著者
Franks Roger G.E. 森村 正直
出版者
THE SOCIETY OF INSTRUMENT AND CONTROL ENGINEERS
雑誌
計測 (ISSN:04500024)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.361-364, 1959

アナログ計算機による模擬は,も早試用の時期を脱した.多くの大企業では,新設プラントの設計や構成,現存プラントの動作の解析などの問題を解くのにアナログ模擬を慣用している.<BR>もともと,アナログ計算機は軍事研究や航空関係で発展した.航空機や誘導弾の飛行動作を方程式によって解析的に解くことができることがわかったためその価値が認められたものである.これらの方程式をプログラムに組むと,アナログ計算機は,実際の航空機の動作と同じように動作する.すなわち,アナログ計算機は,検討しようとする系の動作を模擬するわけである.開発しようとしているモデルの設計や構成についての様々な新しいアイデアは,まず計算機で調査することによって,実物に直接適用したならば起らないとは限らない損害や危険などを防ぐことができる.<BR>これと同じことは,化学工業や石油工業でもいえる.これらの工業では,新しい装置や,極めて複雑な制御系統を採用してもあまり効果がないか,むしろ危険であることがあるからである.これらの場合,系統は余りに複雑なので,起動または定常動作を考察したり計算したりすることはほとんど不可能である.しかしながら,アナログ計算機は,必要な解析的な技法がすでに完全に確立されているので,まだ設計の段階にあるうちに上のような系統の動作を模擬することができる.何種類かの系統について調査を行って最良の解を見出し,さらに,なぜ他の解が悪いかという理由を定量的に出すことができる.
著者
山崎 弘郎 藤村 貞夫 北森 俊行 飯塚 幸三 栗田 良春 森村 正直
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1989

文部省学術用語集「計測工学編」の増補改訂を目的として、計測工学用語の標準化の調査研究を平成2年2月から平成3年度末まで下記の通り実施した。1.計測工学における学術上の概念を適切に表す用語を標準化することにより,同一概念を表現する複数の用語の流布を避け,混乱を防ぐことを目的として。主として次のような用語選択基準を設定した。(1)学術上の議論で現在実際に用いられる用語だけを採録する。(2)概念の階層構造に留意しその上位の用語から採録する。(3)他分野との境界領域にある用語も採録する。ただし,その用語がすでに文部省学術用語集で制定されていれば,それを尊重する。(4)内外の規格(JIS,ISO,IMEKO,VIM,SI等)との一貫性に留意する。2.計測工学の分類について検討を重ねた結果,20分野に分類し,上記選択基準1.にしたがって,現行用語約2,400語について検討し,分野別に用語の収集,選択を行い,計測工学用語集としての完備を図った。こうして12,000余語の用語を収集し,これを整理して,約8,000用語が標準計測用語として得られた。3.この調査研究の特長の1つは,作業を電子化し,効率化を図ったことである。これによって,委員による用語の収集,整理作業および委員間の情報交換が極めて容易に可能となった。さらに,海外からの用語デ-タファイル(国際計測連合編集の計測用語;ISO,IEC,BIPM等による用語集(VIM)等)を検討対象用語集として収集することができた。4.調査研究委員会開催日程平成2年2月2日から平成3年11月16日まで 9回委員会開催,平成3年2月21日から平成4年3月4日まで 4回幹事会開催。