著者
奥村 善久 中村 親市
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.150-156, 1962-03-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
8

近年, テレビの見通し外遠距離伝送の要求がさかんになり, その研究も各方面で実施されてきているが, 果してどの程度の可能性があり, 特性上どんな問題があるかはあまりよく知られていない.見通し外伝送の方法には, 大別して対流圏散乱波と山岳回折波を用いる二つの伝搬様式があるが, テレビ伝送の特性上異なる点が多い.そこで本文では, 主として山岳回折伝搬によるテレビ伝送の問題に関して, まずその伝搬特性を概説し, 遠距離山岳回折回線においてテレビの伝送特性を測定した結果と, その改善対策について述べてある.
著者
野口 啓介 水沢 丕雄 山口 尚 奥村 善久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-2, 通信2-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.777-783, 1997-09-25
参考文献数
13
被引用文献数
1

携帯無線機器に用いられる小形アンテナの一つにヘリカルアンテナがある. へリカルアンテナの直径および軸長が波長に比べて小さい場合, 励振されるモードは垂直モードとなり, モノポールと同様の指向性をもち, 偏波は直線偏波をとる. 0.1波長程度より小さい小形のへリカルアンテナでは放射抵抗が小さく, Qが大きくなり, インピーダンス整合が問題となる. 本研究では, 垂直モードヘリカルアンテナについて2線式とし, その場合のインピーダンス特性について解析している. へリクスを2線式にすることによりアンバランスモードとバランスモードとの複合モードの利用が可能となる. その結果, 放射モードであるアンバランスモードのインピーダンス成分をステップアップできること, 非放射モードであるバランスモードのインピーダンス成分がインピーダンス整合に寄与できることが明らかとなった. また数値解析の結果は実験により確認している.
著者
野口 啓介 水澤 丕雄 山口 尚 奥村 善久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.95, no.354, pp.35-40, 1995-11-16
参考文献数
10

現在用いられている小形アンテナの一つに1線式へリカルアンテナがあり, 携帯電話, PHSの携帯端末用アンテナの一部として使われている. ヘリカルアンテナの高さが波長に対して小さい場合垂直モードで動作し, 微小ダイポールと同様な放射指向性を持つことが知られている. しかし1線式ヘリカルアンテナでは整合がとりにくいこと, 広帯域化が困難であることなどの問題点がある. 本論文ではヘリカルアンテナの整合および周波数帯域を改善する手法の一つとして2線式ヘリカルアンテナを提案する. 解析手法はモーメント法を用い, ヘリカルアンテナのパラメータを変化させ整合および広帯域化の方法についで検討する. さらに2線式ヘリカルアンテナの試作実験を行い理論値との比較を行う.
著者
野口 啓介 水澪 不雄 山口 尚 奥村 善久 別段 信一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.402-409, 1999-03-25
被引用文献数
7

小形アンテナの一つとして2線式メアンダラインアンテナ(2線式MLA)を取り上げ, その広帯域化について検討を行っている.素子を2線式にすることによりバランスモードとアンバランスモードの二つのモードの電流を流すことができ, 放射抵抗のステップアップとバランスモードのインピーダンスの反共振特性を利用することによってアンテナ自身で広帯域化が可能となる. 入カインピーダンスを放射抵抗, Q, 共振周波数を使って表し, その式において周波数の変化率を表すパラメータuを導入することにより広帯域化について考察している. 広帯域化に必要なバランスモードとしての平行2線の特性インピーダンスを20Ω程度まで小さくする必要があり, そのためにはストリップ導体を用いたメアンダラインの構造が有利であることを示している. 更に試作, 実験を行い, 高さ0.11波長の2線式MLAで, VSWRが1.5以下の場合において比帯域幅7.2%が得られている.