著者
星 博幸 山口 尚之 吉田 武義
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.551-566, 2023-11-03 (Released:2023-11-03)
参考文献数
81

One of the tectonic features that characterizes the Miocene geology of Northeast Japan is crustal block rotation during and after the opening of the back-arc Sea of Japan. However, the spatial and temporal characteristics of this block rotation are not well understood. A better understanding of this block rotation would shed light on the Miocene tectonic evolution of Northeast Japan. We carried out geological mapping and geochronological and paleomagnetic analyses to determine the timing of block rotation on the southern margin of the Asahi Mountains, on the back-arc side of Northeast Japan. We present a geological map and chronostratigraphic model of the lower-middle Miocene strata and redefine two lower Miocene formations. K-Ar dates show that andesite dikes and sills were intruded at ~15 Ma. The crust beneath the study area was rotated counterclockwise relative to the Asian continent, although it was broken into blocks with varying degrees of rotation. In the eastern part of the study area, counterclockwise rotation of ~40°-50° relative to the continent occurred between 17.5 and 15 Ma. Rotation probably did not occur during the earlier development of intra-arc rift basins. The timing of the rotation overlaps with that of the formation of the Myozawa Syncline, which is a growth fold that formed during the deposition of shallow marine sediments during the latest early Miocene. Complex block rotation in a possible dextral transtensional regime in the Asahi Mountains was likely confined to a period of 2 Myr between 17 and 15 Ma. This block rotation probably occurred during the late stage of the opening of the back-arc Sea of Japan.
著者
山口 尚 YAMAGUCHI Sho
出版者
名古屋大学情報科学研究科情報創造論講座
雑誌
Nagoya journal of philosophy (ISSN:18821634)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-30, 2019-09-16

本稿は〈リチャード・ダブル論〉と〈自由意志の概念工学への批判〉の二側面をもつ。すなわち本稿は、一方で、自由意志と道徳的責任の哲学における極端な相対主義者リチャード・ダブルの思想的発展を(1)非実在論の主張(2)メタ哲学的相対主義の提示(3)自由意志論の心理学化の提唱という三段階に分け、彼の全体的思想をアウトラインする。他方で、ダブルの立場の考察から《自由意志や道徳的責任に関する私たちの概念枠組みは簡単に改訂されうるものではない》という洞察が得られるのだが、かかる洞見はいわゆる「自由意志の概念工学」の理解を批判的に深めることに繋がる。本稿の終盤では、私たち自由意志の概念工学者が、或る意味で「十中八九、敗れ去る」ことが指摘される。そして、こうした限界を見据えることによって却って自由意志の概念工学の使命が明らかになる、と言いたい。
著者
坂倉 有紀 山口 尚子 大中 佳子 吉田 啓子
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.16, pp.37-42, 2009-03-31

Listeriosis has been positioned as one of the important foodborn infections. This study investigated the behavior of Listeria innocua in foods prepared by vacuum-packed pouch cooking. In corn potage soup, Listeria innocua increased 2 log at 2℃ and 6 log at 10℃ after 10 days. The growth of Listeria innocua was slightly inhibited in the vacuum-packed pouch. The addition of 0.1% acetic strongly the growth of Listeria innocua.
著者
阿部 博行 菊池 慎一 吉田 孝行 山口 尚之 酒井 敏行
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.553-557, 2019 (Released:2019-06-01)
参考文献数
12

トラメチニブは抗がん剤として世界で初めて承認されたMEK阻害薬である。しかし,我々は始めからMEK阻害薬の開発を目指したわけではない。細胞周期抑制因子p15INK4bの発現を上昇させる化合物探索のために開発したフェノタイプスクリーニングによってリード化合物を見出し,がん細胞増阻害活性を指標に医薬品として構造最適化することによってトラメチニブ創製に至った。後に,その標的分子はMEKであることを明らかにした。本稿では,first-in-classの分子標的薬トラメチニブの創薬研究とがん治療における臨床的意義について紹介する。
著者
太田 紘史 山口 尚
出版者
応用哲学会
雑誌
Contemporary and Applied Philosophy (ISSN:18834329)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1001-1017, 2009-07-27

