinal prospective cohort study. Survey data collected from 49 classes on the independent activities of daily living in special needs school for physical disable between June and July 2015. Statistical analysis used t -test and One-way ANOVA. Results; Results of t -test, the significant difference not confirmed between those who have licenses of teacher of special needs education and those who do not. And, results of t -test, the significant difference confirmed between more than 13 years of experience and less than 13 years of experience. Discussion; In this study, it suggested that "length of teaching for special needs class" is a more important factor affecting educational assessment than" Whether to have special teaching certificate".