著者
飯塚 重善 西井 正造 谷本 英理子 中沢 大 小高 明日香 武部 貴則
出版者
一般社団法人 人間生活工学研究センター
雑誌
人間生活工学 (ISSN:13458051)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.46-53, 2020-09-30 (Released:2022-07-13)
参考文献数
32

来院者の病院での体験価値向上に向けて,患者が病院での待ち時間あるいは待つこと,待たされることに対してどのような捉え方をしているかに注目した.待ち時間に対する捉え方により,待ち時間を過ごす際の感情的反応は変化すると考えられ,このような関係を明確にできれば,待ち時間を過ごす際に生じる否定的な感情を軽減し,待つ側の患者の捉え方を良い方向に向けていく方策に結びつく可能性があると考えた.本研究はこの視点に立ち,来院者の院内での過ごし方を詳細に把握することを目的に,大学医学部卒業者の協力を得て参与観察的に行った調査を基にジャーニーマップとメンタルモデルを作成し,「感覚的な待ち時間」の短縮に向けた検討を行った.
著者
武部 貴則
出版者
横浜市立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

人びとの健康行動の持続的誘発には、対象属性に応じたコミュニケーションが重要である。広告医学という新規概念を提案し、デザインやコピーライティングなどといった、わかりやすく、人々に影響を与える広告的視点を取り入れることで、生活する人々の行動変容を実現するコミュニケーション研究を進めている。本研究では、広告医学の基礎概念実証を目指し、運動量の増加を目指した介入施策を複数デザインし、それらによる歩行量の増加を実証した。本年度における成果を礎に、今後も広告医学の概念に基づくアイテム開発・実証実験を継続していくことで、疾病予防に大きく寄与する独創的なコミュニケーション手法が生み出されるものと期待される。
著者
武部 貴則
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

われわれは、マウス細胞とヒト細胞とを特定条件下で培養を行うことにより、マウスmRNAがヒト細胞に受け渡されていることを見出した。本研究では、われわれが世界で初めて発見した異なる細胞種間の直接接触を介したmRNAの伝搬機構の解明を通じて、細胞の運命を転換するための全く新たな細胞操作技術を構築する。今後、遺伝子編集を伴わない安全かつ安定な細胞を創出できるばかりか、未解明な細胞間相互作用に関わるさまざまな生命現象、例えば、正常幹細胞とニッチ間相互作用、ガンと間質間の相互作用など 、近年着目されている多細胞間相互作用に関する研究を全く新たな視点から切り込むための基盤原理へと昇華する可能性がある。