著者
水上 尚典
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.53-57, 2009 (Released:2009-07-07)
参考文献数
23

葉酸代謝拮抗薬(トリメトプリム,トリアムテレン,抗けいれん剤等)は神経管閉鎖障害児妊娠等の危険を押し上げる.妊娠前からの葉酸サプリメント服用はこれら奇形の危険を減少させるとともに,ダウン症児妊娠を減少させる可能性がある.葉酸入りビタミン剤の長期服用は高血圧,大腸癌,乳癌の発症抑制の可能性が指摘されている.高ホモシスティン血症は血栓症,心筋梗塞,痴呆,鬱血性心不全,骨粗鬆症性骨折等の危険因子であるが,葉酸強化食品の摂取は中高年の血中ホモシスティン濃度を低下させる.したがって,葉酸サプリメント服用はこれら疾病予防に効果が期待できる.実際,高齢日本人において葉酸とビタミン B12 服用が骨折予防に有効であることが証明された.葉酸含有天然食品からの葉酸摂取は赤血球内葉酸濃度上昇に関して葉酸サプリメント服用に比し有効でないことが証明されている.葉酸状態改善のためには葉酸サプリメント服用が強く勧められる.
著者
安達 真由美 水上 尚典 半田 康 多賀 昌江
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

一般に、外部の音は子宮に届きにくいが250 Hz(真ん中のドあたり)以下の音は届く。本研究では、チェロの曲を用い、妊婦がヘッドフォンを通して聴いている時と、妊婦が波のような音を聴いている間にスピーカーを通して音楽が提示された時の胎動の様子を、聴覚システムが完成する以前(27週齢以前)と以降(28週齢以降)で、18組の妊婦と胎児を対象に縦断的に比較した。その結果、28週齢以降において、ヘッドフォン提示時よりもスピーカー提示時の方が、安静時よりも頻繁に四肢が動いていた。また、28週齢以降には、妊婦がヘッドフォンで楽しい音楽を聴取しているときよりも優しい音楽を聴取しているときの方がより動いていた。