著者
青木 佑介 大湾 一郎 伊佐 智博 森山 朝裕 金城 聡 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.678-680, 2020

<p>【目的】85歳以上の大腿骨頚部骨折に対し人工骨頭置換術を施行した症例において,術前の心機能が術後の歩行能力や生命予後に影響するかを確認するために調査を行った.【対象・方法】2015年7月から2018年6月末までに85歳以上で転位型大腿骨頚部骨折に対し人工骨頭置換術を施行した53例を対象とした.全例に受傷前・術後の歩行能力,術後の転帰について電話による調査を行った.歩行能力は,独歩,杖歩行,歩行器歩行,車椅子の4段階に分類した.術後の歩行能力は退院後最も改善した時の歩行能力とし,歩行能力維持群,低下群の2群に分類し,年齢,左室駆出率,死亡率について検討を行った.さらに,調査時の生死によって生存群,死亡群の2群に分類し,年齢,左室駆出率(Ejection Fraction[以下EF])について検討を行った.【結果】歩行能力維持群と低下群では,年齢,EF,死亡率に有意差はなかった.生存群と死亡群においても,年齢,EFに有意差はなかった【考察】術前心機能が不良でも術後の心不全合併を予防することができれば,歩行能力や生命予後への影響はほとんどないと考えられた.</p>
著者
青木 佑介 伊佐 智博 森山 朝裕 金城 聡 大湾 一郎 仲宗根 哲 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.625-627, 2020

<p>レボフロキサシン服用後にアキレス腱断裂を受傷した若年患者の1例を経験したので報告する.【症例】32歳女性.10歳時に全身性エリテマトーデスを発症し,以降22年間ステロイド剤を使用していた.急性咽頭炎に対してレボフロキサシンの服用を開始し,翌日より両下腿後面に軽度の疼痛が出現した.レボフロキサシンはその後計7日間内服を継続し服用を終了した.服用終了後両下腿後面の疼痛は一時消失するも,内服終了3週間後,歩行中に左下腿後面に疼痛,腫脹,皮下出血が出現し,当科を初診した.左アキレス腱断裂と診断し,底屈位固定による保存療法を8週間行った.受傷後2か月のMRIではアキレス腱の連続性が認められた.受傷後8か月の時点で再発なく経過している.【考察】ステロイド使用歴のある患者に対してはニューキノロン系薬剤の使用に際してはアキレス腱断裂の副作用を念頭に置く必要があると考えられた.</p>
著者
親富祖 徹 山口 浩 呉屋 五十八 当真 孝 森山 朝裕 大城 裕理 砂川 秀之 當銘 保則 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.594-597, 2020
被引用文献数
1

<p>51歳男性,ホテル勤務.バイク走行中に転倒受傷し,近医に救急搬送された.単純X線像で左肩関節後方脱臼骨折を指摘された.静脈麻酔下に脱臼整復を試みるも整復困難であった.受傷翌日に全身麻酔下に螺子2本を用いた観血的脱臼整復術及び骨接合術を施行し,術後三角巾・バストバンドを用いた内旋位固定が行われた.術後14日目,外来受診時に再脱臼と骨折を認めたため当科へ紹介された.初診時肩関節可動域(以下,ROM)は屈曲40°,外旋-45°,内旋不可,単純X線像,CTで転位・再脱臼を認めた.初回手術後3週目で観血的脱臼整復・髄内釘を用いた骨接合を行った.術後8週間は外転装具を用いて外旋位固定し,早期より手指・肘の拘縮予防・肩甲帯リラクゼーションを行った.ROM訓練は術後4週目から行った.受傷後4カ月で復職し,受傷後20カ月で単純X線像上再脱臼なく,ROMは屈曲125°,外旋30°,内旋L5であった.</p>
著者
青木 佑介 山口 浩 伊佐 智博 森山 朝裕 金城 聡 大湾 一郎 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.578-581, 2020

<p>合併症により保存的に加療した2-part上腕骨近位端骨折で20°以上の内反変形をきたすも機能予後が良好であった3例を経験した.【症例1】51歳女性.転倒し受傷.頚体角は受傷時115°,受傷後4週95°と内反変形の進行を認めた.超音波骨折治療を行い受傷後6カ月で骨癒合した.【症例2】82歳女性.転倒し受傷.頚体角は受傷時110°,受傷後4週100°と内反変形の進行を認めた.受傷後6カ月で骨癒合した.【症例3】81歳女性.転倒し受傷.頚体角は受傷時130°,受傷後6週105°と内反変形が進行し遷延癒合を認めた.テリパラチド投与を行い受傷後4カ月で骨癒合した.3症例とも長期間リハビリテーションを行い屈曲が健側の80%以上の可動域に回復した.【考察】長期間リハビリテーション継続可能な症例では,内反変形が残存しても機能障害は少ない可能性が考えられた.</p>
著者
津覇 雄一 山口 浩 当真 孝 呉屋 五十八 大城 裕理 森山 朝裕 當銘 保則 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.570-573, 2020

