著者
岸本 美紀 武藤 久枝 岡崎女子大学 中部大学
雑誌
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学 研究紀要 (ISSN:21882770)
巻号頁・発行日
no.52, pp.39-46, 2019-03-15

本研究は、保育者が保護者支援で抱える困難感の内容と構造について、保護者支援の難しさや大変さに関する先行研究の記述を抽出し、分析を行った。記述をカテゴリー化した結果、最終的に「保護者自身に起因する困難感」、「保育者自身に起因する困難感」そして保育者と保護者の「関係性に起因する困難感」の3 つのカテゴリーに分類された。また、困難感の内容については、「保護者自身に起因する困難感」に関するものが最も多く、保護者の養育態度や特徴から困難感が生じると捉えている保育者が多いことがうかがえた。今後の課題として、保護者の言動や特徴を捉えた支援の仕方について検討し、保育者に示していく必要性が考えられる。
著者
武藤 久枝 加藤 孝正
出版者
中部大学現代教育学部
雑誌
現代教育学部紀要 = Journal of College of Contemporary Education (ISSN:18833802)
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-21, 2017-03

本研究の目的は、幼児期の動的学校画(Kinetic School Drawings、 KSD)の人物像の特徴に関する実証的知見を得ることである。保育所年中児298名に対して集団でKSDを実施した。そのうち、本人、友達、先生の3者が描かれた80名のKSDを分析対象として、1)人物像の人数(友達の数、先生の数) 2)描画順位 3)活動内容 4)シンボル(花、木・草、家、蝶、ハート、魚、印) 5)スタイル(包囲、鳥瞰図、透視画、区分化、エッジング) 6)自己像の位置 7)一番大きい人物像 8)高い位置の人物像 9)自己像に最も近い人物像 10)描画水準 11)基底線と太陽について性別の出現を検討した。その結果、性差が認められたのは活動内容、シンボル、スタイルであった。女児がシンボルを描く割合は男児よりも有意に高く、その種類も多かった。また、女児の活動内容における「ブランコ・鉄棒」の出現、およびスタイルにおける透視画の出現はそれぞれ男児よりも有意に高かった。
著者
武藤 久枝 平松 夕奈
出版者
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:09168400)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.15-25, 2004-03-25

人間福祉学科の一期生47名を対象として初めての介護実習に参加する動機づけを実習参加直前と直後において5段階評定尺度によって把握し、その後の学習に及ぼす影響を検討した。その結果、1)実習参加前では実習に対する不安感や緊張感を強く感じながらも学習意欲は高かった。2)実習後では良い介護を身につけたいとの学習意欲が高まったものの、実習時期が早くて事前準備が不十分としていた。3)実習前と後における共通内容の質問を比較した結果、とくに変化が大きかったのは実習は楽しかったことと自信がついた点であった。肯定的心構えの項目を中心にほとんどの項目で肯定的に変化していた。以上から、学生は実習経験を有意義に意味づけるよう変化した。今後の課題として、学生が自己の実習体験を肯定化して内在化していく過程をカリキュラム編成につなぐことである。