著者
水野 重光
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.171-175, 1967-02

超音波診断の実用化は世界にさきがけてわが国で行なわれたものであり,研究開発の水準もあえて現在世界のトップレベルにあるということができる.しかし,一般に広く臨床的に応用されるに至つたのはここ数年のことである. 産婦人科領域への超音波診断技術の導入はわが国で和賀井らが,英国でI.Donaldらが1958年ごろからほぼ同時に開始したが,妊娠子宮を含む下腹部腫瘤は超音波診断の好対象となり得る条件を備えており,最近米国でも研究が盛んになつてきた.わが教室でよ導入の初期から今日まで広く検討を続けており,すでに日常検査法の一つとして採り入れるほどこなつている.超音波診断が産婦人科でどのようこ応用され得るか,我々の行なつている方法を中心に紹介してみたい.