著者
杉浦 真治
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.347-359, 2012-11-30 (Released:2017-04-28)
参考文献数
80
被引用文献数
2

一般に、島の面積が広くなればそこに生息する動植物の種数は増加する。このような島の種数-面積関係を生み出すメカニズムに関する研究には、Robert MacArthurとEdward Wilsonによる島嶼生物地理学の理論の提唱以来40年の蓄積がある。彼らの理論は、島だけでなく断片化した森林パッチなどの種数-面積関係にも適用されてきた。また、種数-面積関係はさまざまな視点から拡張されてきた。例えば、島の種数-面積関係に種間相互作用を考慮するという試みがある。種間相互作用は、古くは食物網、最近では動物と植物の相利共生系ネットワークとして注目されている。一般に、種数が増加すると種間の相互作用数も多くなる。このため、種間相互作用数は島面積とともに増加すると予測される。また、種間相互作用ネットワークの構造は構成種数に強く影響されるため、ネットワークの構造は島面積に関連することが予測される。これらの予測は、小笠原諸島における植物とアリとの種間相互作用ネットワークで確かめられた。こうした種間相互作用ネットワークと面積の関係は、島の種数-面積関係と同様に、大陸における植生パッチなどにも適用できる。実際、南米大陸における植物-訪花昆虫のネットワークや植物-潜葉性昆虫-捕食寄生性昆虫の食物網で確認された。さらに、北米大陸における植物-訪花昆虫とのネットワークの解析によって、特定の空間スケールにおいて種間相互作用数やネットワークの構造が森林面積と強く関係することが示唆された。このように、種間相互作用数およびネットワーク構造は、島面積や植生パッチ面積といった生息地の大きさに深く関連している。
著者
杉浦 真理子 有賀 淳
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.83-94, 2018 (Released:2018-05-31)
参考文献数
27

近年, 遺伝子検査技術の革新的進歩により簡便で安価に遺伝子検査を受けられる時代への変遷が急速に進んでいる. 医療機関での遺伝子検査以外にも, 個人が医療機関を介さずに直接自分の遺伝子検査を実施できるDTCGT (Direct to Consumer Genetic Testing) が企業により提供されており, 自身の体質や能力, 将来起こしうる疾患を予測するサービスが普及している. 現在, 多くのDTCGTは専門の医師や遺伝カウンセラーなどの介入なく行われており, 医療面や倫理面で課題を抱えているが, いまだDTCGTを適切に規制する整備がなされていない. 筆者らは, 日米欧 (英, 独, 仏) における遺伝子検査に関する規制を比較し, DTCGTにかかる規制を検討した結果, 欧米のほとんどの国において, DTCGTは法的に規制されており, 実質禁止されていたが, 日本ではDTCGTにかかる規制はなく, 指針が示されているのみであった. さらに, 日本におけるDTCGTの現状と課題を検討するために, 個人での検査の窓口となるウェブサイト上でのDTCGT事業を調査し解析した結果, DTCGTを実施している112事業所の多くが医師の介入なしで検査および結果説明が行われており, 検査項目のなかには疾患診断に直結する検査結果や遺伝カウンセリングが必要となる結果が含まれていることがわかった. 今後, 日本でのDTCGTの急速な拡大によって生じる医療面, 倫理面での問題に速やかに対応するために, DTCGTの適切な規制および十分な実施体制の構築が急務と考えられる.
著者
杉浦 真由美 重田 勝介
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.46018, (Released:2022-08-18)
参考文献数
20

本研究では,大学教員を対象としたブレンド型授業を設計するための教員研修プログラムを開発した.教員研修プログラム開発の指針を得るため,多様な教員がブレンド型授業を実施する上での課題を分析した.その結果,教員はオンラインツールを用いたことなどによるメリットを感じた一方で,授業方法の変化に伴う不便さや困難を感じ,学生を含め心身への影響を及ぼした状況が明らかとなった.この分析をもとに,教員研修プログラムの構成要素として,教授者目線で3つのステップを踏みブレンド型授業を考案する「リビルド法」と,リビルド法に基づきブレンド型授業を設計する「授業デザインツールキット」を開発した.ツールキットを用いた教員研修プログラムを実施した結果,ツールキットと教員研修の場が,ブレンド型授業を設計するために有用であったことが示唆された.
著者
杉浦 真一郎
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.497-521, 2003-06-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
28
被引用文献数
5 1

