著者
田中 弥生 武田 晴人 山内 直人 三好 皓一 高橋 淑郎 西出 優子
出版者
独立行政法人大学評価・学位授与機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

非営利組織には、営利組織の利潤に匹敵するような業績判断基準が不在であること、それゆえに非営利組織の経営が困難であることを最初に指摘したのはP.F.ドラッカーであった。たしかに、評価の不在が、非効率な行動を招き、成長の機会を逃している。そこで、ドラッカーの非営利組織論の原点に立ち返りながら「社会変革性」「市民性」「組織安定性」の3つの基本条件を軸に、非営利組織の評価基準を作成した。まず、NPOセクターの現状分析を行なうべく、定量・定性的な分析を行なった。財務データベースをつくり、財政的な持続性にかかる財源の種類など要因分析を行なった。その結果、非営利組織の場合には、収益事業収入に加え、寄付や会費などを組み合わせたほうが財務的な持続性が高いことがわかった。またアンケート調査を実施した。その結果、社会変革の担い手になりたいという願望を持ちながらも組織体制や技術面で不十分なこと、さらには、社会的な信頼性が低く、市民との関係性がより希薄になっていることがわかった。次に、研究者および実践者によるチームを編成し、先の現状分析結果を踏まえ、社会的なイノベーション力を備えた望ましい非営利組織像に到達するためには、どのような条件を満たすことが求められるのか議論した。そして、評価基準策定工程をデザインし、先の議論からエッセンスを抽出し、33の評価基準にまとめた。また、33基準を満たしていることを確認するための105の自己チェック項目もデザインした。これらの研究成果は、6本の研究論文、4冊の図書にまとめられ、5回の学会発表、8回の講演で発表された。なお、研究成果を非営利組織が活用できるよう、これらの基準とチェック項目を「エクセレントNPO基準」と名付け、2冊のブックレットにまとめた。さらに、フォーラム、講演などで説明を行ったが、5大紙、雑誌などで取り上げられた。また、2011年1月には本評価基準を普及すべく、推進母体として「エクセレントNPOをめざそう市民会議」を発足させた。
著者
武田 晴人
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.30-56,ii, 1980-08-30 (Released:2009-11-06)
被引用文献数
1

In 1917, the Furukawa family established a family-dominated Konzern, consisting of Furukawa Gomei as the group's holding company, Furukawa Mining, Tokyo-Furukawa Bank and Furukawa Shoji in foreign trade. In the first two years of its operation, the Konzern expanded itself remarkably relying on bank loans. But in the spring of 1920, Furukawa Shoji went to bankruptcy, because it lost heavily in bean speculation in Dairen. In order to make up the loss of 26 million yen, Furukawa Gomei had to dispose of its assets, mainly stocks of its subsidiary companies. Moreover, Furukawa reduced its business and gave up foreign trade activities in 1922 and banking activities in 1931. Thus, the main business of Furukawa became nothing more than mining. As a result, the development of Furukawa-Zaibatsu was retarded and it lagged far behind the other major Konzerns such as Mitsui and Mitsubishi.
著者
武田 晴人
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、横浜正金銀行の経営資料を用いて両大戦間期の日本の対外金融が日本企業の経営にどのような役割を金融面から果たしたのかを明らかにすることを目的とし、横浜正金銀行の融資先業の中から、両大戦間期に重要な地位にあったと考えられる貿易商社や対外投資などのため設立された国策会社を対象に選び実証的な研究を行った。その結果、正金銀行の資料群からこれまで明快ではなかった貿易商社等の資金面での問題が明らかとなった。
著者
武田 晴人
出版者
三菱経済研究所
雑誌
三菱史料館論集 (ISSN:13453076)
巻号頁・発行日
no.14, pp.21-53, 2013