著者
水口 聡
出版者
愛媛県農林水産研究所
雑誌
愛媛県農林水産研究所企画環境部・農業研究部研究報告 (ISSN:18837395)
巻号頁・発行日
no.8, pp.9-18, 2016-03

'媛育73号'の白米を消費者等に配布し,家庭等で普段どおりに炊飯し、試食するアンケート調査(ホームユーステスト)を実施した。多くの消費者が米を選ぶ基準は「品種」,「産地」,「価格」,「味」で,特に女性や高齢者で顕著であった。'媛育73号'は半数以上で高評価であり,特に女性および50歳以上の年齢層に好まれる傾向が認められた。また,「味」にこだわって米を購入している消費者のほうが,'媛育73号'を高く評価することが明らかとなった。
著者
水口 聡 渡辺 久 川崎 哲郎
出版者
農業施設学会
雑誌
農業施設 (ISSN:03888517)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.165-172, 2004

愛媛県のカーネーション農家における収穫・出荷の現状を把握し, 問題点を明確にするとともに,「蕾開花促進 (BAA)」と命名した蕾の開花速度の加速による開花促進処理法の出荷調節への適応性を検討した。愛媛県内の篤農家の現状を調査したところ, 母の日直前には低温貯蔵が行われ, 出荷本数は通常の2.8倍になっていた。年間出荷本数の14%にあたる多くの花が母の日用出荷に間に合わず蕾状態で圃場に残留していた。1℃および5℃における1週間の低温貯蔵は花弁のピンク色の鮮やかさを低下させ, 葉の色調を黄化させた。1℃で1週間貯蔵すると, 花弁に障害が発生した。5℃で1週間貯蔵すると, 満開時の花径が小さくなり, 花持ちが短くなった。BAAにより蕾段階から出荷適期に到るまでの日数が短縮できた。BAAによる花弁色調の変化はほとんどなく, 葉の緑色をより鮮やかにした。ステージ1から蕾開花促進させた場合, 花径が小さくなった。BAAに花持ち延長効果は認められなかった。これらのことより, 処理条件の改良は必要であるが, カーネーションの出荷調節法として, BAAはきわめて有効な技術となりうることが示唆された。
著者
丸山 広達 水口 聡 友岡 清秀 谷川 武
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.85-89, 2019 (Released:2019-04-23)
参考文献数
27
被引用文献数
1

愛媛県農林水産研究所では, 一般的な米飯に比べ, 食後血糖の上昇が抑えられる高アミロース米「ホシニシキ」を県の気候において, 収量や食味などが優良だと想定される有望品種とした。そこで本研究では, 愛媛県で栽培したホシニシキのグリセミックインデックスの評価を行った。本研究は, 日本Glycemic Index研究会のプロトコルに基づいて, 21‐48歳の健常男性8名を分析対象とした。基準米を計2回, 愛媛県で栽培したホシニシキを1回摂取し, 各米の摂取後2時間までの血糖値を測定してその曲線下面積 (incremental area under the curve: IAUC) から, グリセミックインデックスを算出した。基準米2回の平均IAUCは4872.50分・mg/dL, ホシニシキのIAUCは4015.31分・mg/dLであった。以上の結果から, 愛媛県の気候において栽培した高アミロース米ホシニシキは, 白米に比べて86.2というグリセミックインデックスを示した。