本稿は,営利系事業所の進出が少ない農山村地域における介護保険制度下の訪問介護サービスに注目し,保険者たる行政と既存事業者としての社会福祉協議会の役割が目立つ中で,組織的特性の異なる複数のサービス事業所が併存する石川県穴水町の事例から,サービス供給実績の変化とその制度的背景を分析した.町内3事業所のうち,後発の農協系事業所が制度施行2年目からサービス供給実績を伸ばしたが,これは町役場との関係が密接な社会福祉協議会系事業所や,特別養護老人ホームなどを併設する社会福祉法人系事業所とは対照的に,連携する組織やサービス機能をほかに持たないことに起因している.訪問介護の利益率が一般に低水準である中で,この農協系事業所の事業構造は利用者特性の面からみても不安定であり,本事例からは介護保険事業者の特性について,従来の「既存/新規」および「営利/非営利」に加えて,「総合型/単独型」との観点が有効であることが示唆された.
著者
杉浦 真治 山崎 一夫 石井 宏幸
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.12-14, 2002-01-10 (Released:2017-08-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3

ゴマフシロキバガScythropiodes leucostola(Meyrick)(チョウ目ヒゲナガキバガ科)の幼虫が,ナラメリンゴタマバチBiorhiza nawai(Ashmead)(ハチ目タマバチ科)によってコナラの芽に形成された虫えいに穿孔し摂食しているのが観察された.これまで,虫えいを摂食するチョウ目では10科が知られているが,我々の知る限りヒゲナガキバガ科では初めての記録である.ゴマフシロキバガは様々な樹種の葉を食べることが知られており,これまで報告された多くのえい食者と同様,機会的えい食者であると考えられた.また,摂食された虫えいから,ナラメリンゴタマバチの成虫が多数羽化してきたことから,ゴマフシロキバガの幼虫による摂食が虫えい形成者に与える影響は少ないものと考えられた.
著者
高橋 暁子 杉浦 真由美 甲斐 晶子 冨永 敦子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.253-265, 2019-12-31 (Released:2020-02-14)
参考文献数
46

本研究では,日本におけるインストラクショナルデザイン(ID)の先行研究をレビューし,研究動向を整理した.2003年から2018年までの教育工学領域の論文から72編のID 研究論文が抽出され,ここ10年の論文数は横ばいであった.そのうち61編が実践系の論文に位置づけられ,とくに「教育実践の改善および学習環境づくり」での活用が顕著であることが示された.教育現場における実践報告が多くの割合を占める一方で,実践研究と基盤的研究との往還やID 本来の趣旨である教育設計時の活用に関しての課題が明らかになった.
著者
高梨 琢磨 土原 和子 山崎 一夫 杉浦 真治
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

チョウ目の幼虫は、体表に存在する糸状の機械感覚子(以下、糸状感覚子)で音や気流を感知することが知られている。本課題において、この糸状感覚子の同定並びに比較を複数の分類群においておこなったところ、糸状感覚子を1)胸部にのみを持つ種、2)腹部にのみ持つ種、3)腹部と胸部の両方に持つ種、そして4)糸状感覚子を欠く種がみられた。感覚子の有無は、植物体内外での摂食(内部食や外部食)等の生活様式と捕食回避に関連していると考察した。
著者
杉浦 真治 山崎 一夫
出版者
森林総合研究所
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.201-205, 2005 (Released:2011-03-05)

イワナシ属Epigaeaはわずか3種を含むツツジ科の小低木で、北米、コーカサス、日本にそれぞれ分布する。北米産アメリカイワナシE. repensの種子はアリにより散布されることが知られている。ツツジ科の中でアリによって種子散布が行われる種は他に全く知られていない。日本産イワナシE. asiaticaの種子もアリによって散布されるかどうかを明らかにするために、2004年5月に京都市郊外の二次林林床に生育するイワナシの果実訪問者を調査した。その結果、5種のアリのワーカーがイワナシの果実を訪れ、果肉を摂食しているのを観察した。さらに、ヤマトアシナガアリAphaenogaser japonicaのワーカーが果肉と一緒に種子を運んでいた。ヤマトアシナガアリは日本産アリ散布植物の散布者として、しばしば記録されている種類である。これは、日本産イワナシの種子もアリによって散布されていることを示唆している。しかし、イワナシの果肉のある甘い果実は、他の動物も誘引する可能性がある。
著者
杉浦 真一郎
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.188-211, 2009-05-01 (Released:2011-08-25)
参考文献数
28
被引用文献数
5 3