<p>高齢者の腱板断裂を伴う肩関節前方脱臼の1症例を経験したので報告する.79歳,女性,無職.バイク走行中に転倒して受傷,同日救急搬送された.単純X線像で右肩関節前方脱臼を認め,同日徒手整復された.整復後に撮影された単純X線像で肩甲関節窩小骨片を伴う前方関節唇損傷を認めたが,骨片が小さいため保存療法が行われた.受傷後5ヵ月で右肩痛・挙上困難が持続するため近医を受診した.肩甲関節窩骨欠損を伴う右肩関節亜脱臼と診断され当科へ紹介された.当院初診時,肩関節可動域(以下,ROM)は屈曲40°,外旋-45°,内旋不可で,単純X線像では肩甲関節窩骨折部の骨欠損増大,立位で亜脱臼位となる不安定性を認めた.手術では骨頭軟骨損傷を認めたため人工骨頭置換,肩甲関節窩へ切除骨頭を用いた骨移植,腱板修復術を行った.術後8週間は外転装具を用いて固定を行った.術後28ヵ月で肩関節可動域は屈曲125°,外旋30°,内旋L5,日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準(以下,JOAスコア)は81点まで改善し,単純X線像では亜脱臼を認めていない.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 大城 裕理 呉屋 五十八 森山 朝裕 當銘 保則 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.585-589, 2020

<p>症例1,38歳,男性,会社員.歩行中に車にはねられ受傷.救急搬送時Japan Coma Scale(JCS)200,外傷性くも膜下出血(SAH),びまん性軸索損傷(AI),左上腕骨骨折と診断.全身状態不良のため上腕骨骨折は保存療法を行った.受傷後9年で中等度高次脳機能障害が残存し,肩関節可動域(ROM)は屈曲120°,外旋15°,障害者就労支援施設に勤務している.症例2,19歳,男性,大学生.バイク走行中に転倒し受傷.救急搬送時JCS 200,SAH,AI,血気胸,頭蓋骨・右肩関節脱臼骨折と診断.受傷後22日目に観血的脱臼整復術を施行した.術後1年で復学し,術後33カ月で骨頭・関節窩変形を認め,ROMは屈曲140°,外旋60°,内旋T12レベルであった.症例3,24歳,男性,会社員.歩行中に車にはねられ受傷.救急搬送時JCS 100,SAH,頚椎歯突起・左下腿・左上腕骨骨折と診断.受傷後4日目に骨接合術を施行した.術後1年で復職し,術後2年でROMは屈曲140°,外旋75度であった.</p>
著者
大槻 健太 金谷 文則 山口 浩 親富祖 徹 当真 孝 呉屋 五十八 喜友名 翼 森山 朝裕 當銘 保則 前原 博樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.340-343, 2020
被引用文献数
1

<p>【目的】髄内釘(ナカジマメディカル社 ニューストレートネイル®)を用いて手術を行った上腕骨近位端骨折の治療成績を報告する.【対象および方法】髄内釘を用いて手術を行い6カ月以上経過観察可能であった75例75肩(男性21肩,女性54肩)を対象とした.年齢は35~91歳(平均70歳),骨折型は2-part 33肩,3-part 29肩,4-part 13肩,経過観察期間は6~53カ月(平均13.4カ月)であった.調査項目はX線学的評価,ROM(屈曲・外旋・内旋)とした.合併症,年齢,骨折型とROMについて検討した.【結果】平均ROMは屈曲119°,外旋39°,内旋4.2点であった.合併症発生率は20%(骨頭壊死6肩,大結節障害3肩,螺子骨頭穿破2肩,螺子逸脱・骨頭壊死と螺子逸脱の合併・内反変形各1肩)であった.年齢と屈曲・外旋角度で負の相関関係を認めた.骨折型は各part骨折間ではROMに明らかな有意差を認めなかったが,75歳以上の4-part骨折では有意に屈曲が低下していた.【結語】髄内釘の治療成績は比較的良好であったが,高齢者で術後ROMは低下していた.</p>
著者
親富祖 徹 金谷 文則 山口 浩 大槻 健太 当真 孝 呉屋 五十八 喜友名 翼 森山 朝裕 當銘 保則 前原 博樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.344-348, 2020

