著者
角田 直也 金久 博昭 福永 哲夫 近藤 正勝 池川 繁樹
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.192-199, 1986-08-01 (Released:2010-12-10)
参考文献数
11
被引用文献数
11 3

本研究では, スポーツ選手89名 (短距離5名, 長距離10名, バレーボール8名, サッカー12名, ボート22名, スピードスケート16名, 相撲16名) と一般男子14名を対象に, 大腿四頭筋 (MQF) とそれを構成する大腿直筋 (RF) , 外側広筋 (VL) , 内側広筋 (VM) , 中間広筋 (VI) の各断面積における種目差および等尺性脚脚伸展力 (KES) との関係について検討し, 以下の結果を得た.1.MQF断面積は, 相撲 (110.18cm2) が最も高く, ついでスピードスケート (104.09cm2) , バレーボール (99.36cm2) , ボート (96.30cm2) , サッカー (89.92cm2) , 短距離 (86.34cm2) の順であり, 長距離 (73.86cm2) が最も低い値を示した.短距離および長距離を除く他の種目は, 一般人 (75.32cm2) より有意に高い値であった.2.MQFを構成する各断面積は, 相撲, バレーボール, スピードスケートが高い値を示し, 短距離と長距離は, 一般人とほぼ同様な値であった.3.大腿部の全筋断面積に対するMQF断面積の比率は, バレーボール (58.66%) およびボート (57.53%) が高く, サッカー (53.81%) が低い値を示した.しかし, MQF断面積比率は, いずれの種目も一般人との間に有意な差を示さなかった.4.MQF断面積に対する各構成筋群の断面積比率では, サッカーがRFで, スピードスケートがVLで, それぞれ一般人および他の種目より有意に高く, 種目によって特異的に発達する筋が認められた.5.MQF断面積とKESの間には, 0.1%水準で有意な相関関係が認められた.またMQFを構成する各断面積も, KESと0.1%水準で, 有意な相関関係にあり, 断面積が大きな筋ほど, 相関係係数が高くなる傾向が認められた.6.MQF断面積当りのKESは, サッカー (8.97N/cm2) が最も高く, バレーボール (7.10N/cm2) が最も低い値を示した.サッカーのMQF断面積当りのKESは, 一般人 (8.06N/cm2) および長距離 (7.31N/cm2) より5%水準で, バレーポールと相 (7.50N/cm2) より1%水準で, それぞれ有意に高い値であった.サッカーを除く他の種目間の値には, 有意な差は認められなかった.
著者
角田 直也 金久 博昭 福永 哲夫 近藤 正勝 池川 繁樹
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.192-199, 1986-08-01
被引用文献数
7 3

本研究では,スポーツ選手89名(短距離5名,長距離10名,バレーボール8名,サッカー12名,ボート22名,スピードスケート16名、相撲16名)と一般男子14名を対象に,大腿四頭筋(MQF)とそれを構成する大腿直筋(RF),外側広筋(VL),内側広筋(VM),中間広筋(VI)の各断面積における種目差および等尺性脚脚伸展力(KES)との関係について検討し,以下の結果を得た. 1.MQF断面積は,相撲(110.18cm^2)が最も高く,ついでスピードスケート(104.09cm^2),バレーボール(99.36cm^2),ボート(96.30cm^2),サッカー(89.92cm^2),短距離(86.34cm^2)の順であり,長距離(73.86cm^2)が最も低い値を示した. 短距離および長距離を除く他の種目は,一般人(75.32cm^2)より有意に高い値であった. 2.MQFを構成する各断面積は,相撲,バレーポール,スピードスケートが高い値を示し,短距離と長距離は,一般人とほば同様な値であった. 3.大腿部の全筋断面積に対するMQF断面積の比率は,バレーボール(58.66%)およびボート(57.53%)が高く,サッカー(53.81%)が低い値を示した. しかし,MQF断面積比率は,いずれの種目も一般人との間に有意な差を示さなかった. 4.MQF断面積に対する各構成筋群の断面積比率では,サッカーがRFで,スピードスケートがVLで,それぞれ一般人および他の種目より有意に高く,種目によって特異的に発達する筋が認められた.