著者
水原 道子 島崎 千江子 野波 侑里 溝口 正
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前女子短期大学大手前栄養製菓学院研究集録 (ISSN:09103767)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.193-204, 2001

本研究は日本の伝統的な料理"ぼたん鍋"のイノシシ肉についての知見を得ようとしたものである。猪名川流域にある丹波および篠山地域は上質のイノシシ肉を供給することでよく知られている。イノシシ肉卸業者はこの地域の特定の猟師達が仕留めたイノシシ肉のみを購入する。3才くらいの成熟獣、オスで50kgほどの重さのイノシシが良いとされている。メスイノシシは秋の出産後であるため次の年明け以後でないと適さない。年配のヴェテラン猟師達はほとんど男性であり、収入を得るためではなく趣味としてイノシシ猟をしている。狩猟免許(脚注、後述)を所持する者が狩猟犬をもって固有の集団を形成する。彼等は生臭さを与えず良好な味わいのあるイノシシ肉のさばき方をわきまえている。素人ハンターや事故で命を落としたイノシシ肉は購入しない。