著者
河村 毅 大谷 幹伸 保坂 義雄 東海林 文夫 福谷 恵子 横山 正夫
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.288-295, 1981
被引用文献数
1

昭和40年から昭和54年までの15年間に東大分院泌尿器科であつかった15歳以下の小児尿路結石症は17名で,この間の全結石症例の1.6%に相当した.性別は男12,女5で男女比は2.4:1であった.年齢は最年少が8カ月,8例が5歳以下で最年長に15歳であった.結石部位は上部結石13例(腎結石9,尿管結石4),下部結石2例(膀胱結石2),上部と下部結石合併2例(尿管と膀胱結石1,尿管と尿道結石1)であった.臨床症状は肉眼的血尿6例,発熱3例,側腹痛3例,膀胱刺激症状3例,尿閉1例,尿失禁1例とさまざまであった.上部結石13例のうち観血的治療をおこなったのは11例,13回で,このうち腎摘例が2例で腎保存出来たものは9例であった. 10例に結石成分の分析をおこない燐酸塩系結石4,蓚醗塩系3,シスチン2,キサンチン1例であった.原因疾患の判明したしのは9例,52.9%で,その内訳はシスチン尿症2,キサンチン尿症1,尿路奇形と感染3,長期臥床1,薬剤の副作用2例であった.結石 freeの状態となった12例の平均追跡期間は9.6年で,この間の再発は1例のみで再発率は8.3%であった.小児尿路結石症は結石の早期診断と原因疾患の検索が必要であり,このためには前もってたてたスケジュールにしたがって原因疾患の検索をおこなう必要がある.またX線陰性結石の疑いのある場合には腹部 CTが診断上有用である.
著者
横山 正太朗 江口 浩二 大川 剛直
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.3, pp.180-188, 2010-03-01

近年ブログの利用が爆発的に増加しており,重要な情報源の一つになりつつある.ブログは,ハイパリンクを利用することで,参考にした情報を明示的に参照することが可能であり,このネットワークを対象にした研究が最近注目されつつある.しかし,こういった研究のほとんどが,リンク情報のみを対象にしており,本文の情報を参照していない.そこで本研究では,リンク構造だけでなく,本文のトピックを推定し,適切に情報伝搬をとらえる手段を確立することを目的とする.文書集合の潜在的なトピックを統計的に推定するのに用いられる確率的トピックモデルの代表的なものに,潜在的ディリクレ配分法(Latent Dirichlet Allocation:LDA)が挙げられ,広く用いられている.本研究では,このLDAを用いてポストのトピックを推定し,リンク間のトピック分布を比較することで,情報伝搬の単位(カスケード)を的確に抽出する枠組みを提案する.日本語ブログデータを用いた実験において,提案手法の有効性を示す.