著者
弓桁 亮介 角田 直也 堀川 浩之
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.75-81, 2015 (Released:2015-07-10)
参考文献数
23

The purpose of this study was to clarify the part difference of change of body fat in Japanese young women. Subjects were 142 healthy female university students who were living in a dormitory. In particular, 21 subjects who showed the remarkable increased percentage of total body fat were grouped as the increase group. 24 subjects who showed the remarkable decreased percentage of total body fat were grouped as the decrease group. Body weight, total and regional body fat and muscle volume were measured by bioelectrical impedance analysis method. Each item was measured for two times in June and December.The difference of change in the percentage of body fat of a trunk showed the highest value in parts of the body. The difference of change in the percentage of body fat of an arm was higher than that of a leg.From these results, the part difference existed to a change of the body fat. It was suggested that the part in which body fat tends to increase is the part in which it tends to decreases.
著者
沢井 史穂 実松 寛之 金久 博昭 角田 直也 福永 哲夫
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.93-105, 2004-02-01
被引用文献数
8 21

若年男女12名を対象として,携帯型表面筋電計を用い,日常生活の基本動作である姿勢保持・姿勢変換・体重移動動作計27種類について身体8部位から筋電図を導出し,各動作における筋ごとの活動水準を明らかにした.筋活動水準は,各動作で導出された筋電図の時間当たりの平均積分値(mEMG)を各筋の等尺性筋活動によるMVC発揮時の筋電図積分値で正規化して評価した.その結果,以下の知見が得られた.1.対象動作における時間当たりの平均活動水準は,ビラメ筋において一部40%MVCを越える動作があったものの,総じて低く,20〜30%MVC程度だった.2.動作間で各筋の活動水準を比較すると,速い速度での'階段昇り・降り'及び'坂の上り・下り'と'ジョギング'が総じてどの筋でも相対的に高い活動水準を示し,坂や階段を急いで上る(昇る)と,下肢の筋には自然歩行時の2〜3倍の負担がかかることが判明した.3.体幹の筋でぱ立ち座り',脊柱起立筋と大腿直筋でぱ中腰'と'立ちしゃがみ'の活動水準も相対的に高かった.また,腹直筋と大腿直筋は,階段と坂の上り下り動作において昇り(上り)より降り(下り)動作の方が筋の活動水準が高いという特徴が認められた.4.以上の結果は男女に共通するものであったが,筋活動水準の平均値は多くの動作で女性の方が有意に高く,同じ動作を行ったときの筋への負荷は女性の方が相対的に大きいと考えられた.5.本研究の結果から,日京生活の中での速い体重移動動作,特に勾配のある路面での移動動作は,下肢筋群の筋機能の維持・向上に有効な運動刺激となり得るのではないかと推察された.
著者
池袋 敏博 久保 啓太郎 岡田 純一 矢田 秀昭 角田 直也
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.401-411, 2011 (Released:2011-08-30)
参考文献数
37
被引用文献数
7 7

This study aimed to investigate the differences in the development of muscle thickness (MT) in the lower limbs with specific sports-event training. Furthermore, the relationship between MT of the lower limbs for weightlifters and sprinters and their competition performances (total weight lifted and 100m sprint times) was examined. Subjects were 64 males divided into 3 groups: weightlifters (n=20), sprinters (n=20), and untrained subjects as controls (n=24). The MT{relative to (body weight)1/3}of knee extensors (KE), knee flexors (KF), plantar flexors (PF) and dorsi flexors (DF) was measured at 21 sites (proximal, middle and distal) along the length of the upper and lower leg by B-mode ultrasound. The MT of KE for weightlifters was significantly greater than that for sprinters and controls, while the MT of KF and PF for sprinters was significantly greater than that for weightlifters and controls. The MT of rectus femoris (RF), vastus intermedius (VI), vastus lateralis (VL) and vastus medialis (VM) for weightlifters was significantly greater than that for sprinters and controls, while the MT of RF and VM for sprinters was greater than that of controls. On the other hand, the MT of KE for weightlifters and sprinters (especially VM) correlated significantly with competition performances. These results indicated that squatting affected the MT of KE except for RF while sprinting affected the MT of KF and PF. It was also concluded that the MT of KE for weightlifters and sprinters (particularly VM) was related to their competition performances.
著者
木内 聖 平野 智也 角田 直也 船渡 和男
出版者
公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
雑誌
デサントスポーツ科学 (ISSN:02855739)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.184-191, 2023-02-22 (Released:2023-03-09)
参考文献数
9

