著者
池添 貢司 森 理也 喜多村 和郎 田村 弘 藤田 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.108, pp.59-64, 2012-06-21
参考文献数
11

一次視覚野(V1)の神経細胞は方位選択性を持ち、方位選択性の強さは細胞によって異なる。方位選択性細胞はその最適方位に従って皮質内で規則的に配列している。本研究では、サルV1で2/3層細胞の選択性の強さが細胞周辺の方位マップの構造、特に局所領域内の細胞が持つ最適方位の多様性と関係するかを検討した。本研究では、鎮痛不動化したサルにおいて方位刺激に対する個々の細胞の応答を2光子カルシウムイメージングで計測した。互いに似た最適方位を持つ細胞が集まる領域では様々な方位選択性をもつ細胞が集まっていたが、互いに異なる最適方位を持つ細胞が集まる領域では方位選択性の弱い細胞が集まっていた。この結果から、サルV1細胞の方位選択性は細胞周辺の方位マップと関係することが示唆される。
著者
池添 貢司
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

霊長類の左右の眼それぞれに投影される外界の像の間には、ずれ(両眼視差)が生じる。両眼視差は奥行き知覚ための手がかりとなり、多くの視覚関連領野で処理される。本研究課題では、両眼視差情報の情報処理に関わる神経回路を解明するための計測技術として、げっ歯類などの小動物で用いられていた生体内2光子カルシウムイメージング法をサルの視覚野で確立した。この方法を用いてサルの一次視覚野細胞の、応答特性に基づいた空間的な配列を細胞レベルの分解能で明らかにし、論文発表を行った。