<p>【目的】上腕骨近位部骨折用DePuy-Synthes社製PHILOS<sup>TM</sup>プレート,(以下PHILOS)を用いて手術を行った上腕骨近位端骨折の治療成績を報告する.【対象および方法】PHILOSを用いて手術を行い6カ月以上経過観察可能であった65例65肩(男性16肩,女性49肩),年齢は20~87歳(平均64歳),骨折型(Neer分類)は2-part 27肩,3-part 31肩,4-part 7肩,観察期間6~64カ月(平均15カ月)であった.調査項目は自動肩関節可動域(屈曲・外旋・内旋:内旋のみJOAスコアに基づき点数化),骨癒合,合併症であり,年齢・骨折型と関節可動域に関する検討を行った.【結果】平均肩関節可動域は屈曲116°,外旋29°,内旋3.8点であった.合併症発生率は35%であった.年齢と屈曲・外旋可動域で負の相関関係を認めた.4-partでは屈曲可動域が有意に低下していた.【結語】PHILOS固定例では年齢と屈曲と外旋で負の相関関係を認め,4-part骨折では有意に屈曲が不良であった.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 呉屋 五十八 森山 朝裕 大槻 健太 親富祖 徹 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.336-339, 2020

<p>【はじめに】近年,上腕骨近位端骨折に対して保存療法を推奨する報告が散見される<sup>1)2)5)</sup>.上腕骨近位端骨折に対する保存療法の成績を報告する.【対象および方法】保存治療を行った21例21肩を対象とし,内訳は骨折型2-part 9肩,3・4-part 12肩,年齢は49~87歳(平均69歳)(65歳未満:5肩,65~74歳:6肩,75歳以上:10肩),経過観察期間は6~81カ月(平均25カ月)であった.調査項目はX線学的評価,肩関節可動域:屈曲・外旋・内旋であり,骨折型(2-part,3・4-part)と年齢別での患健比(%)を検討した.【結果】最終可動域は屈曲132°,外旋57°,内旋5点であり,患健比(%)は骨折型別では2-part(屈曲87%,外旋88%,内旋93%),3・4-partで(90%,75%,81%).年齢別では65歳未満(88%,96%,93%),65~74歳(90%,71%,75%),75歳以上(90%,75%,91%)であった.【まとめ】3・4-part骨折と65歳以上で外旋制限を認める傾向があったが,保存療法の成績は比較的良好であった.</p>
著者
大槻 健太 山口 浩 当真 孝 呉屋 五十八 宮田 佳英 森山 朝裕 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.127-131, 2020

<p>68歳,男性.2カ月前に転倒し受傷した.同日救急外来を受診し,単純X線像(以下,Xp)を施行されるも異常を指摘されなかった.その後も左肩痛が持続したため,受傷後1.5カ月で近医整形外科を受診し,左肩関節前方脱臼を認めたため当科へ紹介された.初診時,左肩関節の動作時痛,可動域制限,腋窩神経領域の感覚障害を認めた.左肩関節可動域(以下,ROM)は屈曲45°,外旋-10°,内旋不可で,日本整形外科学会肩関節疾患治療判定基準(以下,JOA score)は16.5点であった.術前Xpで肩関節前方脱臼,MRIで前方関節唇損傷・腱板大断裂を認めた.手術は前方関節唇および腱板修復を行い,術後8週間は外転枕固定を行い,術後早期より手指肘のROM訓練,術後3週より肩関節他動運動,術後6週より自動介助運動,術後8週より自動ROM・腱板訓練を開始した.術後早期にはXpで亜脱臼傾向認めたが徐々に改善した.術後12カ月で骨頭壊死を認めず,疼痛,ROM(屈曲140°,外旋60°,内旋L1),JOAスコア83.5点へ改善,MRIでは腱板連続性を認めた.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 呉屋 五十八 森山 朝裕 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.123-126, 2020

<p>症例1 40歳,女性,教員.12カ月前に右乳がんに対して乳房切除術,4カ月前にシリコンインプラントを用いた再建術を受けた.右肩関節痛と可動域制限のため紹介された.初診時肩関節可動域(以下,ROM)は,屈曲105°,外旋45°,内旋不可,徒手筋力テスト(以下,MMT)は,肩関節内旋のみ3レベルであった.リハビリテーション(以下,リハ)開始後12カ月でROMは,屈曲160°,外旋85°,内旋T10,MMTは,内旋は4レベルに改善,教職へ復帰している.症例2 42歳,女性,保育士.6カ月前に左乳がんに対して乳房切除術,2カ月前にシリコンインプラントを用いた再建術を受けた.左肩関節痛と可動域制限のため紹介された.初診時ROMは,屈曲120°,外旋20°,内旋不可,MMTは肩関節内旋のみ3レベルであった.リハ開始後6カ月でROMは,屈曲160°,外旋60°,内旋T10,MMTは,内旋は4レベルに改善,保育士へ復帰している.</p>
著者
親富祖 徹 山口 浩 呉屋 五十八 当真 孝 森山 朝裕 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.101-104, 2020

