著者
的場 周一郎 沢田 寿仁 戸田 重夫 森山 仁 横山 剛 橋本 雅司
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.2580-2584, 2008 (Released:2009-04-07)
参考文献数
21
被引用文献数
4 4

患者は62歳,女性.主訴は心窩部不快感.平成某年10月頃より心窩部不快感が出現,翌年1月当院内科受診し,貧血,便潜血反応陽性を認めた.上部,下部消化管内視鏡を行うも異常は認めず,小腸造影検査を行ったところ,回腸に約6cmの憩室と,その内部に約3cm大の隆起性病変を認めた.腹腔鏡補助下に手術を行った.手術所見では回腸に憩室を認め,小切開を置き,憩室のみ切除した.術中迅速診断にて高分化型腺癌と診断され,リンパ節郭清を伴う回腸部分切除を行った.病理検査では,リンパ節転移を認めず,Meckel憩室の異所性胃粘膜から発生した癌であった.
著者
森山 仁美
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.2-14, 2015 (Released:2017-08-26)
参考文献数
36

中国語母語話者を対象に,文脈の中で和語動詞を正確に使用できるかについて検討する。研究課題は(Ⅰ)日本語習熟度によって文脈の中で和語動詞を使用する正確さに違いがあるか,(Ⅱ)「知っている」語であるにも関わらず文脈で和語動詞の産出が正しくできなかった場合,既知語からの検索ができないためか,(Ⅲ)和語動詞産出の過程で,どのような誤用が見られるかである。調査方法として中級レベルの学習者72名を対象に2種類のテストとフォローアップ調査を実施した。調査の結果,(Ⅰ)日本語習熟度が高くなるにつれて文脈の中で和語動詞を正確に使用できる傾向にある,(Ⅱ)和語動詞に関しては理解の知識に比べ産出の知識は遅れて発達する,(Ⅲ)和語動詞産出の過程で(1)母語や意味からの連想による誤り,(2)日本語の漢語を経由した誤り,(3)弱い共起関係による誤り,(4)送り仮名が同じことであることによる誤り,(5)助詞を正しく理解できなかったことによる誤りが見られることが示唆された。
著者
橘 才造 森山 仁志 松村 政秀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00202, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
17

強地震時の横荷重の作用により,鋼I桁橋桁端部の支点上補剛材に局部座屈や破断が生じ,早期復旧に支障を来した.一方,橋軸方向の水平荷重に対して主桁ウェブや主桁下フランジの局部座屈を防止するため,支点上に設置される補強リブの有無が横荷重を受ける桁端部の耐荷性能に与える影響は明らかにされておらず,横荷重に対する桁端部の設計法も確立されていない.そこで,本論文では,横荷重に対する桁端部の耐荷性能および補強リブの設置効果を明らかにするため,桁端部の部分縮小模型を用いた繰り返し水平載荷実験および桁端部の構造条件に着目したパラメトリックFEM解析を実施した.その結果,補強リブの設置により桁端部の耐荷性能は向上するが,その高さが横桁取り付け位置より低いと,設置効果が期待できない可能性があることがわかった.