著者
永谷 正治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.447-449, 1966 (Released:2011-11-04)

1. 清酒の粘度は一定温度下ではアルコール度数と日本酒度の関数と考えられ粘度/アルコール度数対日本酒度をプロットすると直線関係が得られた。2. 清酒の粘度温度との間には1℃ から43℃ の間ではAndradeの式が成立し, logη 対1/Tが直線関係を示す。3. 上記のグラフを利用して求めた粘度と実測値とは測定誤差の範囲でよく一致した。清酒醸造工程において, もろみの圧搾をはじめ濾過, オリ引き, ポンプ輸送, 火入れなど熱交換等の計算をする場合, 粘度の値が必要であるが, 清酒の粘度のまとまった実測値はなく, 化学成分からの推算法も見当らない。著者等は実用的な見地から清酒の粘度をアルコール度数と日本酒度から求める方法を検討した結果, 簡便な方法を得た。
著者
永谷 正治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.98-102, 1970-02-15 (Released:2011-11-04)

清酒の火入れの問題は上槽後の工程のうちで, もっとも重要なことのーつである。しかも従来この方面の理論的解析はほとんどなされていない。本稿では最近の著者の清酒の加熱殺菌に関する研究結果をわかりやすく解説していただいた。
著者
永谷 正治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.424-428, 1982-07-15 (Released:2011-11-04)

プロセス設計というのは製造工程を開発する仕事のことである。プロセスにもいろいろあって, 石油コンビナートを構成する巨大かつ複合したプロセスもある一方, 洗濯物を乾かすというシンプルなものも含まれる・本稿は, 醸造を構成するプロセスの中から適当な題材を選び, それを叩き台にして “多種多様な考え方” を次々と演出して見せる, という趣向と見受けられる。専門書の定義によるとプロセスとは “物理操作の集合” である。したがって著者は醸造を応用物理の一種だと考えるのであろう。そこでは何がどう語られるのか, 他人の目を通して自分を見るのに似たいろんな発見がありそうである。
著者
菅野 信男 永谷 正治 佐藤 信 大塚 謙一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.45-49, 1981-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12

清酒の品質の個性化を図ることを目的として, 異種酵母の混合発酵による醸造を行った。混合に際しては, 協会7号と清酒酵母とは異なる他属種の酵母8株を使用した。小仕込醸造試験を行い, 製成した清酒の成分の分析および官能検査から, S. roseiとT. collionlosaを選択した。それらの株につき更に仕込試験を行い検討した結果, s. roseiとの混合発酵の場合に味の軽い良品質の清酒が得られた。なお混用に際しては酵母仕込で行う方が酒母仕込より効果を上げることができると推察された。