著者
高田 潤一 山口 しのぶ 廣瀬 幸夫 山岡 克式
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ラオス人民民主共和国ルアンパバーンでは,伝統的な建造物と植民地時代の建造物が融合した優れた街並みが1995年に世界遺産に指定された.しかし,2007年に行われた世界遺産センターの調査では,違法建築の急増による危機遺産化の懸念が示唆された.従来の手作業による建築許可・管理では十分な情報分析が不可能な状況である.本研究では後発途上国という条件を踏まえた世界遺産管理のための持続可能な地理情報システムの利用に関して研究を行った.
著者
横山 理英 林 聡 岩田 知之 高橋 智紀 高田 潤
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第18回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.128, 2007 (Released:2007-11-23)

ヒノキチップをCa溶液に浸漬したのち炭化、酸処理すると硝酸性窒素及びフッ素イオンを吸着する炭素材料を作ることができる。本研究では原料として各種植物系廃棄物を用い、同様な手法で炭化物を作成し硝酸性窒素吸着能を調べた。その結果いずれの原料でも吸着能は発現することがわかり、特にコーヒーかすを原料とした場合、木質原料よりもさらに高い吸着能があることがわかった。吸着は塩化物イオンとのイオン交換であり、リン酸イオン、硫酸イオンはほとんど吸着せず、硝酸性窒素とフッ素イオンに対して吸着選択性を有する。金魚水槽を用いた簡易な水質浄化試験では硝酸性窒素を吸着してアオコの発生を抑制することがわかった。そのため、水質浄化材料として利用できることが示唆された。
著者
草野 圭弘 福原 実 高田 潤 岡田 輝雄
出版者
倉敷芸術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

金属光沢を有する備前焼および施釉陶器について、模様構成相と微構造を検討した。金属光沢を有する備前焼表面には、厚さ~100nmのヘマタイト(アルファ型酸化鉄、α-Fe2O3)粒子が主に観察された。金属光沢を有する施釉陶器の釉薬表面にも、厚さ~60nmのヘマタイトが生成していることがわかった。これらの金属光沢模様の形成には、冷却時の雰囲気と速度が重要であることがわかった。
著者
草野 圭弘 福原 実 高田 潤
出版者
倉敷芸術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

備前焼作家により制作された金彩備前焼について、表層の結晶相について粉末X線回折および透過型電子顕微鏡観察により検討した。金色は、これまで燃料として用いられる赤松に含まれる炭素が作品表面に付着し、この炭素膜による干渉色によると考えられてきたが、炭素は検出されず、厚さが約100nmの酸化鉄(ヘマタイト、α-Fe2O3)が表面に生成していることが明らかとなった。また、メスバウアー分光測定においても、ヘマタイトの生成を確認した。このヘマタイトとガラス相の散乱光により金色に見える可能性があることがわかった。金彩および銀彩備前焼を制作されている備前焼作家に、金属光沢模様が現れやすい焼成条件について聞き取り調査を行った。稲わらを巻いた作品を登り窯にて酸化雰囲気下で昇温した後、過剰の薪または炭を加え、還元雰囲気下で冷却すると金彩や銀彩模様が現れやすいことがわかった。よって、備前焼表面の金属光沢は、稲わらと反応して生成した液相中に酸化鉄が析出することにより現れると考えられた。作家による焼成条件を基に、電気炉にて再現実験を行った。稲わらの主成分はシリカ(SiO2)であるが、カリウムが約13wt%含まれており、カリウムが備前焼粘土と反応してガラス相が形成すると考えられる。そこで、稲わらの代わりに炭酸カリウム(K2CO3)を用い、大気中にて1230℃まで昇温後、アルゴンガスに一酸化炭素を10%混合したガス中で冷却を行った。現在、生成相の検討および熱処理条件の最適化を行っている。
著者
中西 真 高田 潤
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.484-485, 2012-11-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
4

電磁波吸収材料は,不要な電磁波を効率良く吸収し熱に変換する材料である。電磁波の電界や磁界は物質中の電子が持つ電荷や磁気モーメントと相互作用し,電磁波のエネルギーが電子の移動や磁気モーメントの運動のエネルギーに変換されることで吸収が生じる。特に磁性損失材料の吸収機構である磁気共鳴について解説するとともに,最近の材料の開発動向についても触れる。
著者
内田 有紀子 大石 響子 中西 真 藤井 達生 高田 潤 草野 圭弘 菊池 丈幸
出版者
一般社団法人 粉体粉末冶金協会
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.640-645, 2005
被引用文献数
2 2

We have successfully prepared Carbon/Fe-Co alloy composites starting from metal organic precursors synthesized by polymerized complex method. The carbon/Fe-Co alloy composites were obtained after the carbonization of the precursors heat-treated at ambient pressure and lower temperatures ranging from 500 to 700&deg;C in N<sub>2</sub> gas flow. Crystalline sizes of both carbon matrix and Fe-Co alloy particles were determined by X-ray diffraction measurements as a function of the Co concentration and the carbonized temperature. The alloy particles were widely dispersed in the carbon matrix and the particle size carbonized at 600&deg;C was about 20&sim;50 nm observed by scanning electron microscopy. The composite carbonized at 600&deg;C had very small coercivity of 14 Oe and exhibited relatively large permeability spectra at frequency of GHz range.
著者
三木 雅道 高田 潤 鈴木 道隆 菊池 丈幸
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

