著者
福島 裕人 橋元 慶男
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.75-82, 2014-08-02 (Released:2017-07-21)

人がどのような種類の笑いを好んでいるかという,笑いの傾向を測定するための「笑いの態度尺度」の試作を行った。予備調査では大学生39人を対象に(1)積極的に相手を笑わせる,(2)積極的に自分が笑うことを好む,(3)人に合わせて愛想笑いをするという観点から質問項目を設定し,因子分析によって項目選定を行った。本調査では大学生119人を対象に予備調査で作成した項目を用い,傷つけ合い回避尺度と日本版GHQ精神健康調査票との関連を検討することで,本尺度の構成概念妥当性について検討した。その結果,3因子19項目が採用され,それぞれ「人の笑い話によく反応する」などの“受け身的笑い”因子,他者を積極的に笑わせようとする“積極的笑わせ”因子,「たいしておかしくもない冗談に笑顔で返す」などの“愛想笑い”因子と命名した。内的信頼性や構成概念妥当性の検討では,概ね良好な結果が得られたと考えられた。しかしまだまだ不十分な点も多く,今後更に精度を高めていくことが期待される。
著者
橋元 慶男
出版者
国際アジア文化学会
雑誌
アジア文化研究 (ISSN:13405411)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12, pp.118-132, 2005-06-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
著者
橋元 慶男
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.4, 2018 (Released:2018-07-26)
参考文献数
7

:笑いの効果には、①生理的効果(ストレス解消効果、坑炎症効果、鎮痛効果、抗ガン効果等)、②心理的 効果(気分転換の効果、緊張の緩和、カタルシス効果)、③社会的な効果(対人間の距離を縮め、社会的な相互 作用を促進する効果、集団の凝集性、仲間意識を強める)などが上げられている1)。Norman Cousins は1964 年 強直性脊椎炎の難病で10 分間の笑いが2 時間以上の痛みのない睡眠をもたらし難病を克服し社会復帰した笑い の効用が報告されている。カタリア博士の創案したLaughter yoga による心身に及ぼすストレス軽減効果とスト レスを緩和する睡眠との相関性も考察する。
著者
橋元 慶男
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.8, pp.9-19, 188, 2001-07-14

カウンセリングとユーモアとは如何にも相容れない概念として受け止められがちであるが、笑いに関する過去の偉大なセラピストたちの視点をたどり、また認知療法としてのユーモアのカウンセリング場面における活用を現代的視点から考察してみたい。カウンセリング場面におけるカウンセラーとクライアントとのラポール形成は重要であるが、クライアントに与えるカウンセラーの人間性への共感の底流にユーモアを共有し合う過程が存在する様に思うので、その視点からの考察と、クライアントのストレス反応へのストレスコーピング(対処法)としてのユーモアや笑いの考察をしたい。また、実際のカウンセリング場面における具体的なユーモアを活用してのレスポンス(応答)にも言及したい。