介護保険に関して,近年の市町村合併は,旧自治体ごとの負担(保険料)を均一化する一方で受益(サービス給付)を必ずしも平準化できない点で地域的公正の観点から問題を生じさせている.本稿は,旧自治体別の介護保険について,新自治体となる合併地域全体との間の量的・質的差異を全国スケールで分析した.主な結果は次の通りである.①新自治体とのサービス給付水準の差異が顕著な旧自治体を抱える新自治体は概して非都市的な地域特性を多く含み,高齢者人口規模などからみた首位都市としての地位が相対的に高い旧自治体による編入合併が多い.②合併によって新自治体との間で著しい給付水準の差異を有する旧自治体は全国的に分布するが,特に県境地帯の山間部や離島など周辺性を有する地域に多い.③それらの旧自治体は合併前の数年間をみても事業特性に大きな変化がなく,合併後も受益と負担の不均衡による地域的公正の問題が新自治体内で存続する可能性が示唆される.
著者
杉浦 真治 深澤 遊 山崎 一夫
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.143-144, 2002-12-25 (Released:2018-09-21)
参考文献数
6

Platurocypta punctum (Stannius) (Diptera: Mycetophilidae) was firstly recorded from Japan based on the adult specimens emerged from a fruiting body of Fuligo septica (L.) (Myxomycetes: Physarales: Physaraceae). We observed the larvae feeding on spores within the fruiting body at Kamigamo Experimental Forest in Kyoto, central Japan. P. punctum may be closely associated with slime molds.
著者
山崎 一夫 杉浦 真治
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.166-172, 2004-06-20

本論文では,2種のタイプの異なる葉ゴールを摂食する鱗翅目幼虫の食性や攻撃率に関して報告する.1)2種の多食性鱗翅目幼虫において,葉ゴールの構造的特性と摂食選好性の関係を調査した.大阪府堺市の都市緑地(大泉緑地)において,春に,多くのイスノキハタマフシ(イスノキ葉のヤノイスアブラムシNeothoracaphis yanonis(Matsumura)(同翅亜目アブラムシ科)によるゴール)を擁するイスノキの葉上に,マイマイガLymantria dispar(Linnaeus)とカシワマイマイL.mathura Moore(いずれもドクガ科)の中齢幼虫が静止しているのを見出した.全てのゴールは裂開し,アブラムシ有翅虫はすでにゴールから脱出していた.このとき,ゴールには鱗翅目幼虫に攻撃された形跡は認められなかった.そこで,これらの幼虫を実験室に持ち帰り,ゴールの形成されたシュートと共に容器に入れておき,幼虫が摂食する部位を記録した.これらの幼虫は,イスノキの通常の葉組織と葉裏のゴールの裂開部分を摂食したが,ゴールの葉表の部分は摂食しなかった.鱗翅目幼虫によるゴールへの攻撃は稀であり,たとえあっても,アブラムシ有翅虫の脱出後の裂開部分に限られるので,幼虫はアブラムシに負の影響は与えていないと考えられた.2)京都府八幡市木津川河岸において,春季に,ジャヤナギハマキフシ(ジャヤナギ葉のハマキハバチの一種Phyllocolpa sp.(膜翅目ハバチ科)による葉巻型ゴール)をサンプリングして調べると,ツマアカシャチホコClostera anachoreta([Denis&Schiffermuller])(シャチホコガ科),ホソバキリガOrthosia angustipennis(Matsumura)(ヤガ科),マイマイガの幼虫がゴールを摂食していた.これらの幼虫は機会的えい食者と判断された.ツマアカシャチホコとホソバキリガは内部から,マイマイガは外部からゴールを摂食していた.これら鱗翅目幼虫の攻撃率は1.5%と小さく,ゴール食の被害によって死亡したハバチ幼虫はいなかったことから,鱗翅目幼虫の摂食によるハバチ幼虫へ与える影響は非常に小さいと考えられた.本研究で扱った2種の葉ゴールでは,ゴールは鱗翅目幼虫によって摂食されたがそれに起因する死亡率はわずかであった.これは,アブラムシのゴールでは丸く堅固なゴールの外部形態がゴール食者からの攻撃を妨げ,ハバチのゴールでは比較的短い幼虫の発育期間によってゴール食者の攻撃の機会を減少させていた可能性がある.
著者
杉浦 真由美
出版者
奈良女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

iPS細胞の臨床応用のために必須である「iPS細胞の質の評価」を分子レベルで可能にするため、細胞株間の質、特に分化多能性と関連する分子的特徴を解析した。ヒストン修飾に注目して分化能の程度が異なる細胞株間の比較や薬剤処理による多能性回復過程における解析を行い、活性型ヒストン修飾がiPS細胞の多能性の程度と関連し得ることを示した。さらにヒストン修飾関連因子のうちc-Mycと特定のHDACが標的ヒストン修飾や細胞の分化状態に影響を与える可能性を示した。これらの相関はES細胞ではみられなかった。また、複数のiPS細胞のゲノムを詳細に解析し分化能の違いはゲノム安定性の差によるものではないことを確認した。
著者
川上 治 古池 保雄 安藤 哲朗 杉浦 真 加藤 博子 横井 克典 都築 雨桂
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.51-55, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
15