<p>【はじめに】広範囲腱板断裂手術例(massive rotator cuff tear,以下m-RCT)は,肩関節可動域(range of motion,以下ROM)制限が主訴となることが多い.一方,ROMの回復に関して,術後患側と非手術側(以下,健側)とを比較した報告は少ない.本研究ではm-RCTの術後ROMとROM患健比を検討したので報告する.【対象および方法】m-RCTに対し一次修復術が可能であった29例29肩を対象とした.平均年齢は66.5歳,平均経過観察期間は46カ月であった.調査項目は健側ROM(屈曲・外旋・内旋:内旋はJOAスコアに基づき点数化)と術前後患側ROMとを調査し,術前後の患側ROM変化とROM患健比を検討した.【結果】平均健側ROMは屈曲153°,外旋61°,内旋5.6点であった.患側ROMは術前(屈曲88°,外旋38°,内旋3.9点)が術後(142°,52°,5.3点)と有意に改善した(各々,p<0.05).術後ROM患健比は屈曲93%,外旋85%,内旋95%であった.【まとめ】RCTに対する一次修復術後ROMの回復は,患健比の比較でも良好な結果であった.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 前原 博樹 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.56-59, 2019

<p>三角筋断裂を伴う広範囲肩腱板断裂の治療にはしばしば難渋する.我々は三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂の2例を経験したので報告する.症例1 69歳女性.5年前から右肩痛を自覚.1年前より近医受診で内服,ステロイド注射を行っていた.3カ月前に突然右肩挙上困難出現,MRIで三角筋断裂を合併した広範囲肩腱板断裂を指摘され当科を紹介.初診時身体所見は右肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲20度,外旋30度,内旋Th8でJOAスコアは45点であった.腱板一次修復術と三角筋修復術を施行し,術後64カ月で自動肩関節可動域屈曲105度,外旋65度,内旋Th8,JOAスコア86.5点へ改善を認めた.症例2 82歳女性.3年前より右肩痛,可動域制限を自覚.1週間前より誘因なく右肩関節腫脹,皮下出血を認め近医受診.三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂を認め,手術目的に当院紹介.初診時身体所見は肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲0度,外旋10度,内旋Hip,JOAスコアは25点であった.腱板修復術に大胸筋移行術を併用し,三角筋修復術を施行し,術後12カ月で自動肩関節可動域屈曲65度,外旋45度,内旋L1,JOAスコア58点へ改善傾向を認めた</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 大湾 一郎 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.546-551, 2018

<p>中高齢者の広範囲腱板断裂を合併した反復性脱臼の治療には難渋する.今回,我々の術後成績を報告する.対象は広範囲腱板断裂を伴う反復性肩関節脱臼に対して関節唇・腱板修復術を施行した8例8肩である.内訳は男性5肩,女性3肩,平均年齢は66歳,平均経過観察期間は25カ月であった.術前後の肩関節可動域(以下,ROM)(屈曲・外旋・内旋),日本肩関節学会肩関節不安定症評価法(以下,SISスコア),再脱臼・再断裂を調査した.ROMは術前(屈曲78°・外旋24°・内旋1点)が術後(130°・56°・4点),SISスコアは術前23点が術後73点に改善した.再脱臼はなく,亜脱臼を1例,関節症性変化を1例,腱板再断裂を1例に認めた.広範囲腱板断裂を伴う反復性肩関節脱臼に対する関節唇・腱板修復術は有用な術式と考えられた.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 金谷 文則
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.526-528, 2018

我々は広範囲腱板断裂に対し,初期固定力が高く,縫合糸による腱内応力の集中が少ないと報告されているSurface-holding法を用いて手術を行ってきた.今回,一次修復が可能であった術後成績を報告する.対象は広範囲腱板断裂に対して直視下Surface-holding法を用い一次修復術を施行した56例56肩中,1年以上経過観察可能であった50例50肩を対象とした.性別は男性38肩,女性12肩.平均年齢65歳,経過観察期間26カ月.調査項目はJOA スコア,自動屈曲,外旋,内旋(JOA スコアを用いて点数化),Sugaya分類を使用した術後腱板修復状態(type4,5を再断裂)とした.JOAスコアは術前平均57点が術後89点,屈曲は術前平均91&deg;が術後143&deg;,外旋では術前平均39&deg;が52&deg;,内旋は術前平均3.7点が4.9点へ有意差をもって改善を認めた.Sugaya分類typeⅣが3肩,typeⅤが0肩で,再断裂は3肩(6%)であった.Surface-holding法は,再断裂率の低い有用な術式と考えられた.
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 大湾 一郎 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.364-366, 2018

