著者
横山 理英 林 聡 岩田 知之 高橋 智紀 高田 潤
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.128, 2007 (Released:2007-11-23)

ヒノキチップをCa溶液に浸漬したのち炭化、酸処理すると硝酸性窒素及びフッ素イオンを吸着する炭素材料を作ることができる。本研究では原料として各種植物系廃棄物を用い、同様な手法で炭化物を作成し硝酸性窒素吸着能を調べた。その結果いずれの原料でも吸着能は発現することがわかり、特にコーヒーかすを原料とした場合、木質原料よりもさらに高い吸着能があることがわかった。吸着は塩化物イオンとのイオン交換であり、リン酸イオン、硫酸イオンはほとんど吸着せず、硝酸性窒素とフッ素イオンに対して吸着選択性を有する。金魚水槽を用いた簡易な水質浄化試験では硝酸性窒素を吸着してアオコの発生を抑制することがわかった。そのため、水質浄化材料として利用できることが示唆された。
著者
大澤 啓志 井上 剛 瀧 寛則 屋祢下 亮 天石 文 林 聡 横山 理英
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.87-92, 2018-08-31 (Released:2019-05-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

硝酸イオンを吸着・除去する水質浄化装置の有無による,都市型ビオトープ池の水生昆虫相及び水質や藻類の繁茂状況の影響を検討した。4 年間のモニタリングの結果,15 科29 種の昆虫が確認された。浅場での水生昆虫相の種構成・個体数には大きな差は認められず,装置設置池の方が非設置池よりもトンボ目の多様度指数は高かった。装置を設置した池では,夏季のクロロフィルa 量の極端な増加は生じず,設置後3 年目からは藻類発生の抑制効果が確認された。また夏季の池底最深部の昆虫類群集の極度の貧弱化が抑えられるとともに,池底のヘドロ様の堆積泥厚にも顕著な差が認められた。本装置設置によって池底での夏季の過度の富栄養化が抑制されていた。