Ned Block has dedicated himself to many topics of philosophy of mind in the past thirty years. We survey his contribution to the philosophical investigations of mind, consciousness and qualia by taking up principal papers contained in his Consciousness, Function, and Representation: Collected Papers, Volume 1 (2007, Cambridge, MA: MIT Press). The article is divided into five sections. In section 1, we explain what functionalism is and take up Block’s refutation of this position. In section 2 and 3, we introduce Block’s analysis of consciousness based on his anti-functionalism and consider how he applies this analysis to several new findings in contemporary scientific consciousness research. In section 3, we consider a series of his arguments against representationalism. In section 4, we formulate the harder problem of consciousness which Block regards as an obstacle to his position.
著者
今村 明 金替 伸治 山本 直毅 船本 優子 田山 達之 山口 尚宏 黒滝 直弘 小澤 寛樹
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.679-686, 2017-07-01

近年,統合失調症をはじめとしたpsychosis への移行が危ぶまれる状態を,「精神病リスク状態at︲risk mental state( ARMS)」と呼ぶことが増えており,それについて盛んに研究報告がなされている.ARMS は「脆弱性グループ」「減弱精神病グループ」「短期間間欠型精神病症状グループ」の₃ つのグループで構成される.ARMS は,必ずしもpsychosis へと移行していくものではないことがわかってきており(移行は₃₀〜₄₀%程度),それ自体に対応を必要とする状態像の一つとして考えられている.ARMS に対しては,まずは心理社会的治療が推奨されるが,早期に薬物療法を開始する場合もある.
著者
野口 啓介 水沢 丕雄 山口 尚 奥村 善久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-2, 通信2-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.777-783, 1997-09-25
参考文献数
13
被引用文献数
1

携帯無線機器に用いられる小形アンテナの一つにヘリカルアンテナがある. へリカルアンテナの直径および軸長が波長に比べて小さい場合, 励振されるモードは垂直モードとなり, モノポールと同様の指向性をもち, 偏波は直線偏波をとる. 0.1波長程度より小さい小形のへリカルアンテナでは放射抵抗が小さく, Qが大きくなり, インピーダンス整合が問題となる. 本研究では, 垂直モードヘリカルアンテナについて2線式とし, その場合のインピーダンス特性について解析している. へリクスを2線式にすることによりアンバランスモードとバランスモードとの複合モードの利用が可能となる. その結果, 放射モードであるアンバランスモードのインピーダンス成分をステップアップできること, 非放射モードであるバランスモードのインピーダンス成分がインピーダンス整合に寄与できることが明らかとなった. また数値解析の結果は実験により確認している.
著者
野口 啓介 水澤 丕雄 山口 尚 奥村 善久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.95, no.354, pp.35-40, 1995-11-16
参考文献数
10

現在用いられている小形アンテナの一つに1線式へリカルアンテナがあり, 携帯電話, PHSの携帯端末用アンテナの一部として使われている. ヘリカルアンテナの高さが波長に対して小さい場合垂直モードで動作し, 微小ダイポールと同様な放射指向性を持つことが知られている. しかし1線式ヘリカルアンテナでは整合がとりにくいこと, 広帯域化が困難であることなどの問題点がある. 本論文ではヘリカルアンテナの整合および周波数帯域を改善する手法の一つとして2線式ヘリカルアンテナを提案する. 解析手法はモーメント法を用い, ヘリカルアンテナのパラメータを変化させ整合および広帯域化の方法についで検討する. さらに2線式ヘリカルアンテナの試作実験を行い理論値との比較を行う.
著者
山口 尚秀 宮崎 久生 神田 晶申 大塚 洋一
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.944-949, 2002-02-20

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