ランニングにおける足部内側縦アーチの変化および足底荷重を定量化することを目的とした.足底圧分析機 (Novel GmbH®,100Hz),モーションキャプチャシステム (Oxford,100Hz),フォースプレート (Kistler,1KHz) を同期し,足底を解剖学的計測点に基づいて5つに分割した.参加者8名が2.78m/sの速度でランニングを行った.内側縦アーチ角度は第一中足骨遠位端,舟状骨,踵骨側面のなす角度,中足趾節関節角度は,母趾末節骨近位端,第一中足骨遠位端および近位端のなす角度として算出した.足底荷重は,接地とともに後足部および前足部外側の荷重がみられ,蹴り出し時には前足部に荷重がシフトし,内側縦アーチ角度が最大の変化量を示した.その後,中足趾節関節背屈に伴い前方向の地面反力が増加する傾向がみられた.内側縦アーチは,足部接地中,足底荷重を吸収するための柔軟な構造から,蹴り出し時に中足趾節関節を背屈させることで剛性を高め,前足部で蹴り出すことで前方への推進力を生み出していると推察される.
著者
角田 直也 金久 博昭 福永 哲夫 近藤 正勝 池川 繁樹
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.192-199, 1986-08-01 (Released:2010-12-10)
参考文献数
11
被引用文献数
11 3

本研究では, スポーツ選手89名 (短距離5名, 長距離10名, バレーボール8名, サッカー12名, ボート22名, スピードスケート16名, 相撲16名) と一般男子14名を対象に, 大腿四頭筋 (MQF) とそれを構成する大腿直筋 (RF) , 外側広筋 (VL) , 内側広筋 (VM) , 中間広筋 (VI) の各断面積における種目差および等尺性脚脚伸展力 (KES) との関係について検討し, 以下の結果を得た.1.MQF断面積は, 相撲 (110.18cm2) が最も高く, ついでスピードスケート (104.09cm2) , バレーボール (99.36cm2) , ボート (96.30cm2) , サッカー (89.92cm2) , 短距離 (86.34cm2) の順であり, 長距離 (73.86cm2) が最も低い値を示した.短距離および長距離を除く他の種目は, 一般人 (75.32cm2) より有意に高い値であった.2.MQFを構成する各断面積は, 相撲, バレーボール, スピードスケートが高い値を示し, 短距離と長距離は, 一般人とほぼ同様な値であった.3.大腿部の全筋断面積に対するMQF断面積の比率は, バレーボール (58.66%) およびボート (57.53%) が高く, サッカー (53.81%) が低い値を示した.しかし, MQF断面積比率は, いずれの種目も一般人との間に有意な差を示さなかった.4.MQF断面積に対する各構成筋群の断面積比率では, サッカーがRFで, スピードスケートがVLで, それぞれ一般人および他の種目より有意に高く, 種目によって特異的に発達する筋が認められた.5.MQF断面積とKESの間には, 0.1%水準で有意な相関関係が認められた.またMQFを構成する各断面積も, KESと0.1%水準で, 有意な相関関係にあり, 断面積が大きな筋ほど, 相関係係数が高くなる傾向が認められた.6.MQF断面積当りのKESは, サッカー (8.97N/cm2) が最も高く, バレーボール (7.10N/cm2) が最も低い値を示した.サッカーのMQF断面積当りのKESは, 一般人 (8.06N/cm2) および長距離 (7.31N/cm2) より5%水準で, バレーポールと相 (7.50N/cm2) より1%水準で, それぞれ有意に高い値であった.サッカーを除く他の種目間の値には, 有意な差は認められなかった.
著者
青葉 貴明 松本 高明 青山 利春 角田 直也
出版者
日本トレーニング科学会
雑誌
トレーニング科学 (ISSN:13494414)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.339-345, 2010 (Released:2014-04-03)
参考文献数
27

