著者
横田 雅弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.19-24, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)

2000年にデンマークの野外ロックフェスティバルの片隅で始まった人を貸し出す図書館「ヒューマンライブラリー」は,瞬く間に世界中に広がり,現在は世界90か国以上で開催されている。日本でも大学を中心に図書館での開催もあり,筆者はゼミ活動として主催して今年9回目を迎える。すでに全国で100回程度開催されていると思われる。2017年10月には日本ヒューマンライブラリー学会も立ち上がり,研究関心も高まってきた。この仮想の「図書館」では,いったい何が行われ,何が起こっているのか。偏見の低減にも効果があるとされるこの催しの意味と効果について述べる。
著者
横田 雅弘
出版者
言語文化教育研究学会:ALCE
雑誌
言語文化教育研究 (ISSN:21889600)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.33-44, 2018-12-31 (Released:2019-05-12)

2000年にデンマークで始まり,あっという間に世界90か国以上で実施されるまでに広がったヒューマンライブラリー(「人を貸し出す図書館」)の実際を,筆者がおよそ10年にわたって実施してきた明治大学の事例を基に考察した。特に,文部科学省科学研究費を得て行った「読者」の偏見低減効果に関するアンケート調査の結果と「司書」となったゼミ学生にどのような教育効果があったかを中心に分析した。また,ヒューマンライブラリーの多様な効果と豊富な応用可能性については,このイベントが質の良いナラティブを生み出す構造をもっているためではないかと考え,これまでの筆者の経験から,その応用可能な領域をまとめた。
著者
太田 浩 芦沢 真五 渡部 由紀 野田 文香 新田 功 横田 雅弘 堀田 泰司 上別府 隆男 杉本 和弘
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

欧州で進行中の大学評価プロジェクトであるNufficのMINT、CHRのIMPI、IAUのISAS、ACAのAIMの開発者と利用した大学に聞き取り調査を行うと共に文献調査を行い、プロジェクト間の相違点、課題、利点などを明らかにした。そのうち、IMPIが開発した国際化評価の489指標を翻訳し、日本の文脈に照らして妥当と判断される152の指標を使い、質問紙調査を日本の228大学に対して行った。調査で収集したデータの分析結果に基づき、日本の大学国際化の評価に関する現状と今後の評価のあり方、及び日本の大学にとって最も有効性が高いと考えられる指標群、また有効性が高くないと考えられる指標群を明らかにした。
著者
横田 雅弘 坪井 健 白土 悟 太田 浩
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

平成16年度は、アジア太平洋諸国7ヶ国で留学生政策に関する調査を行い、75人にインタビューした。その記録は、中間報告書「アジア太平洋諸国の留学交流戦略の実態分析と中国の動向」として平成17年3月にまとめた。この成果については、独自に立ち上げたホームページにおいても全文を掲載している。アドレスは以下の通りである。http://www.george24.com/~yoko39/publications.htm研究成果の発表としては、平成17年5月の異文化間教育学会年次大会でポスターセッションを行ったほか、平成17年7月のJAFSA(国際教育交流協議会)サマーセミナー基調講演、平成17年12月の早稲田大学21世紀COEプログラム第4回国際公開シンポジウム、平成18年3月のCIES比較国際教育学会50周年記念大会(ホノルル)、平成18年6月の中央教育審議会での参考意見提供、平成18年8月JAFSAサマーセミナーの分科会等で発表した。平成17年から18年にかけて、全国四年制大学に対して国際化と留学生政策に関する質問紙調査を行なった。50.5%という高い回収率を得て、その結果を最終報告書「岐路に立つ日本の大学〜全国四年制大学の国際化と留学交流に関する調査報告〜」としてまとめた。データからは、国際化のビジョンやミッションを持っている大学が極めて少ないこと、国際部門の専門職育成に熱心ではないこと、国立大学が国際化に熱心であり公立大学はあまり関心をもっていないこと、オフショア・プログラムがアジア諸国に比べて全く低調であること、留学生を日本社会の高度人材として捉えていないこと、受入れと送出し国の関係が大きく変化していることなどが判明した。激動するアジアの留学交流の渦の中で、日本はどのような視座でこれを見極め、どのような政策をとっていくべきなのかに関して、何がしかの参考資料を提供できたと考える。