<p>外傷後急速に破壊が進行した肩関節症に対し,人工肩関節全置換術を行った症例を報告する.84歳,女性.1.5カ月前に転倒,右肩関節を打撲した.近医を受診し単純X線像では異常は指摘されなかった.その後,疼痛が増悪したため,当院を紹介された.初診時所見は,肩関節屈曲10度,外旋-30度,内旋L1,JOA scoreは36点であった.当院初診時単純X線像,CTでは上腕骨頭の扁平化,関節窩骨欠損を認めたが,MRIでは腱板断裂を認めなかった.急速破壊型関節症と診断し,関節窩骨欠損部への骨頭骨移植を併用した人工肩関節置換術を施行した.術後24カ月で疼痛はなく,肩関節可動域は屈曲130度,外旋40度,内旋L1(健側は屈曲130度,外旋40度,内旋Th8)でJOA scoreは85点まで改善した.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 大湾 一郎 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.11-15, 2018
被引用文献数
1

<p>我々は,腱板断裂関節症(Cuff Tear Arthropathy:以下CTA)に対し,小径人工骨頭置換(Small Humeral head replacement:以下s-HHR)と腱板修復術または筋腱移行術を施行しているので,その治療成績を報告する.対象は術後1年以上経過観察可能であった17例17肩.平均年齢は73.9歳,性別は男性5肩,女性12肩.術式はs-HHR+腱板修復術7肩,s-HHR+筋腱移行10肩(肩甲下筋部分移行2肩,大胸筋移行術8肩).調査項目は,日本整形外科学会肩関節疾患治療判定基準(以下JOAスコア),平均肩関節可動域(屈曲,外旋,内旋:JOAスコアを用いて点数化),とした.結果はJOAスコアが術前45点から術後79点,術前屈曲55度,外旋26度,内旋1.6点から,術後屈曲123度,外旋26度,内旋3.7点と改善した.CTAに対するs-HHRおよび腱板修復術または筋腱移行は,有用な術式と考えられた.</p>
著者
小浜 博太 新垣 寛 知念 弘 山口 浩 大城 亙 森山 朝裕 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.319-321, 2017

鎖骨遠位端骨折に対するフックプレート(HP)と非フックプレート(n-HP)の術後経過を比較した.HP群は14例(男性12例,女性2例,平均年齢47.8歳,術後平均観察期間9.7カ月)で全例LCP clavicle hook plateを使用した.n-HP群は12例(男性10例,女性2例,平均年齢41.2歳,術後平均観察期間9.9カ月)でClavicle Wiring plate 6例,Tension band wiring, Scorpion plate, Now J, Distal clavicle locking plate, LCPクラビクルプレートラテラルエクステンション,髄内釘をそれぞれに使用した.最終観察時の平均JOA ROMスコア(30満点)はHP群22点,非HP群28点で,n-HP群で良好であった.全例で骨癒合を認め,HP群で肩峰下のびらんを13例,偽関節を1例に認めた.肩峰を跨がないHP以外の内固定では術後肩関節可動域が良好な傾向であった.
著者
島袋 全志 呉屋 五十八 当真 孝 山口 浩 伊佐 智博 森山 朝裕 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.337-341, 2017
被引用文献数
2

【はじめに】上腕骨近位端骨折に対する骨接合術後の合併症である上腕骨頭壊死の検討を行ったので報告する.【対象および方法】対象は術後上腕骨頭壊死10肩,性別は男性3肩,女性7肩.手術時年齢は平均68歳であった.骨折型はNeer分類:3-part:2肩,3-part脱臼:1肩,4-part:6肩,4-part脱臼:1肩,平均経過観察期間は32ヵ月であり,術後肩関節可動域(屈曲,外旋),X線分類(Cruess分類),追加手術について調査した.【結果】屈曲は平均88°,外旋は平均36°であった.Cruess分類はstage 2:1肩,stage 3:1肩,stage 4:6肩,stage 5:2肩であった.追加手術として,2肩に人工骨頭置換術,1肩にスクリューの抜釘を行った.【まとめ】70歳未満では壊死後の可動域は比較的良好で,壊死のリスクが高い骨折型でも骨接合は選択肢の一つと考えられた.