本研究は,陸上競技の投擲選手(TR),短距離走者(SP),長距離走者(DR)における全身・各部位の除脂肪軟組織量(LSTM)と安静時代謝量(REE)の関係,および安静時代謝量の推定値を求め,競技特性との関係を明らかにすることを目的とした.被験者は,大学陸上競技選手 59名(TR : 20名,SP : 20名,DR : 19名)であった.身体組成測定は全身用デュアルX線骨密度測定装置(DXA 法)を用い,頭部,体幹部,上肢部,下肢部及び全身を測定した.種目間の有意な差異は,各部位および全身のLSTM においてみられた.TRにおける体重あたりのREE は,他の種目に比べ有意に低い値が示された.一方,活性組織量あたりの安静時代謝量は,種目に関わらず30kcal/day/kg が示され,種目による顕著な差異は認められなかった.全身のLSTM とREE との間には有意な高い相関関係が認められた.これらのことから,安静時代謝量はスポーツ選手のトレーニング様式の違いによる活性組織量に影響を受けることが示唆された.
著者
石田 良恵 角田 直也 金久 博昭 福永 哲夫
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.91-97, 1985-04-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
18
被引用文献数
4 3

超音波皮脂厚計 (USC) を用いて, 体肢における皮下脂肪厚を測定し, 多用途超音波診断装置による組織断面撮影法 (SSD-120) による値と比較することにより, USCによる皮下脂肪厚測定の妥当性を検討し, 次のような結果を得た.1.USCとSSD-120による各体肢における皮下脂肪厚問の相関係数は,前腕: r=0.808, 上腕: r=0.780下腿: r=0.833, 大腿: r=0.843を示し, 全ての部位で0.1%水準の有意な相関関係が認められた.2.皮下脂肪値が, SSD-120で6mm以下の状態では, USCの値はSSD-120に比較して, やや高く, 一方6mmになるとやや低くなる傾向が認められた.3.前腕, 上腕, 下腿及び大腿の各皮下脂肪厚について両測定値間の差の絶対値をみると0.6~2.0mmであったが, しかし両測定値においては統計的に有意差はなかった.以上のことから, 体肢の皮下脂肪厚 (皮膚を含む) 測定方法として超音波皮脂厚計 (Canon CH300-FT) は充分使用できるものと考えられる.本論文の一部は, 第69回日本体力医学会関東地方会 (1983) において発表したものである.
著者
角田 直也 金久 博昭 福永 哲夫 近藤 正勝 池川 繁樹
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.192-199, 1986-08-01
被引用文献数
7 3

本研究では,スポーツ選手89名(短距離5名,長距離10名,バレーボール8名,サッカー12名,ボート22名,スピードスケート16名、相撲16名)と一般男子14名を対象に,大腿四頭筋(MQF)とそれを構成する大腿直筋(RF),外側広筋(VL),内側広筋(VM),中間広筋(VI)の各断面積における種目差および等尺性脚脚伸展力(KES)との関係について検討し,以下の結果を得た. 1.MQF断面積は,相撲(110.18cm^2)が最も高く,ついでスピードスケート(104.09cm^2),バレーボール(99.36cm^2),ボート(96.30cm^2),サッカー(89.92cm^2),短距離(86.34cm^2)の順であり,長距離(73.86cm^2)が最も低い値を示した. 短距離および長距離を除く他の種目は,一般人(75.32cm^2)より有意に高い値であった. 2.MQFを構成する各断面積は,相撲,バレーポール,スピードスケートが高い値を示し,短距離と長距離は,一般人とほば同様な値であった. 3.大腿部の全筋断面積に対するMQF断面積の比率は,バレーボール(58.66%)およびボート(57.53%)が高く,サッカー(53.81%)が低い値を示した. しかし,MQF断面積比率は,いずれの種目も一般人との間に有意な差を示さなかった. 4.MQF断面積に対する各構成筋群の断面積比率では,サッカーがRFで,スピードスケートがVLで,それぞれ一般人および他の種目より有意に高く,種目によって特異的に発達する筋が認められた.