著者
水本 光美
出版者
北九州市立大学
雑誌
基盤教育センター紀要 (ISSN:18836739)
巻号頁・発行日
no.16, pp.19-43, 2013-03

日本語教科書においては、多数の男性が社会的地位の高い知的職業に従事し、女性は主にサービス業や小売業などで社会を支えるという構図が印象づけられている。一方、政府による調査結果によれば「医療」と「教育」の分野では女性就業者が多く、技術・専門職が事務職より多い。医療分野では若い世代の女性の活躍が顕著である。アンケート調査でも、日本語教育者の大半が教科書の偏った描写法に問題意識を持っていることが確認できた。
著者
水本 光美 福盛 壽賀子 高田 恭子 福田 あゆみ
出版者
北九州市立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

研究最終年度である本年度の以下の研究は、ほぼ計画通り進行した。(1)データ収集と分析の補完 (1)ロールプレイによる20代前半と40代の女性同士の会話(2)放送中の外国ドラマ(吹き替え)(2)ジェンダー・フィルタの類型化 (1)脚本家へのアンケート調結果の分析(2)(1)に潜むジェンダー・フィルタの分析(3)研究成果発表:論文3稿・国際シンポジウム発表1件過去2年間の研究成果と今年度の調査結果を比較分析し考察することにより、次の点を豊富なデータにより実証出来たことは、社会言語学、メディア言語研究において、学術的にも大いに意義のあることであり、その点で、今後の研究の発展に貢献することが期待される。(1)テレビドラマに見られる自己主張の場で突如、若い女性が女性文末詞を使用する傾向は、実際の若い世代の女性たちの会話には認められない。(2)現代の若い世代の女性とテレビドラマの中の同世代の登場人物との女性文末詞使用状況には、明確な差が存在しているが、脚本家の3分の2近く(61%)が実際に話されているかどうかより、登場人物のキャラクターが伝わりやすい話し方、および状況設定に合わせて話し方を選択している。(3)脚本家は現実より登場人物のキャラクターや状況を重視した言葉遣いを選択し、キャラクターのデフォルメの道具として意識的に女性文末詞を用いている。(4)(3)は意識的、無意識的に拘わらず、脚本家のジェンダー意識によるところも否めない。(5)20%の脚本家は、現実社会における女性文末詞使用の世代変化を認識し、自身のドラマには現実を反映させている。
著者
水本 光美
出版者
北九州市立大学
雑誌
基盤教育センター紀要 = Bulletin, Center for Fundamental Education (ISSN:18836739)
巻号頁・発行日
no.9, pp.55-80, 2011-03

現在の若い世代の女性標準語話者は女性文末形式を特殊な場合以外は使用しない。しかし、日本語教科書やその他教材においては、若い世代の女性登場人物は多用する。これに関して日本語教師の意識調査を実施したところ、3割近くは教材の現状を肯定しており、ジェンダー意識に基づいた理由を挙げる者もいる。しかし、7割以上が現状に即していない使用は避けるべきだという調査結果から、教科書は現状を反映する時期が来ていると考える。