著者
芳川 満輝 内田 亮 黒木 巽 三熊 敏靖 蛭田 勇樹 永田 佳子 金澤 秀子
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.173-179, 2016-04-05 (Released:2016-05-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1

Recently, the need for the analysis of psychotropic drugs has increased. With the revision of the medical treatment fees in FY2014, facilities that can be calculated in those case that could identify the drugs responsible for acute drug poisoning of a patient by instrumental analysis, including HPLC analysis, were expanded from only advanced emergency medical care centers (30 facilities nationwide) to emergency medical care centers (263 facilities nationwide). Since the responsible drugs can include barbiturate drugs used as antiepileptics and tricyclic drugs used as antidepressants, methods to analyze psychotropic drugs are needed. Moreover, in emergency medicine, it is necessary to quickly identify the cause of acute drug poisoning. Ultra-high-speed HPLC has become increasingly popular in analytical research fields. In this study, we investigated the analysis of psychotropic drugs using an ultra-high-speed HPLC system. The HPLC utilized in this study was a ChromasterUltra Rs system (Hitachi, Tokyo, Japan) equipped with a photodiode array detector. Using a LaChrom Ultra C18 column (particle size; 1.9 μm) as the analytical column, rapid and simultaneous analysis of 14 psychotropic drugs (five barbiturates, three benzodiazepines, five tri- and tetracyclic antidepressants, and trazodone) was achieved within 5 min.
著者
中村 拓己 浅田 絵美 永田 佳子 金澤 秀子
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.769-773, 2003 (Released:2004-01-30)
参考文献数
12
被引用文献数
6 5

市販品の緑茶中の主要成分であるカテキン類は,その製茶工程あるいは殺菌工程で熱異性化が起こることが知られており,緑茶カテキン類のうち含有量の最も多いとされているエピガロカテキンガレート(EGCG)は,ペットボトル飲料においては,その熱異性化体であるガロカテキンガレート(GCG)とほぼ1 : 1の割合で存在していた.また,抽出温度を変化させた実験から,緑茶はおよそ80℃ 付近から,熱異性化が起こり,抽出温度が98℃ となるとEGCGの熱異性化は更に進むことが確認された.更に,これらカテキン類のシトクロームP450(CYP)3A4代謝系に対する活性について検討した結果,構造中にガレートを有するカテキン類であるEGCG,GCG,エピカテキンガレート(ECG)のほうがガレート構造を持たないカテキン類と比較して阻害効果が大きいことが明らかとなった.したがって,CYP3A4代謝系に対するカテキン類の阻害効果は,ガレート構造の有無により大きく影響されることが示唆された.
著者
加藤 征江 永田 佳子 井川 明美
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.39-46, 1992-02-20
被引用文献数
2

塩味および甘味に対する味覚意識(味の鋭敏さ、味の濃淡の好み)と食物嗜好の関連を探るため、226人の学生に対して調査した。学生を食物教育の有無および性により、家庭専攻女子学生群と他領域専攻の一般女子学生群、一般男子学生群の3群に分けて検討した。その結果、1.味覚意識および食物嗜好に対する食教育の影響については、家庭専攻女子学生群は一般男女学生群に比べて、塩味に対しては薄味を好み、塩味の食物を好まなかった。それらに対する性の影響については、男子学生群は女子学生群よりも味に対して鋭敏であるとの意識をもち、一方、女子学生群は男子学生群よりも薄い塩味を好み、そして甘い食物を好んだ。2.3群ともに、塩味の濃淡の好みと塩味の食物の嗜好とは有意に順相関を示した。すなわち、塩味の食物を好む学生はそうでない学生に比べ、より濃い塩味を好んだ。これと同様の関係は、甘味と甘味の食物との間にも有意に見られた。3.2女子学生群においては、塩味の鋭敏さの意識と塩味の濃淡の好みとの間、および塩味の鋭敏さの意識と塩味の食物の嗜好との間に、それぞれ有意に逆相関が見られた。すなわち塩味に鋭敏であると意識している人程、薄味の塩味を好み、塩味の食物を有意に好まなかった。一方、甘味については、一般女子学生群において、そのような傾向が見られた。