著者
井汲 一尋 横井 克典 安藤 哲朗
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.27-31, 2016 (Released:2016-01-29)
参考文献数
30

症例は72歳女性である.2型糖尿病で通院治療中であった.7年前に左肺多発結節影があり精査するも診断に至らず経過観察で縮小した.その後呼吸器症状もなく安定していたが,5ヶ月の経過で認知機能障害と歩行障害が進行し入院し,クリプトコッカス髄膜脳炎と診断された.両足趾右優位にアテトーシス様の不随意運動を認めた.不随意運動はpainful legs and moving toesに極めて類似していたが,疼痛は全くなかった.クリプトコッカス髄膜脳炎で認知機能障害,不随意運動の改善過程を観察した報告は稀であり,貴重な症例であると考えられたため報告する.
著者
川上 治 古池 保雄 安藤 哲朗 杉浦 真 加藤 博子 横井 克典 都築 雨桂
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.51-55, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
15

目的:脳梗塞後はじめて発作を発症した場合,てんかんと診断できるか検討するため,有事率とそのリスク,非誘発性発作の再発率等について多数例を後ろ向きに調査した.方法:当院に入院した脳梗塞急性期(transient ischemic attack;TIAを除く)患者2071名を対象に,けいれん発作発症例を抽出した.年齢,性,皮質病変,Oxford分類,MRIでの深部白質病変等を評価項目とした.結果:脳梗塞発症後,急性症候性発作(acute symptomatic seizure;ASS)は43例で過半数は発症当日であった.非誘発性発作(unprovoked seizure;US)は,100~300日でピークとなるがその後も増加を続け,5年間で73例であった.ASSのリスクは,皮質病変・total anterior circulation infarction;TACI(Oxford分類),USのリスクは,皮質病変・TACI・partial anterior circulation infarction;PACI(Oxford分類)・deep and subcortical white matter hyperintensity;DSWMH(グレード3・4)・75歳未満(多重ロジスティック回帰法)であった.再発性USは,US群74%,ASS群9%と有意にUS群で高かった.初発より抗てんかん薬(antiepileptic drugs;AEDs)を投与すると有意に再発率が減少した.非誘発性発作の重積発作発生率は,AEDs投与群19.6%,非投与群34.3%と有意にAEDs投与群が少なかった.結論:脳梗塞慢性期に初発発作を発症した場合は,てんかんと診断できる.AEDsは,US再発およびてんかん重積状態の予防に有効であり初発USより投与開始を検討する必要がある.
著者
横井 克典 ヨコイ カツノリ Katsunori Yokoi
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.501-521, 2009-03

研究中村宏治教授 定年退職記念号