ウッドセラミックス(WCS)は,廃木材を原料とし,フェノール樹脂と複合化して低酸素中での熱処理によって得られる炭素系新素材であり,木質由来の易黒鉛化炭素(多くのマクロ孔を有する)とフェノール樹脂由来の難黒鉛化炭素(ミクロ孔の生成に有効)から構成される複合炭素材料である.ウッドセラミックスの製法には2種類あり,中密度繊維板(MDF)に液状フェノール樹脂を含浸させて後,焼成する「MDF法」と,木粉とフェノール樹脂粉を混合後,室温プレスして後焼成する「粉末法」とがある.本研究は,このウッドセラミックスを有害ガスや水分の吸着材として活用することを目指して,その吸着量の指標となる比表面積を上昇させるには,MDF法がよいのか?木粉法がよいのか?さらに,フェノール樹脂の量は比表面積にどのような影響をおよぼすのか?また,原料に用いる木材の種類はどのようなものがよいのか?を調べるために行なった.得られた成果を列挙すると,以下のようになる.(1)同じフェノール樹脂量の場合,粉末法の方がより高い比表面積を得られることがわかった.すなわち,700℃焼成の場合,フェノール樹脂量を30%と一定にした場合,MDF法では,280m^2・g^<-1>,木粉法では,380m^2^<-1>であった.(2)粉末怯の場合,フェノール樹脂粉の量を増加させるにつれて,比表面積も増大した.ただ,100%フェノール樹脂粉にすると,かえって比表面積は低下した.700℃焼成試料の最高の比表面積は,70%フェノーノレ量の場合で450m^2・g^<-1>であった.(3)原料木材の種類が比表面積におよぼす影響を調べた結果,嵩密度の大きいうばめ樫は比較的低温の600℃ですでに330m^2・g^<-1>を示したが,その後800℃まで昇温してもその値はほとんど変わらなかった.一方,嵩密度の小さい針葉樹(松,杉)や竹,広葉樹のアオダモは,600℃で焼成では200-280m^2^<-1>とうばめ樫より低い値を示すが,700℃焼成では330m^2^<-1>とほぼ同じ値に追いつき,800℃焼成ではうばめ樫を追い越して330-450m^2^<-1>となった.このことから,600℃のような比較的低温焼成で大きな比表面積を得るためには,うばめ樫粉末とフェノール樹脂粉末を用いるのがよく,800℃での焼成ではアオダモや杉,松の粉末とフェノール樹脂の粉末を用いれば,高い比表面積を得ることが出来ると考えられる.
著者
阪口 啓 水谷 慶 高田 潤一 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.36, pp.51-58, 2005-05-04
参考文献数
27
被引用文献数
1

本稿では5GHz帯MIMOシステムの研究開発を目的として構築したMIMOソフトウェア無線機を紹介する.本無線機はベースバンド信号処理部に複数のFPGA・DSPを有しており, これらのソフトウェアおよびCPU上に実装された上位レイヤプログラムを書き換えることにより任意のMIMOシステムを実装可能である.また本無線機は5GHz帯において実験無線局免許を有しており, 本ハードウェアを導入することにより実環境において様々なMIMO通信方式の評価や, MIMO伝搬特性の測定を行うことができる.さらにハードウェアドライバとして無線セキュリティマネージャを実装することにより, 安全なソフトウェアのダウンロード, 認証, インストール, 実行管理(電波法に関連するパラメタの監視)を可能とするソフトウェア管理アーキテクチャを実現している.
著者
小川 晃一 高田 潤一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.852-865, 2000-06-25
被引用文献数
43

本論文では, ホイップアンテナと板状逆Fアンテナによって構成された携帯電話用ダイバーシチアンテナについて, それを所持する人体の電磁的影響を考慮して求められるブランチ間相関及び実効利得性をπ/4シフトQPSKの相関係数及び不等中央値として使用することにより, アンテナ特性が影響するシステム利得である移動局のダイバーシチ利得とアンテナ実効利得の両者を同時に評価する指標として, ダイバーシチアンテナ利得(DAG:Diversity Antenna Gain)を新たに導入し, 携帯電話用ダイバーシチアンテナの実効性能と外部環境, アンテナ構成パラメータ及び人体の影響を定量的に評価した.ダイバーシチ合成法としては, 現行ディジタル携帯端末(PDC方式)に用いられている高周波段での切換合成の上限特性を与える検波後選択合成受信(遅延検波), 及びより高い性能が期待できる最大比合成受信(同期検波)の2通りについて解析した.900MHz帯において, ホイップ長, 鉛直方向からの傾き角, 人体と端末の距離, 到来波の状況とダイバーシチアンテナ利得の関係を解析し, これにより, 携帯電話用ダイバーシチアンテナの使用状態における実効性能を調べ, 高いアンテナ性能を得るための条件を具体的に示した.
著者
羽石 操 伊藤 公一 千葉 勇 前川 泰之 新井 宏之 高田 潤一 本間 信一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.95, no.214, pp.45-52, 1995-08-24

本年のIEEEアンテナ伝搬国際シンポジウム(URSI-Meetingと共催)は、6月18日から23日迄の6日間、カリフォルニア州のニューポートビーチのマリオットホテルにて開催された。本シンポジウムにおいては、103-セッションの通常ミーティングが開催されると同時に、3つのワークショップと7つのショートコースが開催された。また、恒例のAP-S Awards Banquetでは各賞の表彰が行われ、日本人関係者としては、石丸先生(ワシントン大学)がDistinguished Achievement Awardを受賞された。
著者
石宮 克教 Ying Zhinong 高田 潤一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.622, pp.61-64, 2006-02-22

5バンド(GSM850/900/1800/1900/UMTS)に対応し、かつコンパクトな折り返しダイポールを提案する。折り返しダイポールの寸法パラメータを変えることにより、周波数を調整し5バンドに対応した。現在市場に出ている4バンド(GSM900/1800/1900/UMTS)アンテナよりも高さを低く抑えることが出来た。本稿ではアンテナ構造を述べた後、特性についてシミュレーション結果と実測結果の比較を示す。