著者
松田 宙 水島 恒和 西村 潤一 清水 重臣
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

オートファジーの減弱は、過剰な炎症応答を介して腸管炎症に影響することが知られ、オートファジー誘導が腸炎緩和に寄与するとの報告がある。そこで、天然成分ライブラリよりオートファジー活性物質をスクリーニングした内、腸管炎症緩和効果を有する3物質を同定した。最も活性の高かったサンプルAでは、腸管マクロファージにおいて、オートファジーの誘導を介した炎症性並びに抗炎症性サイトカインの産生調整が腸炎緩和に寄与したことを確認した。さらには、サンプルAに含まれるエラグ酸、ガリル酸、カテキン酸といったタンニン類がオートファジー誘導を介した腸炎緩和に主要な役割を担うことが示唆される結果を得た。
著者
水島 恒和 伊藤 壽記 竹田 潔 中島 清一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

炎症性腸疾患(IBD)患者の炎症部では、マクロファージ様の形態を呈し、単球系マーカーのCD14 と樹状細胞マーカーの CD11c 両者が陽性である CD14+CD11c+細胞が増加していた。IBD 患者の非炎症部において、CD14+CD11c+細胞は非 IBD 患者と著変を認めなかった。CD14+CD11c+細胞は、腸管粘膜固有層において CD14-CD11c+細胞,CD14-CD11c-細胞に比し、有意に Th17 細胞を誘導していることが明らかになった。