著者
森 沙耶 奥本 素子
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.71-85, 2020-08

幅広い年代が利用する科学館では,小さな子供のいる家族での来館者は科学館のメインの来館者層の一つである.札幌市青少年科学館では展示内容をより身近に科学を感じてもらうため展示物のほとんどがハンズ・オン展示である.しかし,その操作が複雑であったり,身体的動作と科学的情報が連続的につながっていない場合,来館者は十分にハンズ・オン展示を活用できない.親子でハンズ・オン展示を体験する際は,子にとって親によるサポートは必要不可欠である.本研究ではハンズ・オン展示における親子が展示物を体験する様子を⚒回検証し,会話を質的に分析した.一回目の検証では家族のハンズ・オン展示におけるつまずきについて調査した.そのつまずきを解消すべく開発した支援ツールを用いて二回目の検証を行った.その結果,親がハンズ・オン展示の仕組みを理解することによって子が主体的に展示物体験に関わり,親子の発話が増加し家族での学習が発展することが明らかになった.
著者
森 沙耶香 長谷川 寛雄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.614-615, 2020-06-01

Q CMLではNAPスコアーが低値になる機序,急性転化時には上昇する機序について教えてください. A 慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)患者の成熟好中球においてアルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase:ALP)活性が低下していることが発見され,細胞化学的ALP活性測定法である好中球アルカリフォスファターゼ(neutrophil alkaline phosphatase:NAP)染色法が確立し,白血球数が著増していない早期でもCMLの診断が可能になりました.しかしその後長らく,CMLにおけるNAP活性低下の原因は実はよくわかっていませんでした.近年,さまざまなサイトカインの研究が進むにつれて,その機序が解明されてきました.本稿では,CMLにおいてNAPスコアーが低値になる機序について解説しますが,急性転化時におけるNAPスコアーの上昇については原因が解明されていません.機序に関して諸説あるのですが,私見を交え説明したいと思います.