著者
森田 和良
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.124-137, 1997-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
20
被引用文献数
1

最近, 肌に優しい化粧品の開発が求められ, 微生物面からも考慮された化粧品の開発が望まれる。そのため, 化粧品の品質を保証する上で防腐剤の利用は避けがたいものではあるが, 防腐剤の可能な限りの低減化が望まれる。そこで化粧品処方全体の構成を再考してみる。その結果, 次の (1), (2), (3) の要素を総合的に構築することにより防腐剤を極力低減化した乳化系化粧品を開発する道が開かれると考えられた。即ち, (1) 非資化性原料の選択 (2) 抗微生物活性が温和な脂肪族化合物および精油の利用, それに加えて新規機能性原料の開発 (3) 防腐剤の油水分配に係わる理論の利用である。
著者
田島 充士 森田 和良
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.478-490, 2009 (Released:2012-02-29)
参考文献数
28
被引用文献数
5 2

本研究では, 日常経験知の意味を取り込まないまま概念を暗記する生徒達の, 「分かったつもり」と呼ばれる学習傾向を改善するための教育実践である「説明活動(森田, 2004)」の効果について検討した。本実践では, 生徒達が教師役を担い, 課題概念について発表会で説明を行うことになっていた。また残りの生徒達は聞き手役として, 日常経験知しか知らない「他者」の立場を想定して, 教師役に質問するよう求められた。この手続きを通し, 日常経験知の観点を取り入れた概念解釈の促進が目指されていた。小学5年生を対象に実施された説明活動に基づく授業を分析した結果, 以下のことが明らかになった。1)本授業の1回目に実施された発表会よりも, 2回目に実施された発表会において, 教師役の生徒達は, 日常経験知を取り入れた概念解釈を行うようになった。2)聞き手役からの質問に対し, 1回目の発表会では拒否的な応答を行っていた生徒達が, 2回目の発表会では, 相手の意見を取り入れた応答を行うようになった。これらの結果に基づき, 本実践における, 日常経験知との関係を考慮に入れながら概念の意味を解釈しようとする, バフチン理論のいう概念理解へ向かう対話傾向を促進する効果について考察がなされた。
著者
田島 充士 森田 和良
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.478-490, 2009-12-30
被引用文献数
2

本研究では,日常経験知の意味を取り込まないまま概念を暗記する生徒達の,「分かったつもり」と呼ばれる学習傾向を改善するための教育実践である「説明活動(森田,2004)」の効果について検討した。本実践では,生徒達が教師役を担い,課題概念について発表会で説明を行うことになっていた。また残りの生徒達は聞き手役として,日常経験知しか知らない「他者」の立場を想定して,教師役に質問するよう求められた。この手続きを通し,日常経験知の観点を取り入れた概念解釈の促進が目指されていた。小学5年生を対象に実施された説明活動に基づく授業を分析した結果,以下のことが明らかになった。1)本授業の1回目に実施された発表会よりも,2回目に実施された発表会において,教師役の生徒達は,日常経験知を取り入れた概念解釈を行うようになった。2)聞き手役からの質問に対し,1回目の発表会では拒否的な応答を行っていた生徒達が,2回目の発表会では,相手の意見を取り入れた応答を行うようになった。これらの結果に基づき,本実践における,日常経験知との関係を考慮に入れながら概念の意味を解釈しようとする,バフチン理論のいう概念理解へ向かう対話傾向を促進する効果について考察がなされた。