- 著者
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石井 明子
中山 秀夫
池上 博泰
森永 正二郎
- 出版者
- Western Division of Japanese Dermatological Association
- 雑誌
- 西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.4, pp.734-739, 1994
- 被引用文献数
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1
30歳のロシア人男性の類上皮肉腫を逆行性橈骨動脈皮弁法にて治療した。8年前に左手関節屈側に潰瘍が出現し, 手術を4回受けたが再発を繰り返していた。病理組織学的に, 真皮内にエオジン好染の豊かな胞体を持ち, 核に異型性を示す腫瘍細胞が増殖し, 大部分が類円形で, 上皮様の胞巣を形成していた。電顕的には切れ込みの目立つ核と豊富な細胞質を持つ腫瘍細胞が多く, 胞体内に中間径フィラメントを認めた。免疫組織化学的にEMA, vimentin, keratinに対する抗体を用いた染色にて腫瘍細胞は陽性であった。本症の治療にあたっては, 発病初期の正確な病理診断と最初から十分な広範囲切除が必要と思われた。