著者
山羽 悦郎 水野 寿朗 松下 健 長谷部 優
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.709-717, 1999-07-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
39
被引用文献数
15 17

キンギョの胚操作の指標となる嚢胚期以前の発生段階を, 組織学的, 細胞学的, 発生遺伝学的な視点から検討を加えた。20℃の培養下で同調卵割から非同調卵割への移行(中期胞胚期遷移)は, 9回の同調卵割の後の受精約6時間に起こり, この時期以降を中期胞胚期と定めた。中胚葉分化の指標となるgoosecoidとno tailの発現は受精後8時間に観察され, この時期以降を後期細胚期と定めた。胚盤周囲の卵黄多核層の形成と深層細胞の運動は中期胞胚期に, 胚盤中央部の卵黄多核層の形成と深層細胞の自律的な混合は, 被いかぶせ運動以前の後期胞胚期に観察された。
著者
水野 寿朗
出版者
大阪市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

動物の初期発生において胚形態やサイズが各種の発生様式の決定に与える影響を明らかにするため、下等脊椎動物の典型的な発生様式に対応するモデルを提案し、関連する実験系を開発して提示した。胞胚期の中胚葉形成に与える細胞密度が関連すること、原腸胚期以後の正常な胴尾部形成には一定の卵黄サイズが必要であること、さらに器官形成期の体節数決定に胚サイズが影響することが示唆され、巨視的な胚空間の役割が生物学的に意義付けられた。
著者
山羽 悦郎 水野 寿朗 松下 健 長谷部 優
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.709-717, 1999-07-15
被引用文献数
5 17

キンギョの胚操作の指標となる嚢胚期以前の発生段階を, 組織学的, 細胞学的, 発生遺伝学的な視点から検討を加えた。20℃の培養下で同調卵割から非同調卵割への移行(中期胞胚期遷移)は, 9回の同調卵割の後の受精約6時間に起こり, この時期以降を中期胞胚期と定めた。中胚葉分化の指標となるgoosecoidとno tailの発現は受精後8時間に観察され, この時期以降を後期細胚期と定めた。胚盤周囲の卵黄多核層の形成と深層細胞の運動は中期胞胚期に, 胚盤中央部の卵黄多核層の形成と深層細胞の自律的な混合は, 被いかぶせ運動以前の後期胞胚期に観察された。