著者
山元 直道 古賀 誠 村田 雄一 森田 三佳子 松本 俊彦
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.391-397, 2023-06-15 (Released:2023-06-15)
参考文献数
21

筆者らは地域生活を送る,薬物や処方・市販薬の物質使用障害者を対象とした作業療法プログラム「Real生活プログラム(以下,リア活)」を開始した.本研究の目的は,リア活に参加した対象者のケアニーズや生活上の目標をテキストマイニングの手法で分析し,本プログラムの今後の方向性を検討することである.リア活参加者30名の分析の結果,共起ネットワークでは8個のサブグラフが検出され,人とのつながりや社会復帰,薬物への欲求対処,生活の改善・安定,就労準備に分類できた.リア活は,複雑な背景や症状を抱える物質使用障害に対するテーラーメイドの治療の役割を果たし,参加者が新たに人-作業-場所とつながるきっかけとなる.
著者
塚本 陽子 設楽 久美子 伊藤 郁乃 森田 三佳子 古田島 直也 見波 亮 内田 裕子 大島 真弓 新藤 直子 松井 弘稔
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.324-329, 2019-11-30 (Released:2020-01-28)
参考文献数
7

慢性呼吸器疾患患者の入浴に関する報告は慢性閉塞性肺疾患(COPD)を対象としたものが多く症例数も少ない.本研究の目的はCOPDを含む慢性呼吸器疾患患者の入浴中の経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の変動を後方視的に調査し負担のかかりやすい動作を明らにすることで効率的な動作指導を検討することである.作業療法士が入浴評価を実施した61名を対象に入浴を構成する各動作項目(脱衣,洗体,洗髪,体拭き,着衣)後のSpO2値を調査した.加えて入浴評価と6分間歩行試験(6MWT)を同じ酸素量で実施した25名を対象に入浴時と6MWT時のSpO2最低値を比較した.入浴時のSpO2値は体拭きで最低値を示し,約35%の患者は6MWTのSpO2最低値を下回った.入浴時は体拭きでSpO2が低下しやすいことを考慮し指導を行う必要がある.また労作時の酸素流量設定は6MWTに加え入浴評価も実施した上で決定することが望ましい.