目的:脳梗塞後はじめて発作を発症した場合,てんかんと診断できるか検討するため,有事率とそのリスク,非誘発性発作の再発率等について多数例を後ろ向きに調査した.方法:当院に入院した脳梗塞急性期(transient ischemic attack;TIAを除く)患者2071名を対象に,けいれん発作発症例を抽出した.年齢,性,皮質病変,Oxford分類,MRIでの深部白質病変等を評価項目とした.結果:脳梗塞発症後,急性症候性発作(acute symptomatic seizure;ASS)は43例で過半数は発症当日であった.非誘発性発作(unprovoked seizure;US)は,100~300日でピークとなるがその後も増加を続け,5年間で73例であった.ASSのリスクは,皮質病変・total anterior circulation infarction;TACI(Oxford分類),USのリスクは,皮質病変・TACI・partial anterior circulation infarction;PACI(Oxford分類)・deep and subcortical white matter hyperintensity;DSWMH(グレード3・4)・75歳未満(多重ロジスティック回帰法)であった.再発性USは,US群74%,ASS群9%と有意にUS群で高かった.初発より抗てんかん薬(antiepileptic drugs;AEDs)を投与すると有意に再発率が減少した.非誘発性発作の重積発作発生率は,AEDs投与群19.6%,非投与群34.3%と有意にAEDs投与群が少なかった.結論:脳梗塞慢性期に初発発作を発症した場合は,てんかんと診断できる.AEDsは,US再発およびてんかん重積状態の予防に有効であり初発USより投与開始を検討する必要がある.
著者
山内 健生 岸本 年郎 角坂 照貴 杉浦 真治 岡部 貴美子 藤田 博己
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第60回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.39, 2008 (Released:2008-07-01)

東京都の小笠原諸島は特異な生物相を有する海洋島で,コウモリ類を除く陸生哺乳類は本来分布していなかった.しかし,19世紀以降,様々な陸生哺乳類が同諸島へ持ち込まれ,現在では,こうした哺乳類が外来種問題を引き起こしている.これまで同諸島のマダニ相に関する知見は皆無であったため,われわれは2007年4~10月に同諸島父島列島の弟島(5.2 km2)と父島(23.8km2)においてマダニ相調査を実施した. 弟島では,外来生物対策として駆除されたノヤギとノブタの体表を調査して寄生個体を採集したほか,フランネルを用いて植生上から未寄生個体を採集した.父島では,外来生物対策として駆除されたクマネズミの体表を調査して寄生個体を採集した. 採集されたマダニ類は,Boophilus microplus(弟島),Haemaphysalis flava(弟島),Haemaphysalis hystricis(弟島),Ixodes granulatus(弟島,父島)の3属4種であった.なお,採集法別の内訳は以下のとおりであった. 植生上:H. flava(NL),H. hystricis(NL),I. granulatus(L) ノヤギより:B. microplus(♂♀),H. flava(N),H. hystricis(♂♀N) ノブタより:H. hystricis(♂♀) クマネズミより:I. granulatus(♀) (L:幼虫,N:若虫)
著者
松井 晋 赤谷 加奈 松尾 太郎 杉浦 真治
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.143-146, 2010-08-25 (Released:2010-08-28)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

Introduction of the snail-eating flatworm Platydemus manokwari has caused the extinction and decline of native land snails on tropical and subtropical islands. Here we report the first record of P. manokwari from Minami-daito Island in the oceanic Daito Islands (western Pacific) which support an endemic land snail fauna. Platydemus manokwari was found in July 2004, July 2008, and June 2009 on Minami-daito Island. To clarify the effect of P. manokwari on land snail survival in the field, we examined survival rates of snails experimentally placed in the areas where P. manokwari were found in June 2009. Despite the presence of P. manokwari, we found little evidence of predation, suggesting that the density of P. manokwari was not high enough to impact snails on Minami-daito Island.
著者
杉浦 啓二 杉浦 真理子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.120-125, 2008

17歳,高校生。アトピー性皮膚炎で通院加療中,皮疹の悪化を繰り返していた。昼食に唐揚げを摂取した後の体育授業中に蕁麻疹を生じ,痒みのため掻破し,アトピー性皮膚炎が悪化していた。血液検査,経過,誘発試験より,唐揚げ粉による食物依存性運動誘発アナフイラキシー(FDEIA)と診断した。唐揚げ摂取後2時間は運動しないよう指導したところ,蕁麻疹は消失し皮疹は軽快した。その後,調理実習の際,両手の皮疹とアトピー性皮膚炎の悪化を生じていた。パッチテスト結果より遅延型ラテックスアレルギーと診断した。調理の際,ゴム手袋の使用を中止するよう指導し,両手の皮疹及びアトピー性皮膚炎は軽快した。