著者
水野 秀城 蓑内 慶次 青山 庄 樋上 義伸
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.7, pp.1309-1316, 2015-07-05 (Released:2015-07-05)
参考文献数
14

症例は20歳代,女性.生肉(ユッケ)を含む焼肉を食べ,腹痛と数十行の下痢にて入院.O111感染による腸管出血性大腸炎に引き続き,溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症した.持続血液濾過による治療を開始したが,HUSにともなう脳症を併発した.ステロイドパルス療法や血漿交換,トロンボモジュリン製剤などによる治療を行い後遺症なく回復した.O111によるアウトブレイクの経過も含めて報告した.
著者
青山 庄 樋上 義伸 高橋 洋一 吉光 裕 草島 義徳 広野 禎介 高柳 尹立 赤尾 信明 近藤 力王至
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.312-321, 1996-05-05
被引用文献数
6

1994年春,ホタルイカを内臓ごと生食後に旋尾線虫幼虫type Xによると思われる急性腹症を呈した10例を経験した.症状では,全例に腹痛,9例に嘔気・嘔吐,4例に下痢,6例に腹水を伴った腸閉塞と1例に皮膚爬行疹を認めた.検査所見では,経過中において,全例に末梢血の好酸球増多,9例に血清IgE値増加が認められた.ホタルイカ内臓の約3%に旋尾線虫幼虫type Xが寄生しているとの報告から,その抗体価を測定したところ,9例中7例で陽性を示した.1例では,腹膜炎の診断で回腸部分切除術が行われ,組織学的に,局所的なびらんと粘膜下層内に著明な好酸球とリンパ球浸潤を伴う炎症所見が認められたが,9例は保存的治療で軽快した.
著者
青山 庄 樋上 義伸 高橋 洋一 吉光 裕 草島 義徳 広野 禎介 高柳 尹立 赤尾 信明 近藤 力王至
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.312-321, 1996-05-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
2

1994年春,ホタルイカを内臓ごと生食後に旋尾線虫幼虫type Xによると思われる急性腹症を呈した10例を経験した.症状では,全例に腹痛,9例に嘔気・嘔吐,4例に下痢,6例に腹水を伴った腸閉塞と1例に皮膚爬行疹を認めた.検査所見では,経過中において,全例に末梢血の好酸球増多,9例に血清IgE値増加が認められた.ホタルイカ内臓の約3%に旋尾線虫幼虫type Xが寄生しているとの報告から,その抗体価を測定したところ,9例中7例で陽性を示した.1例では,腹膜炎の診断で回腸部分切除術が行われ,組織学的に,局所的なびらんと粘膜下層内に著明な好酸球とリンパ球浸潤を伴う炎症所見が認められたが,9例は保存的治療で軽快した.
著者
樋上 義伸 友杉 直久 西邨 啓吾 加登 康洋 小林 健一 福田 繁 岡田 保典
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.734-738, 1981
被引用文献数
2

われわれは劇症肝炎様転帰をとった悪性リンパ腫の1剖検例を経験したので報告する.症例は60歳男性で昭和54年4月20日より全身倦怠と黄疸が出現したため4月24日に当科に入院した.入院時黄疸が著明で肝は剣状突起下7横指触知されたが,表在リンパ節腫脹は認められなかった.検査成績では直接ビリルビンの増加と胆道系酵素の上昇が著明で閉塞性黄疸のパターンを示していたが,腹部超音波検査では肝内・肝外胆管の拡張は認められなかった.入院後発熱,出血傾向,腹水,無尿,意識障害が出現し,4月28日死亡した.剖検では全身リンパ節,肝,脾,副腎,皮膚,顎下腺に腫瘍細胞の浸潤があり悪性リンパ腫と診断された.肝臓は広範性肝細胞壊死の状態で,腫瘍細胞は門脈域でび漫性浸潤を示し,腫瘍結節形成も認められた.広範性肝細胞壊死の機序としては,死亡直前にエンドトキシンショックの臨床像を呈していたことより臓器Shwartzman反応の関与が考えられた.