著者
植田 利久
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.53, no.164, pp.69-77, 2011 (Released:2018-01-26)
参考文献数
20

Characteristics of flame propagation over combustible hydrates, methane hydrate and natural gas hydrate, in a laminar flat plate boundary layer has been investigated experimentally. The fine powder hydrate is packed in an insulated container and set flush with the bottom wall of the wind tunnel. The free stream velocity (U∞) is varied from 0.4m/s to 1.1m/s. The hydrate is ignited at the downstream end of the container when the surface temperature at the center of the hydrate surface reaches that at the igniton (Ts,ig). Ts,ig is varied from -80℃ to -20℃. The motion of the flame propagation is recorded by a digital video camera. The location of the leading flame edge is measured by using the image of the video camera. Two types of flame propagation are observed. When Ts,ig is low, the flame propagates almost linearly with time with the velocity around 3-4mm/s. In this case, the flame propagation velocity is determined by the dissociation rate of the hydrate. When Ts,ig is relatively high, the periodic flame propagation is observed. The maximum flame propagation velocity reaches around 800mm/s. In this case, the premixed mixture is formed over the hydrate surface because the hydrate can dissociate in the atmospheric condition and the flame propagates in the premixed mixture.
著者
植田 利久 大村 亮
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

プール火炎を対象に,上部から二酸化炭素ハイドレート粉末を落下させ,その消火特性を実験的に検討した.比較対象として,氷,ドライアイスを用いた実験も行った.プール火炎の燃料としては,水よりも沸点の低いメタノール,エタノール,水とぼぼ同等の1-プロパノール,水より高い1-ヘキサノールを対象とした.消火に必要な最小の質量,消火限界質量は,水より沸点の低い燃料では,ドライアイスのほうが二酸化炭素ハイドレートより少なかったが,沸点が同等あるいは高い燃料では,二酸化炭素ハイドレートののほうが少なくなった.これは,沸点の高い燃料においては,水の蒸発が促進し,冷却効果が顕著になったためであると考えられる.
著者
兪 善昊 杉川 裕介 植田 利久
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.357-363, 2009-07-20 (Released:2009-07-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

ノンエレメントミキサーは,主流に,主流流路に垂直に同一間隔で接続された複数の支流から流体を注入させることにより,流体が引き伸ばしと折り畳みの効果を受け,混合を促進させるミキサーである.主流流路中心軸に垂直な断面の混合の様子をレーザ誘起蛍光法(LIF)を用いて可視化し,得られた断面像から界面の大きさの時間変化の様子を明らかにし,対流混合促進のメカニズムについて検討を加えた.支流本数n,支流押し出し周期Tpを変化させ,断面像観察,境界線長さLの測定を行った.その結果,以下の結論を得た.支流本数が増えるほど,すなわちnが大きくなるほど,混合のパターンは複雑になる.特に遅延座標系の位相空間でのLの形状より,nが大きくなるとカオス的挙動を示すことが示唆された.またLは時間的に変化し,その周期はTpと一致する.Lの時間平均値Lはnが大きくなるほど大きくなる.その増加は指数関数的な増加であり,このことは本ノンエレメントミキサーが,Kenicsタイプのスタティックミキサーと同様の混合促進特性を有していることを示している.