著者
野口 啓介 水澪 不雄 山口 尚 奥村 善久 別段 信一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.402-409, 1999-03-25
被引用文献数
7

小形アンテナの一つとして2線式メアンダラインアンテナ(2線式MLA)を取り上げ, その広帯域化について検討を行っている.素子を2線式にすることによりバランスモードとアンバランスモードの二つのモードの電流を流すことができ, 放射抵抗のステップアップとバランスモードのインピーダンスの反共振特性を利用することによってアンテナ自身で広帯域化が可能となる. 入カインピーダンスを放射抵抗, Q, 共振周波数を使って表し, その式において周波数の変化率を表すパラメータuを導入することにより広帯域化について考察している. 広帯域化に必要なバランスモードとしての平行2線の特性インピーダンスを20Ω程度まで小さくする必要があり, そのためにはストリップ導体を用いたメアンダラインの構造が有利であることを示している. 更に試作, 実験を行い, 高さ0.11波長の2線式MLAで, VSWRが1.5以下の場合において比帯域幅7.2%が得られている.