- 著者
-
横田 雅弘
坪井 健
白土 悟
太田 浩
- 出版者
- 一橋大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2003
平成16年度は、アジア太平洋諸国7ヶ国で留学生政策に関する調査を行い、75人にインタビューした。その記録は、中間報告書「アジア太平洋諸国の留学交流戦略の実態分析と中国の動向」として平成17年3月にまとめた。この成果については、独自に立ち上げたホームページにおいても全文を掲載している。アドレスは以下の通りである。http://www.george24.com/~yoko39/publications.htm研究成果の発表としては、平成17年5月の異文化間教育学会年次大会でポスターセッションを行ったほか、平成17年7月のJAFSA(国際教育交流協議会)サマーセミナー基調講演、平成17年12月の早稲田大学21世紀COEプログラム第4回国際公開シンポジウム、平成18年3月のCIES比較国際教育学会50周年記念大会(ホノルル)、平成18年6月の中央教育審議会での参考意見提供、平成18年8月JAFSAサマーセミナーの分科会等で発表した。平成17年から18年にかけて、全国四年制大学に対して国際化と留学生政策に関する質問紙調査を行なった。50.5%という高い回収率を得て、その結果を最終報告書「岐路に立つ日本の大学〜全国四年制大学の国際化と留学交流に関する調査報告〜」としてまとめた。データからは、国際化のビジョンやミッションを持っている大学が極めて少ないこと、国際部門の専門職育成に熱心ではないこと、国立大学が国際化に熱心であり公立大学はあまり関心をもっていないこと、オフショア・プログラムがアジア諸国に比べて全く低調であること、留学生を日本社会の高度人材として捉えていないこと、受入れと送出し国の関係が大きく変化していることなどが判明した。激動するアジアの留学交流の渦の中で、日本はどのような視座でこれを見極め、どのような政策をとっていくべきなのかに関して、何がしかの参考資料を提供できたと考える。